ポッチ
kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru
一部協力書店で購入するといただける書き下ろしSSペーパー。大きさはA4サイズ、やや厚手の紙にモノクロ片面印刷されています。四つ折りで、右上部分は表紙と同じイラスト、残りの部分に小説が書かれています。商品説明のところには「A5」と書かれているので、もしかしたら購入先によって大きさが若干異なるのかもしれません。
時系列は『心を半分残したままでいる(1)』で、静良井の恋人「M」を探しに中上さんと動物園に行った時。
静良井さん視点のお話です。
1巻のネタバレも含んでいます。ご注意ください。
「もし自分が過去の『僕』だったら…」
と想像したときに、どこかに記録を残しておいたのだと思う、という持論を中上さんに話す静良井さん。書き残すとしたらタトゥーではないか、と推測する静良井さんに、呆れ顔の中上さんが彼にしたことは…。
というお話。
会話自体はよくある雑談なのですが、1巻、2巻と続けて読んだ後に、このSSを読むと中上さんのうちに秘めた恋心が胸に迫ってくる。
静良井さんの項。
コーヒー。
そして炭酸ジュース。
静良井さんに本当のことを告げることをせず、ひたすら見守り続けた中上さん。
切ない…。
萌えが上がりきって降りてきません。1巻、2巻を読んでから読まれることをお勧めします。
そして3巻…。
早く読みたい!
本編の過去編の出来事とリンクしているSSなので本編後に読むの推奨です。
SSは1巻で描かれてた現在の動物園に来た時の一コマです。
※ネタバレ感想なのでご注意下さい※
最初は記憶が無いのでしょうがないのだけれど、自分の正体について突拍子もない想像をしています。
中上の呆れ顔と共にくすっとさせてくれるのですが、、、
この後の展開が、深い。とても深いです。
彼らのというか中上の想いや年月を思うと、この掌編で更に胸が苦しくなりました。
チープな感想ですが、涙です。
静良井の問いかけに答える中上の言葉、ひとつひとつがとても奥深いです。
静良井の記憶のかけらとも言えない程の微かな、本当に微かな炭酸の泡のように消えてしまった音が切なかったです。
心を半分残したまま(2)の協力書店でのみ配布されたペーパー。(1)のペーパーを手に入れ損ねたのでそことのつながりは不明ですが、(2)本編とはリンクしていますので、本編後にどうぞ。というのが通常。実は当ペーパー読んでから、本編読んで、もう一度ペーパーを読みました。(1)の終わりが気になってたので、どうなったのか、と手っ取り早いSSを覗いてみたという悪手w のはずなのですが。
Mを探して動物園に行き、木陰のベンチで、ペーパーカップのアイスコーヒーとサイダーをお互い手にする二人。中上の思い出話をきっかけに鳥類コーナーのバードランドで長い時間を過ごしています。
「マスターはサイダーを飲んだりするんだね」とさらっと告げる静良井。空を見上げる中上。
最初は分かんなかったのですが、(2)本編よんで「あ!」と思い、もう一度SSを読むと、じわーっとじわーっと中上のやりきれない、でも卵の中に隠したような深い想い、静良井の拠り所を求めずにはいられない密やかな想い等が勝手に湧いてきて、辛かったです。こういう読み方して、今回は成功だったかな。
「彼の記憶はあるんだけど、そこへの回路が切れただけ」と思いたいです。何かをきっかけに思い出すというコースはあり得ないのだろうか・・・(涙)
やっぱり、私に早く(3)を。そして彼らに幸せを。しばらくサイダー見るたびに思い出しそうです。