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hitomi sorasanaide
山伏×呪術師というかなり珍しいカップルと、高校教師×問題児の二組のカップルのお話が入った短編形式の小説です。
呪術云々や呪い、式神、妖怪などの設定は最初はちょっととっつきにくい感じがしたんですが、お話はシリアスよりはドタバタコメディー系で明るいというより可愛い感じでした。
しかし、この作品、続き物だと知らず、あれ、何も起こらない…?と思ったまま終わってしまい…調べたところ全3巻なのですね。
この一冊ではほとんどさわりというか、登場人物の紹介と人間関係の紹介というくらいでした。
それにしてもドタバタコメディーのほうに重きを置いてるというか、日常会話は多いのにもっと説明してほしいことがあるというか、もっと詰めてお話を進ませてもいいんじゃないかとも思います。
人間じゃないものがたくさん出てくるんですが、さらりと受け入れられるような、そんな楽しさがある作品です。
主人公は中学生の信。強い呪術の力を持ってるのですが、身寄りをなくし、親戚の各務の家で暮らしています。
信は各務に淡い恋心のようなものを抱いてるけど、各務は高校教師で、担当している生徒の八坂と付き合っています。
この八坂は非行少年で留年したり補導されたり…。家庭が複雑で典型的な構ってほしくて悪いことをするタイプで、さみしがりで自分に投げやりで…。
こういう子供と大人の恋愛というものは萌えるんですが、各務がすごく真面目な教師かというと、そうでもない^^;
各務は面食いで、八坂も顔が好みだから狙ったふしがあり、信に対しても妹の息子じゃなければ手を出したいみたいな節があって、なんか見ていて軽い印象がありました。
しかも信の父親の事が好き?…という複雑な展開…。
この父親、妖怪に取り付かれてしまい、信を狙ってくるようですが、この巻では出てきません。
なんだか設定がいっぱい詰まってるのに全てに対しての説明が軽くって、あれあれ?という感じでした。
重い展開より明るいお話のほうがいいですが、やっぱりこの巻では何がしたかったのかな?という消化不良な印象です。
信のお相手は各務と同じ高校教師で、山伏の草薙。
信と最初は敵対しますが、信を気に入り手を出します。
中学生相手に、かなり最初のほうで恋人になるのでこちらも早すぎるのは気になるところです。
お話としてはこの巻だけだと抑揚がなさ過ぎて中立くらいなのですが、八坂の境遇がせつなく惹かれてしまい、この子が幸せになれるのか最後まで見守りたい気がしました。