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shinigami ni kuchiduke
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
こちら、ダーク寄りのシリアス系サスペンスものです。
やや硬質な印象の文章がストーリーとピッタリきて、まるで映画を見たような読後感。読み応えがありました。
内容です。
受け継いだ人間の「憎しみ」に反応して人を死に至らしめる「死神の鎌」。
それを保有・管理する「沈黙の協会」の神父・野中ヨハネ和樹は、次代「死神の鎌」保有者になる予定でしたが、不慮の事故から会社員・神谷に引き継がれてしまいます。
「死神の鎌」を狙う謎の青年実業家・有働天輪の暗躍に、協会の思惑。
追い詰められた神谷と、そんな彼を愛するようになったヨハネの行き着く先は-・・・と言ったものです。
こちら、「死神の鎌」を代々受け継ぎ世界を混乱させないように守って来た「沈黙の協会」だったり、二人を狙う表向きは篤志家、裏では悪徳新興宗教と謎のカリスマ・有働だったりと、かなりダーク寄りのオカルトチックサスペンスものです。
私はどちらかと言うと、甘いラブコメ系が好きなのですが、ナツ之先生に限ってはシリアス系が好みだったりします。
どちらかと言うと硬質で官能的な文章が、コメディよりシリアスものでより生きる気がするのですが、いかがなものでしょう?
で、ワケも分からないまま死神の鎌を受け継いでしまい、自身の周りで起こる不可解な人の死に追い詰められて行く神谷。
そんな神谷に魔の手を伸ばす有働とその愛人マリコ(※男)。
また、その出生から疎まれ、死神の鎌を引き継ぐ事で自身の居場所を見い出していたヨハネ。
死神の鎌奪還に動く「沈黙の協会」と、それぞれの事情や思惑が複雑に絡み合い、様相は緊迫感を増していきます。
そんな中で、自身の死を望みヨハネの元を自ら訪れる神谷。
何でしょうね・・・。息をつかせぬ重苦しい展開の連続であるストーリーの中で、この部分がすごく心が安らぐ、優しい印象を与えてくれるのです。
北海道の人っ子一人居ない田舎の朽ち果てそうな協会で、逃亡者のような二人が、ささやかで温かい日々を過ごすー。
傷付いた魂が寄り添い合いと言った具合で、このひとときの安らぎが、ダーク寄りのストーリーの中だからこそ、より優しく儚げな印象を与えてくれると申しましょうか。
二人が心を通わせて行く大切なパートなのですが、それ以上の意味を持たせてくれてと効果的に使われていると感じます。
ここから怒濤のラストに進むワケですが、衝撃の事実の発覚に、哀しい愛憎劇と、読み終えた後はしばらく余韻から抜け出せませんでした。
これ、主役二人だけじゃなく、敵方であるマリコの心情もしっかり描写されてるのが巧みなんですよね。
有働に対しては可哀想な人だと言う感想しか持たないのですが、マリコに対してはちょっと切ない・・・。
有働のような男を愛しちゃった悲哀と言うか。
エピローグがですね、全く関係無い第三者である、道に迷った大学生の視点で書かれてます。
山奥の協会で暮らす、不思議な二人連れと言った感じで。
これにより読後感がなんとも幻想的で余韻が残るものに。
最後まで巧みだなぁと唸らされました。
頭から聖数があり聖獣があり黙示録世界を思わせる描写が溢れて
先生には珍しくオカルティックな素材を散りばめられている。
血飛沫飛び散る展開になりながら 決してファンタジーアクションにならず
クローズドな世界を構築してしまうの展開はやっぱりナツの先生の特色だと思う。
隠されるモノ在ってはならないものを最初から「閉じ込める」目的しかなかったのだこの物語は。
これを残念と思う向きもあるかもしれない。
それとも驚くべきは 語られるべき内容の濃さ(たとえばマリコの事、天輪の事など)
2~3冊分くらいのボリュームで書かれても良かったのではないかと惜しむ。
クローズドな世界とは 主人公二人の「閉ざされる」運命である。外界と隔絶される彼ら、 たった二人きりで生きる世界を幸福だと思う自分がいる。これは作者の罠かしら?
ヨハネの人間臭くない清浄さにキャソックを装備すると最強に美しいと思います。
また神谷はやつれ姿がセクシーなやられキャラで、人間として美しいのはマリコ。
読むとき彼らが持つ「生きてきた」色合いがそれぞれに見えて味わい深いです。
朧げに語られるヨハネの母と生気強いマリコの対比はあるいは聖母とマグダラのマリアを比するか。
ならば御子は? 読みようによっては謎かけられているようにも読めて二度美味しい作品でした!
今回は「死神の鎌」を継承した会社員と
「死神の鎌」を継承するはずだった神父のお話です。
攻様が継承した「死神の鎌」を狙う
非営利団体会長の手を逃れて
受様との幸せを掴むまで。
それは目に見えず、
匂いはせず、触れること叶わず、
されどそこに座す。
それが「沈黙の教会」が存在をかけて
護る「死神の鎌」です。
死神の鎌を持つ者が心を乱し、
相手の死を望んだ時、罪を暴かれた者は
死神の鎌によって死がもたらされます。
過去、死神の鎌を持つ者は
多大な死者を生みだす大惨事を
巻き起こしてきました。
それゆえに沈黙の教会は
死神の鎌を継承する宗主を蒼馬の塔で
幽閉するがごとく護ってきました。
今、その宗主に死の影が迫り
教会の主だった神父達は代替りを待って
この地に集まっています。
受様は死神の鎌を継ぐ次の宗主として
宗主の側近くに仕えていましたが
死を待つばかりだった宗主が突然、
塔から姿を消してしまいます。
沈黙の教会の神父達は必死に
車で失踪したと思しき宗主を探しますが
宗主は新宿で自損事故を起こして死亡、
その場に居合わせた会社員が
死神の鎌を継承してしまいます。
その会社員こそ今回の攻様となります。
攻様は死神の鎌を継承したことで
その人生を一変させられます。
一度は攻様に接触した受様ですが
死神の鎌を利用しようとする
非営利団体のカリスマ会長であり
死神の鎌が効かない異形の男の手により
攻様が連れ去られてしまいます。
受様は死神の鎌を失った責を負って
北海道の支部に飛ばされ
攻様はカリスマ会長の手駒として
鎌を振るわされることになるのです。
攻様はこのまま殺人鬼となるのか!?
受様は死神の鎌を戻せるのか!?
人の罪を死に代える死神の鎌を巡る
受様と攻様、異形のカリスマ会長との
戦いを描いた物語になります。
うーん、
ホラー調ダークサスペンス?
出生から望まれない子だった受様は
祖父母を領してとして育ちますが
感情の起伏が乏しいゆえに疎まれます。
しかし、
そんな受様に目を止めた神父によって
沈黙の協会の宗主に次代として
望まれて神父となります。
攻様は何の知識もなく
死神の鎌を継承してしまった為に
接触してきた受様の話を
まともに取り合いませんでした。
そしてそれ故に
死神の鎌の力を手中にしようとする
カリスマ会長に拉致られるのです。
それでも隙をついて会長の手を逃れ、
攻様を殺そうしていた受様に
助けを求めるのですが
受様も死神の鎌の手にかかって
死の淵を見てしまった事により
2人はそれぞれの罪を背負いつつ
共同生活を始めます。
閉ざされた日々の中で
2人は互いに惹かれていくのですが
そんな2人に再び会長の魔の手が!!
受様の過去と
カリスマ会長の過去が交わって
2人の関りが明かされた時には
はっきり言って
このお話はどうやって終わるんだ!?
とすごーく疑わしくなり
亡くなった受様の母の思い、
そして攻様の受様への思いが
異形であるカリスマ会長の心を揺らし
彼が己の罪によって倒れるまで
ハラハラし通しでした o(>_<)o
一見、それぞれの登場人物は
個々の思いのままに動いているようですが
お話が進む中でそれぞれの思いが
明かされていく事によって
バラバラなピースを繋ぐ糸が見え始めます。
1本づつは細い糸でも
それぞれ複雑に絡まり合うことで
強く太い絆となってい展開は
予想外でとても面白く読めました♪
2人が結ばれて
穏やかな平和を手に入れての
ハピエンは良かったですが
設定上仕方ないとは言え
血みどろな死がそこかしこに有り
改心ではなく死で決着な展開は
ちょっと好みではないので
評価は「萌2」に留めさせて頂きます。
ゴメンナサ~イ m(_"_)m
今回は死神をキーワードにして
成宮ゆりさん『死神のキスは癖になる』を
ご紹介作にしようかなと思いますが
こちらの死神も普通じゃないかな(笑)
萌えたんじゃないですが、テーマがすごかったので萌2.なんとなく表紙がうす暗くて、どうしよう・・と躊躇われたですが、読んで良かった!王道なお話とは違っていたため、面白かった★です!本編のみ260P弱+先生のあとがきで、最初の方に少しスプラッタ的記載がありますが、そこさえ乗り切れれば大丈夫です!シリアス重め話でも大丈夫なら是非頑張って読んでいただきたいです・・・
お話は、齢95となる宗主(死神の鎌をもつ)が間もなくその命を終えようとしている蒼真の塔で、ヨハネが食事を持ってくるところから始まります。ヨハネは敬愛する宗主に心安らかに生を終えてほしいと願っていたのですが、目を離した少しの間に宗主は姿を消し、次に姿を現したのは新宿、赤信号を無視して突っ込んできた車から転がり出たのは・・・とお話は続きます。
メインカプ以外の登場人物は
有働天輪(非営利団体ロータスイーター(胡散臭い名前・・・)の会長)、マリコ(♂だけど女装美人さん、有働の秘書)、沈黙の教会の神父さんたち等。サブカプとして登録されている通り、有働とマリコがすごく効いてます。どうやったらこんなキャラを思いつくんだろう。この二人の出会いをゆっくり読んでみたい気がする。
***********以下は すごいとしか言葉がない部分
死神の鎌という発想が面白かった。集団的な狂気の発動を死神の鎌の力によるものと考えるのが、通常説明のつかないものに対する答えを与えてもらえたように感じて「おお」という気持ちです。そして有働の人生が気になってしようがないです。なんで彼はあんな心のない人間になったのか。なんでヨハネの母だけが彼の心を揺るがせることができたのか。彼の最後のマリコへの言葉は何だったのか。
先生、なんとかスピンオフ出てこないでしょうか。もうこんなお話書けないですか?SSでも良いのであると超嬉しかったんだけどなあ。。。。。マリコさんのツライ部分を読むのはツライ気がするし、そうだなあ、彼らの話だと救いがないから、やっぱダメか。しゅん。
やや重ためお話ながら、わーすごいもの読んだという気持ちです。先生有難うございました!
よかったです。
現代ものなのですが、オカルトあり、ファンタジーあり、スプラッタなところありとP260ほどなのにすごく内容の濃い話でした。
結末がどこへ向かうのかがわからずドキドキしながら読みました。
少し悲しいこともありますが、これが最良の結末だったと思います。
あらすじ
神谷善人(攻め1)は交差点に赤信号で突っ込んできた車から辛くも逃れた直後、大破したその車から出てきた瀕死の神父服の老人に「すまない」と謝れらます。
直後老人から何かが自分の中に入ってきたような奇妙な感じがするのです。
瀕死の老人の写真を無遠慮に撮る見物人。
救急車を呼ぶでもなく興味本位な野次馬たちに腹を立てた神谷は憎しみを感じます。直後、何故か自分の周りの人間が自殺を始めるのです。
検査入院させられた神谷を訪れたのは、「沈黙の教会」所属だという神父・野中ヨハネ和樹(受け1)でした。「あなたの中に死神がいます」と。
その時は鼻で笑った神谷ですが、3か月後思い知ることになるのです。
死神の鎌とは、ローマ法王にもなったある神父が自分の欲望のため悪魔と契約した際に貰った能力で、所有者が憎んだ相手の罪を暴き自殺に追い込むというものです。
この能力は持ち主が死亡すると、近くにいる適応者へ移行していくという特徴があり、感情の起伏の激しい人物が持ち主になると死者が量産されてしまうので、現在ではその持ち主は「沈黙の教会」の管理下に置かれ隔離されています。
が、死に瀕した現在の死神の鎌の所有者は神父・ヨハネが若い身で後継者になるのを哀れみ教会から逃亡した結果、偶然居合わせた神谷がこの能力を引き継いでしまうのです。
主な登場人物は、偶然死神を身体に宿すようになった神谷、もともと死神の鎌の後継者ヨハネ、死神の鎌のことを知りこれを利用しようとする非営利団体代表・有働天輪(攻め2)、その愛人でありボディーガードのマリコ(女装した男性)(受け2)
その他、神谷の同僚や、教会の神父たち
主役CPとサブカップルの2CPの話でした。
視点が比較的よく変わり、章の途中でも突然視点が変わります。
主役CPの二人の視点が多いですが、サブの二人の視点もあります。
神谷・ヨハネの二人の話だと思っていたので、突然マリコの視点になったときは驚きましたし、初めは話が中断したような感じがして集中しづらかったです。
ただ、天輪・マリコCPががどう主役二人と関係していくのかと先が読めず、繋がったときは運命を感じました。
天輪はいわゆるサイコパスと言われる人物で共感力がありません。
ヨハネは母親が幼馴染にレイプされだ結果産まれ、母親はヨハネを産むと同時に亡くなっています。そのことに加え、感情の起伏がほとんどなく、気味が悪いと両親(実は祖父母)から厭われて育ちます。
神谷はアル中の父親に苦しめられ、そのことが祟って母親も早逝し、天涯孤独な身の上です。
マリコはもともとヤクザで天輪によって人生を狂わされます。
ヨハネの話を信じなかった神谷は天輪たちに捕まり、誘導されてたくさんの人を死ぬように仕向けられます。他人の死が日常化しすっかり荒んでしまった神谷はヨハネのところへ逃げ、殺してほしいと頼むのです。
死神は自分の宿主を全力で守るのでヨハネに神谷を殺すことはできませんでしたが、人のほとんど来ない北海道で二人は穏やかに暮らします。そしてヨハネは神谷とは繋がっている実感がわき、初めて人並みの感情を覚えるのです。そんな平穏で慎ましやかな生活を壊すのが天輪たちでした。
放っておいてほしい神谷たちと自分の楽しみのために神谷を利用しようとする天輪たちがどのような結末になるのか最後までわからず心配でしたが、天輪は最後には人としての心を得たのではないでしょうか。
天輪とマリコの過去が断片的で、あの二人に具体的に何があったのか想像するしかないのですが、私の読解力では何故マリコが人の心を持たず愛人として傍においていても自分のことをいつでも切り捨ててしまうとわかっている天輪の傍にいつづけたのか理解できませんでした。彼らのことをもう少し知りたいと思いましたが、たぶん私には理解の範疇を超えた関係なんじゃないかと思います。
最後はかなりオカルトというかファンタジーというか、現世とは違う世界の住人になってしまったような二人ですが、これも死神の力によるものなのでしょうか。
なんにせよ、作者様がおっしゃるように今までで一番長く死神を身に宿すであろう二人が穏やか人生を終えられることを願ってやみません。
電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。
「わー、パニック小説だ」と(何故か)嬉々としたのですが、パニック小説風味は冒頭だけでした。
『死』と『善悪』について、考えさせられるお話です。
キリスト教の教会組織が出てきますけれど、宗教についてのお話ではないと思います。
良い悪いというものは、立場によって判断が異なります。
だからこそ、良い判断をしたからといって、良い結果が訪れるとは限りません。
そういう皮肉を描いたお話の様に、私には思えました。
なかなか、読み応えがあります。
勧善懲悪に落としこんでしまうのは惜しい、スケールのでかいお話。
だからこそ、ラストのまとめ方には若干の勿体ない感を感じてしまいました。
作者に力があるからこそ、そんなことを感じちゃうんだと思いますが。
ちょっとだけ引っかかったのは、サイコパスが遺伝的な要素からも表出すると取られかねない書き方をしているところ(誤解を避けるために書きますが、ナツ之さんがそう書いている訳ではありません。でも、そういうミスリードを誘う可能性があるんじゃないかと)。
あと、絶対悪的な書かれ方をする有働にもう少し厚みがあった方が好みでした。
大変、興味深く読ませていただきましたが、作品が抵触しちゃった私の倫理観が邪魔をして萌えは少なめ。
「頭が固いと損をする」と自分の限界(偏ったモラルなんですけどね)を気づかさせてくれた作品でした。