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koi to desert hajimemashita
パティシエという文言でスイーツ物を期待して購入。確かにパティシエさんでしたが、「スイーツ記載そこそこ+北海道の恵み(ばふんうに、バター)記載そこそこ」と印象が薄く、ちょっと残念でした。攻め受けとも苦手なタイプではないですが、きゅーんと萌え上がるものがあまりなく、すいません、中立。「本編のみ240P弱+先生のあとがき」です。
お話は、龍太が北海道有数の観光地にあるお菓子店で、さっきまで足元に置いていたリュックが忽然と消え、呆然とするところから始まります。スマホ以外全てのものを盗まれ行く当てもなく、途方に暮れる龍太でしたが、菓子店店長は、たまたま牛乳を届けに来た司に「お前のとこに泊めてやれ」と言い、どうにもしようがない龍太はその言葉に甘え・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
司の店のパートさん(♀)、龍太の昔の同僚ぐらいかな。北海道なので、大型の看板犬などいると嬉しかったんだけどな、飲食店だとやっぱり難しいのか・・・?
******以下はより内容に触れる感想
司は甘えん坊、寂しがりなでかワンコで、好きなタイプのはずなのですが、ワンコっぷりがちょっと少なかったのかな。龍太も意地っ張り気味な寂しがりで、嫌いなタイプではないのですが、彼自身が傷心旅行中なので、意地の張り度合が弱いように感じられたです。
龍太の元勤めていた会社の同僚ともめて、会社自身からも解雇に近い形で辞めさせられていたのを、北海道で懐いてくれる司や司の店の同僚たちに癒される過程は、うんうん、良かったねと思うのですが、とにかくラブ面できゅんするものが足りず、残念でした。
後ろから抱えられて眠るところなんかは好きだったんですけどね。生クリームとかチーズとかフレッシュバターとか、「おお」と思えるスイーツ記載が欲しかったなあ。
ワケあり旅行者と小さなレストランを営むシェフとの出会いを描いた物語。
東京のブラックIT企業で働いていた穂坂龍太は、顧客情報を流出させた疑いをかけられたまま辞職願いを提出し、一人暮らしの部屋を引き払って北海道へ旅に出た。富良野で訪れた店で貴重品の入った荷物を置き引きされてしまった龍太は、たまたま配達のために顔を出した中瀬古司の家に身を寄せることとなり、そのお礼に司のレストランを手伝い始める。
パートさんやお客さん、レストランだけでなく手作り弁当を配達して回っているお年寄りたちにも愛され、親しまれている司。龍太は見ず知らずの自分を快く受け入れてくれた彼を意識せずにはいられません。
好意を寄せていた人に裏切られて酷く傷ついていた龍太も、充実した毎日を送っているように見える司も、自分の進みたかった道を閉ざされてしまった過去がありました。
お互いの素性が明らかになるにつれ、司にとっても龍太は唯一甘えられる相手になっていきます。無邪気に一緒に寝ようと龍太に提案して同衾した翌日は、言いだした司の方がぎこちない態度を取ってしまうほどに…
龍太の抱えるトラブルは犯罪に関わる重いものですが、終盤に迎えるクライマックスで無事に解決します。前作同様、北海道が舞台のせいか、地元の良心的な登場人物たちの力のお陰か、全編を通して温かくほのぼのとした印象が残りました。
ところで、
イ)不幸を背負った受けが攻めに救われる
ロ)ノンケがゲイを恋愛対象として好きになる
ハ)経験ナシのゲイとノンケの初エッチ
という、ベーシックかつ超難易度の高いトリプル設定が盛り込まれたこの作品。
主要人物の抱える苦しみがハッピーに転じるドラマチックな展開もしっかりと満たしてくれているにもかかわらず、萌えたかというとちょっと厳しかったです。
この作品に対する作家さんの意気込みや思い入れが読めるかと期待していた、あとがきがなくて残念でした。『消えた初恋の甘い続き』も今作も、比較的明るめの穏やかな作風でしたので、ダークな部分を掘り下げた背徳臭プンプンのお話も読んでみたいです。龍太の元同僚同士でスピンオフとか…
宝井さきさんの挿絵が、どのカットも爽やかさと可愛らしい色気に溢れていて、眼福でした。