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hanayadoribito
物語・イラスト全体的に美しいです。
花が絶滅した世界で、人間に宿り恋をすると成長し花を咲かせる宿り人と人間の物語です。あらすじには無かったのですが、種を残す為に女だけ宿り人になれないとされてきています。しかし、ルイは男ながら宿り人となりました。その為、自分を欠陥品と言います。
攻めの央視点で物語は進みますが、ルイの一途さや央への想いが伝わってきます。ルイを連れ去った後、施設がどんな事を2人にしてくるのかなと思ったのですが特に何もしてこなかったので、2人のほのぼのとした日常も見られます。
過去の出来事があり、危険を求めているのか自殺願望のある央がちょっと面倒な性格です。仕方ない部分もありますが、過去にとらわれていてルイの想いに応えないしウジウジしています。仕事くらいこっちもはっきりしなさいと思ってしまいました。
ルイが施設で仲良くしていた同じ宿り人のアイハからの忠告があったにも関わらずルイは自分といるべきではないと思うのです。普通の人間と違い花によって気持ちがダイレクトに伝わってくるので、早くその過去を払拭しなさいと思ってしまいました。臆病さを隠しているとあとがきにてありましたが、そういう事かと思うとまた央の印象も変わりました。
ただ、それがあるからこそルイの一途さというか可愛さが際立っているのかなとも思います。
央と同じアパートに住んでいる明るい橙や、最後に出てくる施設の凪竹などみんないい人です。凪竹は種の流出をするなどしなければ2人が一緒にいることを反対しない人でした。
凪竹を見ているとこの施設そんなに悪く無いのかなと思ってしまいます。
央のウジウジ感にちょっとイラっとはきますが、きちんと吹っ切れた部分やルイの可愛さや2人のやり取り、宿り人という存在は決して不幸という訳では無いという部分など、切ないけれどきちんとほんわかさせてくれます。
2人の種によって生まれた子についても少しだけありましたが、その後も気になりました。
電子書籍で読了。挿絵もあとがきもSSも入っています。
溜息が出るほど美しさに溢れたお話でした。
みずかね画伯のイラストのみならず、花宿人であるルイも、空も、風も、稲妻も、央の隣人で絵描きの橙が建物に描く絵も、その描写が大層美しい。
あとね、このお話は香ります。
こんなに香りを感じるお話を読んだのは初めてかもしれない。
汚染された世界の底辺で暮らす央の職業は『何でも屋』。違法すれすれの仕事から命を懸けた仕事までを請け負って暮らしています。彼は植物研究所『プランツプラネット』のセキュリティを破って侵入しています。悪事を働くつもりはないのですが、禁止されていることや危ないことをやってしまう癖があるのです。たった一人で生きている彼には命を惜しむ理由がないからなのかもしれません。プランツプラネットでは、体に花を宿している『宿り人』の研究が行われており、家族の元に帰る前の宿り人たちが暮らしています。大地に咲く花はすでに絶滅しており、今、花は人の恋愛感情をエネルギーとして咲くものになっています。宿り人たちのこめかみにある花の蕾は、恋をすると開花し、身体的にも大人へと変化します。そして、愛する者との性行為によって、彼らは花の種を実らせるのです。央は宿り人との出会いによって、自死を思いとどまった過去があるのですが、その宿り人とそっくりな子どもを見つけ、驚きます。眠っていたその子は物音で起きてしまい、央に向けて「連れて行って」と囁きます。咄嗟のことで考える暇もなく、その子を連れ出してしまう央でしたが……
国家プロジェクトから、美しい子どもを盗み出してしまったりすると、その後は手に汗握る大活劇が始まりそうなものですが、このお話はそういう方向には進みません。
大切な家族を失ったことに囚われ惰性のように生きている央と、自分を出来損ないと考えているが故に『人からどう思われているか』だけを考えて暮らして来たユイの、心の触れ合いが丁寧に描かれます。
これが美しいのなんの!
物語が進むにつれて『お利口さん』だったユイが少しずつ自分を主張して行き、自分の恋心に気づくシーンは、まるで自分がユイの母親であるかのような嬉しさを感じました。
そうなのよ、愛とは奪うことではなく与えることなのよ(いや、あまり経験ないんで、こんな風に偉そうに言うのも変なのですが)。
読書中は噎せ返るような百合の香りに包まれている錯覚をもたらします。
読後、とても贅沢な気分に浸れる一冊です。
だーい好きなみずかね先生の挿絵目当てで購入。ゆっくり心情を書いていただていて、せつなくてキュウとし、前向きな考え方に明るい気持ちになれるファンタジーでした。表紙はもちろんですが帯がめちゃカッコいいです。黒地で真ん中より左よりに縦書き「宿り人は恋を知り花開き、愛を以て種を宿す。」くわーっこいい♡花宿人達は、ほんと、そういう宿命の方でした。地雷は思いつきません。本編220Pほど+後日談20P+さらに後日談1P+あとがき です。前向きな終わり方が良かったので萌2よりの萌です。
お話は何でも屋の央(なかば)が国家研究機関プランツプラネットに不法侵入するシーンから始まります。百年ほど前に突如発生した「枯死菌」により彩や香りが豊かな花が消えてしまった世界で、残った種でなんとかしようと考え出されたのが動物、しかも人間との融合。選ばれて種と融合し、不思議な美しさ、国からの恒久的な補助もあって、存在を受け入れられるようになった宿り人。そのように植物を研究する機関に忍び込んだのは、単に危険なことを無意識に選択してしまう癖と、昔あった子供の宿り人にもう一度会えるかもしれないというそんな願望もあったかもしれず・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は 央と同じビルに住む橙、宿り人のアイハ、研究機関の職員(結構笑えるキャラ)ぐらい。ほぼ二人、攻め視点でお話は進みます。
大好きなみずかね先生の挿絵話。
カラー口絵が、大好きなぎゅーって抱き合うキスシーン(着衣)。恋してるのでカサブランカが1輪咲いてます♡モノクロでは最後の1枚、思いが通じ合ってからの絵で、頭がすごいことになってますw是非お楽しみに。できればお友達のアイハ(♀)を挿絵で見てみたかった・・・
***********以下はより内容に触れる感想
央がへたれというかぐるぐるちゃんというか、思い切りがなさすぎてイケてません。凛々しい男子ばっかりではないのが普通なのだと思うし、最後はちゃんと筋を通すのですが、そこに至るまでルイを悲しませるのでちょっとムカ でした。(彼には彼なりの訳がいろいろあるんですが)
ルイは良い子なので、ちょっとまて、こいつでいいのか?と諭したくなりました。刷り込まれちゃったのかなー、心配してもらって大事にしてもらえたら確かに嬉しいしねー・・・まあ幸せならいいか という気持ちです。央も最後はちゃんとカッコよくなりましたしね。
最後に登場する凪竹がなかなかひょうひょうとした人物で、面白かったです。そのキャラの後押しあり、二人が頑張って未来に向かって歩き出し、そして種がわんさかできるという後日談まで、最後はとても良い感じで終われました。
先生、やるせない気持ちやせつない感情から未来に向かって変わる姿が良かったです!次回作も楽しみにしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。