てんてん
soresaemo osoraku wa heibon na hibi
本品は『カデンツァ~青の軌跡<番外編>~』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。
カイと三四郎が
藍を引き取ってから1年後のお話です。
カイと三四郎が藍に出会ってから
1年が経ちました。
藍を引き取るにあたり
三四郎は黒幇の仕事を請け負い
宇宙を飛び回っていますが、
カイは藍を引き取るにあたって
三四郎に条件を出しました。
・定期的に連絡を入れること
・藍の顔を見て会話をすること
・カイの説明を聞き
藍の成長を常に把握しておくこと
・保護者だということを藍に忘れさせず
自分も忘れないこと
不本意ながらも
三四郎のいい加減さを熟知しているカイは
正直期待はしていませんでしたが
カイの懸念はあっさりと覆され
三四郎は彼らしくない律義さで定期的に
コンタクトしてきています。
今日はその定期連絡の日でしたが
約束の時間が近づいても
藍は自室から出てきません。
藍は絶対に嫌だと怒っていたので
カイは彼の部屋を訪れると
藍は深い眠りに落ちていました。
最近の藍は昆虫に興味深々で
部屋には透明なケースが並んでいます。
そのケースの中で「何か」が
カサコソと動き回る気配に
カイの細い眉が寄せられます。
どうやら藍の獲物の一匹が
逃げ出したようです。
そろそろ約束の時間が迫っていて
カイは感情感応を使って
ソレを捕まえますが…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)、
2段組12頁とボリューミーな小冊子は
とってもコミカルで楽しいお話です。
本作のサブタイトルには但し書きにて
「リアルに想像するのは避けた方がイイです」
とあります。
どんな内容なのかとワクワク読み始めたら
すっごくカイらしいし
三四郎もやつぱり彼らしいお話でした。
カイは藍の獲物を手にしたまま
180億キロほど離れた三四郎と
数か月ぶりの会話を交わします。
三四郎の仕事のこと、藍の様子、
カイが意外に親馬鹿タイプなこと等々。
話が藍の最近の趣味のこととなり
カイは手にしていた獲物を
三四郎に見せるのですが
それは藍の気に入りの昆虫ではなく
〇〇〇〇だったのです(笑)
注・黒くて複数の脚で素早く動いて
スプレーで退治されるヤツのため
伏字表記致します。
その後、
カイはどんな藍に誘われても
昆虫観察はしなくなった
というオチが最高に効いてます♪
本シリーズが最初に世に出たのは
桜桃書房の「エクリプスロマンス」ですが
当時の「小説エクリプス」に載った
カイがとある実験(実態は調理)をするSSを
彷彿とされる番外編でした。
何年たってもカイの生真面目さは変わらず
とっても面白かったです (^O^)/
久能先生はこういうコミカルなSSも
緻密に計算された風に仕立てて
読ませてくださるのがスゴイです。
本シリーズもこれで最後かと思うと
とても残念ですが
新しいお話も楽しみにしています。