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toraware no mitsugetsu
作家さんの新作発表
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和泉さんの描かれるアラブものということで「ザ☆陵辱」的なものを想像していたのですが、全然違いました(苦笑)
和泉さんのそういうハード系?ではなく、かわいい系のお話でした。
まあ、タイトルがそんな感じもするんですが。
イギリス留学中だった七海は家庭教師として中東のエトミアに赴くことになる。
上流階級での仕事とは聞いていたが、実は相手はその国の王子で。
その中で第二王子アルセスとも出会う。
アルセスは早々に七海を帰国させようとするが…。
もう、最初の方を読んだ時点で「あれ、違う…」とわかるんですよね。
私、王道アラブが好きなので、それを求めてたんですがまるっきりアラブっぽくならない。
最初に連れて行かれるのはハーレムでもないし、王子との強引なやりとりとかもない。
むしろ、王子の方が「早く帰れ」って言う感じで。
これは王道アラブじゃないんだ…と判断するまで、ついいろいろ期待しちゃって…。
途中、いろいろあって陵辱に近いような感じになる場面もあるにはあるんですが、それ以前に2人の心がそれなりに惹かれ合ってるようなのが見てとれるのでやっぱり王道な感じにはならないんですよね(王道はどちらかといえば身体から先に始まる関係だと思う)
舞台はアラブ系(中東)ではありますが、王政から民政へみたいな政治問題とかも結構幅を聞かせてて歴史ファンタジーみたいな感じとでもいいましょうか。
いわゆる「アラブもの」とカテゴライズされるものとは違うお話でした。
時代も最初は現代かと思ってたのですが、実は日露戦争後くらいだったりして本文の中でちらりと「清澗寺家」のフレーズが出てきたりします。
表題作の後半とか特に政治色が強くて。
そういう人間関係のある種のどろどろはあるものの王道アラブを求めていた身にはなんだか小難しいような…。
アルセスの腹心的な位置のラシードが非常にわかりにく人物のような気もしたり。
でも、この人の視点での物語とかあったら読んでみたいなとは思ったんですけど。
彼は彼なりに考えて行動してたのはわかるので。
それがちょっと?歪んできているような気がしないでもないのですが。
「七つの海より深く」
その後の2人なのですが。
自国から外へ出て新しい世界を見て。
1人で行動することとか周りと関わることを覚えたアルセスに「ほかにも人はたくさんいるし僕なんかいなくても…」って感じになってる七海がちょっぴりせつなくてかわいかったです。
今回は歴史モノとかの色が強かった気がしますが、是非、和泉さんに拉致・監禁・陵辱的な王道アラブなお話も書いていただきたいなー。