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最後にワタルにもう一度帆津羅のセリフを言ってもらうところから始まったこの巻。
結局、響生がどんな判断を下したのか、は謎のまま物語は中盤まで進みます。
この巻の見どころは、ワタルが演じる帆津羅を見た響生がケイとワタル、どちらを選んだのか、ということと。
ケイとワタルの舞台での直接対決。
響生は「言葉を天に上げられる」という基準で結局は選んだのですが、一方の榛原は「それはまやかしだ」と言う。
本当、この物語はそのまま通せばすっとするところを、素直に通さないんですよね。
あぁ、またひっくり返されたー! ってなる。
ものすごくフラストレーションがたまる!
でも、だからこそ面白いんですよね。
まぁ、本当のところ、人間って迷いながら進んでいくもんだから、リアルな小説にしたらこうなっちゃうのかもしれないけど、それにしても迷いすぎだと思うよ……(苦笑)
そして、ケイとワタルの直接対決。
本当に面白かったと思います。
読み応えがあるなー、と思うのはこんな時。
本当に演じる人じゃないのに、どうしてこんなに丁寧に描けるのか、すごいと思いました。
読みごたえは十分な小説ですが、後は優柔不断な登場人物たちにイライラしないか! ってことだけがポイントになると思います。
すっきりケリをつけたければ、最終巻まで買い揃えた上でじくり読んでもらえれば……と思います。