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harunirekan ni himeru kagi
兄弟モノです。
兄弟なのにまるで似ていない兄・慎司と弟・明里。
明里は昔近くに雷が落ちたのがトラウマになり、14歳になっても雷が怖い。
そんな時、つい縋ってしまうのが慎司で。
頼ってばかりではいけないと思いつつも怖さに兄に甘えてしまう。
一方で、慎司はそうして刷り込みのように自分の後を常についてくるようになっていた明里に思うところもあり距離を置くようになって…。
血の繋がった兄弟への恋慕。
それは禁忌でしかなくて。
ただひたすらに秘めて秘めて。
相手に知られないように取り繕って。
当然のように片恋の邪恋だと信じているので、なんとか兄弟であろうとして。
けれど、その絆も脆く崩れて。
いよいよ2人の道は別れていくようで。
けれど、それはお互いに片恋だと信じているからで。
封じるべきものだと信じているからで。
そこから一歩踏み出して、感情のままに動くようになればまた別の方向に未来は開けて。
最後の最後に暴露するまでお互いの気持ちは噛み合わないし、傷つけることしかできないような関係でしかないし、傷つけているとわかっていてそうしなくてはならないように感じている慎司もつらいのかなぁ。
どうしても、傷つけられる明里の方がかわいそうにも見えてしまうんだけども、この子は本当にそれまで甘やかされて育ってきたってのが見えるのでちゃんとした自立の機会をようやく得たようにも見えました。
鍵の秘密を造り出した饗庭はなかなかのロマンチストだなー。
個人的には自由奔放な慎司の友人・永家がなんか好き。
彼の話も書いてほしいなぁ…。
あとは、時代的なものもあってか清澗寺家の話題があったり嘯風館が出てきたりと、和泉さんのほか作品とも関連性が見られるのはなんだか楽しかったです。