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onzoushi to aijyougohan hajimemashita
榛名先生といえば、料理。
最近私の中で、そんなルールが出来つつあります。というのも、『天狗様の初恋おしながき』も受けが料理人だったし、『狗神様と恋知らずの花嫁』は攻めが料理人……ではないけど料理作ってた。プロ級の腕前だった。
『花嫁代行』『人気スター』は家事全般やってたけどもちろん料理もしてたし、他の作品でもちょいちょい料理が出てくる。そしていつもおいしそう。
そんな榛名先生がフードワゴン!そりゃあ読むしかないでしょ!!と思って読みました。
フードワゴン……面白かった……。
受けが作っているおにぎり弁当がおいしそうなのはさることながら、フードワゴン業界のあれこれがおもしろかった。
お仕事BLって、仕事の描写が多すぎるとつまらないし、かといって恋愛脳でも嫌気がさす、という難しさがあると思うのですが、本作は業界が身近なこともあって、お仕事描写もとても楽しめました。
攻めに怒られている受けを読みながら、「なるほどなぁ…」って攻めの説明に納得したりして。
マスコットキャラクター(?)のキングも可愛いし、本当に不愉快になる点が一つもない。
何度読んでも楽しい。本当にいい作品だなと思います。
ごはん物大好きで手に取ってみました。お話に加えて表紙のオウムさんのしゃべりとクミコ先生の挿絵が好きだったので萌えよりですが萌2です。お料理話全面というほどではないですが、美味しそうな描写はあります。色っぽいお話は少な目、地雷は思いつきません。本編250P超+サブキャラ視点の本編内エピソード15Pほど+甘め後日談6P+先生のあとがきです。
師事していた料理研究家さんの路線変更に馴染めず、首になった樹は小料理屋で働きつつ、そこの大将夫婦の協力のもと、フードワゴンを始めます。ある日、その弁当をぶちまけてしまったのが、某食品会社の御曹司である成澤で・・・とお話は始まります。
登場人物は、小料理屋の大将、女将さん、野菜農家さん、老舗宿の息子、料理研究家さんと、小料理屋で飼っているタイハクオウムのキング♡(表紙左上の子 可愛い)です。
挿絵情報:カラー口絵1、モノクロ10.モノクロの1枚、二人で野菜農家さんところに行った時の図が傑作。大嫌いな虫を見た時の攻めの表情が秀逸です(爆)
******以下 内容に触れる感想
キングが看板鳥で、店の呼び込み等をするんです。オウムってこんなにお利口なのか???と思うぐらい記憶力いいようで、びっくり。(元々攻めのペットだったので、再会した時に「オヒサシブリネッ」なんて言っちゃう(笑))
恋愛方面でもちゃんと援護射撃になっていて、可愛くてとてもナイス!でした。最後の短編「カガミ ヨ カガミ」ではそのキングと攻めの掛け合いが絶妙、ぷぷっと吹き出す面白さでした!
攻めさんはちょびっと傲慢さんっぽかったけど、割合単純な胃袋つかまれたら離れない系統に感じました。受けさんはお料理一生懸命だったので、真っ白ちゃんだった子ですが、素直な子で可愛いかったです。攻め受けが捻り無しだったため、ややインパクトが弱いかなと思ったところにキングの加勢で、ちょうどよい塩梅に思いました。動物に弱いなあ、私。
作者さんお得意の、ほのぼの甘々お仕事BLです。
可愛くてキュンとして、ちょっぴり切ない部分もあったりしてと、王道のとても読みやすい作品。
嫌味が無いので、どなたでも肩の力を抜いて楽しく読めるんじゃないでしょうか。
内容です。
人気料理家の助手として働いていた樹。考え方の変わってしまった彼女と袂を分かち、フードワゴンで素朴なお惣菜をメインとしたお弁当屋を始めます。
しかし、商売下手な樹のフードワゴンはいつも赤字状態。
そんな中、ひょんな事から知り合ったコワモテ御曹司・成嶋が、ワゴン営業を手伝ってくれるようになりー・・・というものです。
まず、成嶋と樹が知り合ったキッカケですが、ちょっとしたアクシデントで宙を飛んだ樹のお弁当を、成嶋が頭からかぶっちゃってと言うものです。怒り心頭で去ってしまった成嶋に対して、樹がお詫びの手紙にハンカチを添えて届けて・・・といった感じでしょうか。
そんな少女漫画みたいなベタな出会いがあるかい!!というツッコミは置いておいて、二人が一緒に協力してフードワゴンを営業するのが萌えるのです。
成嶋が御曹司の為、主に手伝ってくれるのは休日だったり夜になるワケですが。
樹がまた、料理の味には自信があれど、かなりの商売下手なんですね。そんな樹にビシバシと指導し、また次々と新しいアイデアを出して、樹のフードワゴンを人気店に押し上げる成嶋。
と、この二人で、共にやってる共同作業みたいなエピソードに萌えるのです。
疲れて寝ちゃった成嶋の寝顔に、樹が思わずキスしちゃったりてなシーンとか。少女漫画チックな胸キュンエピソードがお得意な作家さんなのですね。
あと、新しい食材を求めて二人で遠出、そのまま温泉旅館にお泊まりのくだりとか、ふたりで食べ歩きのくだりとか。ほのぼの甘々なエピソードが多々ございます。
そんなおり、成嶋の会社が主催するフードワゴンフェスに樹のフードワゴンが出場する事になり、また、成嶋が御曹司の為、結婚を早くしたがっていると思った樹がショックを受けて・・・といった展開です。
実の所、読者側にはこの二人が惹かれ合っている事が丸分かりの為、このあたりのすれ違いはヤキモキするまでも無く見守れちゃったりするのですが。
ちょっと引っかかる点ですが、看板鳥であるオウムのキングの扱い。二人のキューピッド的役割を果たします。
この子がですね、すごく賢くて普通に会話が成り立つ感じ。
私が捻くれてるだけかもしれませんが、なんかやりすぎてて鼻につくのです。そんな上手い具合に会話するワケないだろ!!みたいな。
聡いワンちゃんだったりは可愛く思えるのですが、あまりに人間ぽく話し出したりするオウムには違和感を覚える・・・。
加減て難しいですね。
と、引っかかる部分はありますが、全体的には好みの、ほのぼの甘々な可愛い作品でした。
表題作+SS2本
水守樹(受け)はずっと師事していた料理家・松原と袂を分かち、小料理屋でアルバイトをしながら日中はフードワゴン店「タンポポ亭」でお弁当をを出店しています。ある日、歩行中のサラリーマン成嶋(攻め)にお弁当を引っかけてしまいうというアクシデントが起こります。成嶋が大手食品メーカーの御曹司で、怒りを買うとどんな報復をされるかわからないとその場にいた成嶋の同僚に聞いた樹は謝罪はしたもののどんな報復をされるのかとびくびくしていたのですが、何故かアルバイト先の小料理屋に現れ、実は成嶋が常連だったことがわかります。
フードワゴンを置く場所や販売の仕方・看板などのアドバイスをしてくれ、土日になると公園での販売を毎回手伝ってくれるようになります。
樹は高校の料理科で料理家の松原にスカウトされアシスタントを務めていたのですが、彼女の料理がどんどん味より見かけを重視し、横暴な性格になっていくのを悲しみ苦言を呈するのですがクビになってしまいます。
おふくろの味のようなほっとする料理に感動して松原を師事していた樹は自分の意見の正しさを証明するためにも自分の店を持つためアルバイト先の大将たちの協力のもと自分の理想とする料理を作るのです。
料理一筋で恋愛をしたことがなくその上鈍感なので、樹が成嶋を好きだと気が付くまでが結構長く、じれったく感じました。(それは恋だよって声をかけたくなるほどに)
成嶋のアドバイスにより順調になったフードワゴン店ですが、元師匠の松原に再会し再び樹の料理を否定されたことに腹をたてた成嶋に勧められ、松原が特別審査員をするフードワゴン店のイベントW-1グルメグランプリで松原を見返すことになるのです。
登場人物はみな本当にいい人ばかりでした。
アルバイト先の大将や女将は言うに及ばず、仕入先の農家の西尾夫妻や常連客。看板鳥のタイハクオウムのキングはとても頭がよくてお接客も上手です。樹の独り言も勝手に覚えてしまって成嶋に告げ口?してしまうので恋のキューピットの役目もしてくれました。彼が登場すると癒されました。
完全に当て馬になっていた旅館の跡取りの篠垣でさえ、成嶋に樹のことを自覚させるいい人で、ちょっと楽しくかわいそうな人でした。
松原の罵倒が呪縛になっていた樹でしたが、W-1グルメグランプリに出場したことでその呪縛からも解き放たれ、これからもっともっとおいしい家庭の味を作り出してくれるのでしょう。
告白こそ最後のほうまで無かったですが、成嶋は実は最初の方から樹が好きだったんじゃないかと思うくらい、最悪な出会いの時以外は樹に甘々です。成嶋の心境を知らない樹は切ない思いをしたりもしますが、全体的に甘々な話でした。
「天使と悪魔」
本編で完全な当て馬だった篠垣がW-1グルメグランプリに顔を出したときの篠垣視点。
電車を乗り継いで長時間かけてはるばる樹に会いにきたのに早々に成嶋に捕獲され顔を見てちょっと話すだけしかできず、そのうえ樹が成嶋のことが大好きだいうことがわかっただけというかわいそうな話でした。悪い人ではないので、彼にも素敵な相手がみつかりますように。
「カガミ ヨ カガミ」
二人が同棲をはじめてからの話。
キングがいろんなことを仕込まれていることがわかったり、樹の独り言を成嶋にしゃべってしまってることがわかりとても恥ずかしい樹でした。
ただ、専務に昇格し着々と社長への道を進んでいる成嶋に縁談が来ないはずないんですよね。成嶋は一人っ子のようですし。そのことで、これから一波乱あったりするんでしょうか。ちゃんと成嶋が策略を巡らせているならいいのですが。その辺のことが触れられてなかったのがちょっと気になりました。樹が悲しい思いをしないことを願います。
料理家の助手をしていたけれど、味は二の次で映えを追求するようになった姿に失望し、助手をやめた樹(受け)。
自分の味の理想を追い求めてフードワゴンでお弁当販売を始めたけれど、赤字続きの日々……。
そこで出会った御曹司の成嶋(攻め)は樹の味に惚れ込むも、まったく売れない状況を見かねてあれこれお手伝いしてくれる。
成嶋がお手製看板を作ってくれたりと、なかなかいい働きをしてくれるんですよね。ボンボンのくせに。
なんていうんだろう、文化祭の準備を二人で一生懸命するみたいな、そういう高揚感みたいなのが伝わってくるというのかな。
そこがなかなか良かったです。
ただマスコットキャラ的存在であるオウムのおしゃべりが、ちょっと鼻につきました‥‥。
こんな狙いすましたように自在に喋れるオウムっているのか?と思ってしまって。