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本当に本当に切なくて、胸がぎゅーっとなるような息苦しさの中読み進めました。
綺麗なものに汚い自分は触れてはいけない、という思いと、もうなにもかもから逃げてしまいたい、という思いが交じり合って、カオルがうさぎちゃんの傍を離れてしまいます。
なのに、心はどうしてもうさぎちゃんを求めてしまうから、声だけでも聞きたくて電話をかけてしまったり……。
決断しても思い切れなくて心が揺れ動くのは仕方ないよね。
だって彼はまだ18歳です。
ただ悲しいかな、彼は普通の18歳が持ちえないカリスマ的立場と金銭的余裕と、逃がしてくれる力のある大人と、環境を持ってしまっているから。
逃げちゃえるんだよね。うさぎちゃんがなかなか手を伸ばせないい場所まで。
臆病者のうさぎちゃんは、置いて行かれて追いかけて、一度は捕まえかけて、また置いて行かれて…、心が折れかけて。
どうなっちゃうんだろう、と泣きたくなったときにドンと背中を蹴っ飛ばしてくれたのが、カオルに片想いする優しくてカッコイイ女の子でした。
カオルの周りにも支える大人が居るように、うさぎちゃんの周りにも、ちゃんと見守ってくれている人が居て、そういう人たちとのエピソードが描かれるたびに、ちょっと苦しくなりかけた心がほっとあたたかくなるんです。
このさじ加減が、高遠さんのすごいところです。
読み終わってカオルを追いかけるうさぎちゃんの姿を振り返ってですが、なんだか、遠い遠い月に向かって、一生懸命ぴょんぴょん走って、近づけないのに諦め切れなくてまたぴょんぴょん走っちゃうウサギの姿を想像しました。
そして、このお話のエッチシーンを、私は「今まで読んだBLのエッチシーン大好きランキング」のワンツートップ!ってくらい好きです。
声を失って姿を消したカオルを追いかけて、カオルもうさぎちゃんのあったかい声を求めて電話をかけて、やっと会えた束の間の逢瀬のお店でのシーン。
お互いがとにかく求めて求めて、もう二度と手放したくないって思いと、どうにも出来ない焦燥感と愛しさと、そんなものが混ざり合って、凄く泣きたくなるようなエッチ。
遠く海外まであてもなくカオルを探しに行って、ようやく出会えて、思いを確かめ合って、けどこのあとの別れもちゃんと飲み込んで抱き合う、カオルの部屋でのシーン。
お互いが大切で、嬉しくて、悲しくて、苦しくて、愛しいエッチ。
想いを交わして一緒に暮らして、けどなかなか会えない二人の、甘くてあったかいエッチ。
どれもこれも、本当に大好きで、それも含めてこの本を何度でも読み返してしまいます。
とても大切で大好きなシリーズです。
うさぎちゃんの前では子供らしい姿を見せるのに、ミュージシャンとしてもカオルはとても大人で包容力があって、そんなところも素敵でした!
シリーズ3冊を通して、祭河さんのイラストも本当に素敵でした。
綺麗で、カッコよくて、線が細くて、不安げで、けど表情が雄弁で、お話の雰囲気にも凄くあっていました。
大好きで、沢山の人に読んで欲しいシリーズです!
高遠せんせーはかなりの好き作家さんですが、これはその中でもベスト3に入ります。
後の2つは『唇の上にキス 舌の上に愛』『壁の中の嘘と秘密』ですがこれがいちばん好き!ホントに大好きです〜(><)
内容はすでに書いてくださっているので割合m(__)m
秋広への気持ちを自覚しつつも、過去のトラウマや前科があり、相手の幸せを考えなければ…と葛藤するカオルが切ない(´ノω;`)
好きだからこそ絶対幸せになってもらいたい
という気持ちに、二人ともがんばれ!と応援しながら読んでいる自分がいました(´ノω;`)
そしてうさぎちゃん(秋広)が本当に健気で男前!優しいだけでなく愛する人の為ならとてつもない行動力を発揮する、何とも懐の深い受けです
傷ついたカオルを包んであげられるのはこの人しかいません!
それからカオルを探しに海外へ行き、ようやく再会できたとこでうさぎちゃんが 「愛してる」と零すシーンには涙が止まりません;;
この「愛してる」という言葉は、使い回されて陳腐なものと化した 世の中にありふれている「愛してる」とは明白に違います
芝居がかった言い回しは皆無、無色透明に心の底から自然と生まれてくる感情で…
ふたたび涙してしまいました(´ノω;`)
この痛みや切なさ、ほんの少しのあたたかさはシリアス話スキーにはたまらないですね。名作だと思います。
息苦しい小説です。
ずっと胸の奥がちりちりとあぶられてるような気分で。
でもその息苦しさ、不快ではない。むしろ快感。
高遠琉加さんの文章、同じ言葉や似た言葉の繰り返しを多用されることがよくあるんだけど、それによって出来るリズムが心地いい。なんていうか、ミルフィーユみたいな文章。重ねて層を作ることによって美味しい食感になる。
いいな、こういう文章。憧れる。
素敵なハッピーエンドでした。
二人が苦しみ抜いた末にたどり着いた場所の、なんという優しさ。番外編の甘さにニヨニヨが止まらなかったです。
年下攻めの必死さって、やっぱ私のツボだ。
さらっとしか登場しない樋口にも「うひゃー!」となりました。
このさらっと加減に飢餓感を煽られる。もっと読みたい。でも、ねちこく描かれるより好きだったりします。ここに至るまでの背景を考えると萌えて萌えて仕方ない。
緑さんには申し訳ないけど、女と結婚なんてしないでくれ桐島!w
シリーズ最終巻で、カオルの過去が明らかになります。
それは秋広や読者が思っていた以上に、ダークで重い過去でした。
高遠さんが書くトラウマは、胸に突き刺さって、痛いです。
秋広の前から姿を消すカオル。
カオルを追いかけられない秋広。
そんな秋広の背中をそっと押してくれた優しい女の子。
臆病な二人が向かい合い、
手を取り合う姿には胸が熱くなりました。
「君の体の中には天国がある。甘く、優しく、僕の上に降ってくる」
胸キュンな文章と秀逸なタイトル!
最後までドキドキ・ハラハラな展開で、大好きな作品です。