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孕みたがって発情して、メスになっているぞ
shida wa yukijishisama no mono
こちらの作品、主役2人の関係性がもうすっごく好みでして!!
主人である攻めの事を全身全霊で妄信してる受けに、受けの事を自分の一部みたいに思ってる攻め。この二人が相当拗らせて、モダモダやってるワケです。この主従、最高!!
また、想像がつき辛いかもしれませんが、実は結構な感動作でもあるんですね。しっかり書き込まれた、受けの健気な心情が泣かせてくれる。健気受け、万歳・・・っ!!
と、とても楽しく読ませていただきました。
ところで、初読みの作家さんになりますが、かなり個性的と言うかアクが強い文章を書かれるようです。
あっさりめながらスカトロ描写あり、食人描写あり、そしてエロもグロい。要は生理的嫌悪感を感じる系。
これは許容範囲が広大な方か、逆にピンポイントで作者さんと嗜好が重なる方じゃないと、なかなか受け入れがたい作品ではないかと。
設定自体は魅力的なので、この独自のスタイルで損してる気がするんだけど、逆にこのエログロ描写があってこそ内容が引き立ってる気もするんですよね・・・。
やっぱ読者を選ぶとは思いますが、作者さんにはこの独自の個性を貫いていただきたいと思います。
内容です。
先の戦争で近隣諸国から恐れられている、英邁な雪獅子の王・ウェイシ。
嫁のきてが無くて困っていた所、ウェイシを一途に慕う側近・シダを嫁にしようという話が持ち上がります。実は人喰いと雪獅子のハーフであるシダは、性分化が上手くいかず、男でありながら子を産む事が出来てー・・・というものです。
先にも書いたとおり、相当アクは強いです。スカトロだのやたらグロい戦闘シーンだの、あと単純に選ぶ単語自体が汚い。血に弱い方は拒否感を示すレベルだと思うのです。
ただですね、ホント萌えるんですよ。キャラクターも好みなのですが、その二人の関係性がめちゃくちゃ滾る。
受けがとにかく一途で、自分を拾って慈しみながら育ててくれた攻めの事を、全身全霊で愛してるんですね。彼の幸せの為だけに生きていると申しましょうか。
ウェイシは主人であり、親であり、家族であり、自分より大切な絶対的な存在である。
かなりの執着系なのですが、実はウェイシに箱入りで育てられた為、意外と天然な所も可愛いかったりする。
そんな受けが、自分のヒト喰いと雪獅子の混在種と言う出自から、とにかく自分は影に徹して攻めの幸せのみの為に生きようとするのがポイント。それがもう徹底しておりまして、自身の感情さえ誤魔化し、頑なに攻めの為の行動をする・・・。
ヒト喰いだの、他族との戦争だの、妊娠だのと濃いめの設定なのです。
が、実の所、その枝葉の部分を取り除いてしまえば、不器用な受けが自身の気持ちを認め、そして受け入れて幸せになる事を自分に赦すと言う、実にシンプルながら心を打たれるお話なのです。
丸々一冊かけて、ようやく攻めに「愛してる」と言えたんです!!
不器用すぎるだろーーー!!
あとですね、終盤でウェイシの内心が分かります。彼も真っ当に見えてなかなか根深い。シダが相当拗らせたヤバイ執着系だと思っていましたが、実はウェイシの方がより執着してる事が分かります。
ホントにこの主従、最高・・・っ!!
とりあえず、読まずに済ませちゃうのは損な作品だと思うのです。
「我こそは!」と言う猛者は、ぜひチャレンジしていただきたいです!