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帯『愛と哀しみ、そして癒しの物語。』
前編ラストで、ランキア王とカノンでのラブ開始の鐘が鳴り響いたかもーーって思ってたのに!!
思ってたのに!!
後編でまさかの展開に呆然絶句。
流刑ってさー、1人で行けよーー、何でそんな妙な条件付いてるのか!!
正直、アリルを死刑にすれば良くね??って感じですが決定は決定で、流刑に処されたアリルの従者としてバルとカノンが選ばれます。
拒否権無いです、ランキア王にも変えられないって酷いーー。
罪人なのでどこの土地でも歓迎は一切禁止、同じ土地に長く留まってはいけない等の厳しい条件があります。
何故それにカノンが付き合わねばならんのか!
ランキア王が流刑になるのに従者になるなら納得もいくんですが、こりゃないよー。
うちひしがれつつも読みます……だって面白いんだもん。
罪人となったアリルの彼なりの苦悩や葛藤、そして成長、更にバルの謎が少しずつ明らかになります。
バルと共に居るせいもあってカノンは結構強気で、しかも前巻では何もかも悟っていた様なバルが己の能力が暴走してやたらに水浸しにしてくれちゃいます。
まあ過酷な旅で水が出せるのは便利な能力でもあるんですが、コントロール出来ないバルはちょっとヘタレで強気になったカノンと割にいい感じに。
北へと旅をし辿り着いたある村で、敵国が侵略してきているという情報を知りそれを阻止する為にアリルが立ち向かいます。
アリル成長したなーと思うのも束の間、ここまでやんなくてもってシーンが…。
後編も面白いんですけど、前編の転げ回る程の面白さに比べると失速感と完成度低下の感は否めません。
っていうか前編が好き過ぎるからかもしれません。
ん~~でもたけうちさんってどうも後半をまとめるのがイマイチな時がたまにあるんですが、これもそのパターンかな。
ただ作品としてはがっつり読み応えあります。
雪舟さんの挿絵も素敵だし、これはオススメファンタジー、イチオシは前編です。
他の方のレヴューにありましたが、少年カノンのお相手がランキア王でないことがショックです。前編の良い感じで、てっきりそう思っていたのに・・・。
吟水詩人のバルだって、王弟アリルに無条件で従っているから、そうなんだと思っていたのに・・・。
えー!?そうなるんだ!?えぇ!?そうなっちゃうの!?と泣きながら絶句。
サクサク面白く読ませて頂きました。大団円なんだけれど、なんだか、みんな少しずつ幸福でない感じが、余韻として残りました。