お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
kimi no sonote wo hanaanai
年下の恋人って、ちょっと甘えん坊で可愛い感じだと思いがちですが、この作品では違います。
背は大きいし、無邪気なところもあるけれど実は腹黒で、目的のためには手段を選びません。
そういう「黒さ」も魅力的です。
主人公の清家珠希は不運な男です。
学生時代は試験の前日盲腸になったり、大学入試の当日に交通事故に巻き込まれたり。
就職してからも、後輩社員に勝手に懸想され、挙句に自殺未遂を引き起こされて、田舎の研究所に左遷されてしまいます。
でも珠希は人を恨んだりせず、研究所での新しい生活に馴染もうとがんばります。
そんな時親しく声をかけてくれて、何くれとなく世話を焼いてくれたのが野々宮律という青年でした。
独身寮でお隣同士ということもあって、二人は急速に仲良しに。
ところがそんな中、研究所の親会社が大会社に吸収合併!
研究所も解体、全員再就職に向けて就職活動をしないといけない羽目になってしまいます。全員が離れ離れになりそうです。
ついに、律は自分の思いを打ち明けます。
ところが、律はハーフで、おまけに飛び級を繰り返して進級、最先端の暗号化についての論文を書き学会にも出席するという、超エリートだと知ってしまった珠希は、律の気持ちに卑屈になってしまいます。
自分が惨めに思えて、律の気持ちを素直に受け入れられない珠希。
珠希は、とうとう律をひどいやり方で拒絶してしまいます。
珠希をあきらめきれない律が、最後にとった反撃は…?
腹黒い年下の、したたかな戦略がどきどきさせてくれる「いつか、君の手を。」。
二人の同僚・田所がとてもいいヤツで、かつ、キーマンになっています。
彼の話を個人的には、サイドストーリーとしてぜひ期待したいところです。
同時収録に表題作があり、東京で同居生活を始めた珠希と律の可愛い痴話げんかが読めます。