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doukyo chuiihou
すれ違いっぷりが面白い、甘々同居ものでした!
これと言って大きな事件が起こるワケでも無く、社会人と高校生のモダモダ両片思いとほのぼの日常がメインになる作品です。とにかく可愛いので、甘々ほのぼの系がお好きな方におすすめしたいです。
内容です。
父親の転勤で、幼い頃の初恋相手・駈流と二人きりで暮らす事になった高校生・壱。再会を楽しみにしている壱に対して、彼を覚えてもいなかった駈流。実は同居の前日に、好みのタイプであった壱をナンパしておりー・・・といったお話です。
初恋再会ものであり、年の差ものでもあります。
無口で愛想の良くない受けと、割と栗城作品では珍しいタイプの受け。またイメージ的に、年の差ものだとショタ攻めの印象が強い作家さんですが、今回は高校生受けなんですね。更に、攻め受け両視点で進みと、今回は色々挑戦されていて新鮮味が強いです。
内容自体は、ホントにほのぼの同居とジレジレのすれ違いがメインになります。
世話焼きなオカン系の攻めに、いかにも高校生と言った無愛想な受け。両視点がミソでして、互いのすれ違いっぷりが面白いんですね~。こう、互いを思い遣っての言動により、どんどんズレて面倒くさい事になっていくのにモダモダさせられると言うか。
あとこちらの作品なのですが、2章に分かれており、前半がすれ違いを経てくっつくまで。後半が、これまたすれ違いがありつつもベタ甘なイチャイチャ編になります。
このくっつく前の同居生活も可愛らしいのですが、くっついた後は甘々で萌えさせてくれます。
その後半のすれ違いですが、互いにバレンタインのチョコをいっぱい貰ってきた相手に対して、不安になったり嫉妬したりと言うもの。ここでのすれ違いも両視点のズレと言う観点で萌えさせてくれると共に、駈流の意外な心の狭さが笑わせてくれます。大人げない・・・。
あとエロですが、こちらは初々しい童貞受けと、普段はオカンで年上の余裕があるのに、エロではちょい辛抱きかなくなってる攻めに萌えました。個人的に大好きな、受けの何気ない言動に攻めが煽られるパターン。そして互いに好きで仕方ないのが伝わって来て、なんとも可愛らしいです。
とりあえず表紙の駈流の締まりの無い顔を見ていただければ、いかにほのぼの甘々な作品かと言う事は分かっていただけると思います!
表紙の可愛さが内容とマッチしま♪
食事風景のシーンが多いし、受けは美味しそうにモリモリ食べてるし、
読んでるとお腹が空くッッ(›´ω`‹ ) グルルル~ ←そこかい
大人と子供の組み合わせなんですが、大人である攻めが基本恋愛に真面目なタイプだったのが安心材料になったのかもしれません。受け視点だと"恋愛に手慣れたエッチな大人"っぽく映るけど、攻め視点だと受けの気持ちを最優先に大切にして理性的な大人を保とうと頑張っているのでむしろ背中を押したくなると言うか…w
少し噛み合わなくて誤解が生じても微笑ましく見ていられるような作品でした♪
さてさて。
受けにとって攻めは初恋の人。父親が友人同士で、幼い頃に一緒に遊んでくれたお兄ちゃんに想いを寄せていたけれど、いつしか家族同士の集まりに顔をださなくなってしまい…。それでも忘れられずにずっと片想いしていた相手と一緒に暮らせるチャンスが舞い込んでーーー!?と始まります。
受けにとっては待ち焦がれた再会。
ドキドキソワソワしている姿がとても可愛いのですが、攻めは受けのことを覚えておらず、感動の再会とはいきません。同居を始めるにあたって大きく躓いてしまうのですね。
攻め:「めちゃ好みのタイプだし正直手を出したいッ!けれどまだ高校生…我慢我慢」
受け:「覚えててもらえなかった…(ショック)舞い上がってて恥ずかしい…俺みたいな子供なんて…無理だ…」
ーーという心の内を、攻めは笑顔で隠し、受けは無愛想で隠すというw
最初はギクシャクしながらも
少しずつ同居生活が噛み合うキッカケが食事のシーンとなります。
うんうん。やっぱり食は偉大だヾ(*´∀`*)ノ
大人攻め×高校生受けの組み合わせだと、受けががせっせと家事をして
攻めは仕事から帰宅し癒やされるというシーンをよく目にしてきたのですが
このCPは完全真逆な点がとても新鮮でした。
オカン攻めを意識して書かれただけあって
仕事から帰宅し、家事をこなし、食事を作って受けの帰りをジッと待ってる攻め…!(受けは予備校)
受験シーズンはお夜食を部屋まで運んだりしてね~~~…、完全オカンやん!!(爆)
せっせと世話を焼く攻めは個人的に萌えポイントなので読んでて楽しかったです♪(^///^)
他、萌え的にグッときたのは受け視点。
攻めはやはり経験の差があるので受けが自分に恋心を向けてるのに気付いているのですよ。
なので受けよりは余裕があるし、高校生のうちは我慢と構えていられるのですね。
(で、他の男に攫われそう(誤解)になって泡を食うのがま~萌えるのです!)
けれど受けは完全に片想いだと思っている。
返ってこない気持ちとわかってても、攻めを好きでいるのをやめられない切なさ。
攻めとの温度差もあって、この切なさがめっちゃキュンときました(;///;)
恋人になったあとの甘々な後日談もたっぷり読めて満足です♪面白かったー!
非常に面白かったです♪
二人の視点から楽しめるのもこの作品の魅力だと思います。
にしても見事にすれ違ってるので、ホントコントでも見てるかのようでちょいちょいフフッとしてしまうところもありました(笑)
特に受けの子が外泊するメールからの件は何となく予想はついても笑ってしまいました。
くっついた後の激甘にはニヤニヤが止まらず、何でも受け身だった受けの子が、素直に気持ちを言ったり、自分から求めてみたりしてもう可愛さが爆発。
それに攻め様もケダモノに、私も酷いニヤケ面に(笑)
ホントウブな子が言う煽り文句って破壊力満載ですよねorz
内容的にも会話シーン多めなので読みやすい作品だと思います。
ただ、作中にめちゃめちゃ美味しそうな料理が多数出てくるので空腹時は避けた方がいいかもです(笑)
表題作+「バレンタイン警報」
父親の転勤によって、一人残ることになった受験生の松澤壱(受け)。
一人残すことを心配した父親により、父親の友人の家に下宿させてもらうことになります。下宿させてもらうのが昔遊んでもらったことのある壱の初恋の人・霧島駈流(攻め)の家だと聞き、大喜び。再会を待ちきれず駈流の会社に会いに行った壱は、駈流が自分のことを全く覚えていなかったことを知りショックを受けます。
駈流は恋人に世話を焼き過ぎて振られてしまう、オカン体質。
父親が勝手に、友人の息子を預かるからよろしくと言われ、呆れながらも承諾するのですが、中学生のころ父親の友人家族と遊んだ記憶はあってもきちんと名前を把握していなかったため、面倒見るのは小学生くらい(壱の弟)だと思っていました。カフェで特別好みだった壱をナンパしうまくいったと思ったら、逃げられてしまい落ち込んでいたのですが、預かる子供が壱だと知って驚きます。
両視点で読めるのでお互いがどう思っているのかわかります。作者様があとがきですれ違いコントと呼んでおられましたがその通りですごく楽しいです。
駈流視点が若干多めです。
はじめは壱視点で駈流の再会についてが語られた後駈流視点になるので、その時の駈流の本音がわかり、その後の壱の態度も気持ちが透けて見えて読んでいて面白いです。
駈流視点では壱は無表情で何を考えているのかわからないといった風に見えていたのに、壱視点では無表情でありながら、心の中は嵐が吹き荒れている状態なのです。壱は一生懸命アピールしているつもりみたいなのに、駈流視点では自分のことは嫌ってはいないようだくらいにしか受け取られていないところも、あれでアピールしてるつもりなんだーとほほえましいです。
恥ずかしくてついついツンツンしてしまうことが多いのに、表情で全部ばれていて、大人な駈流はこれを言ったら拗ねるだろうと見越してにやにやしてるのも、誤解して必死でGPSを頼りにサンダルで都心まで出て行ってしまうところも、とても楽しかったです。
私は攻めがあわあわしているのを読むのが大好きなのでとても満足です。
そして、壱が普段ツンとしているのにベッドではすごく素直だなんて最高です。
「バレンタイン警報」
受験が迫ってきた2月。受験生の壱の身体を気遣う駈流と欲求不満気味の壱。
受験日がバレンタインの日で二人して学校で会社でチョコレートを貰ってきます。駈流は壱の受験のことで頭がいっぱいでバレンタインのことをすっかり忘れていたのに、受験生のJKたちがしっかり手作りチョコも渡していてちょっと焦ります。が、おくびにもださず、さりげなーく回収します。
反対に、ちょっとは嫉妬してくれるかなといつもは貰わないチョコを貰って帰ってきたのに嫉妬してもらえなくて、そのうえ会社でチョコを貰って帰ってきたことで嫉妬する壱。
二人とも嫉妬しているくせに、大人の意地で表に出さない駈流と意地をはる壱のすれ違いがまた楽しい。
表題作では恥ずかしさからツンツンしていましたが、付き合って数か月ということでこちらでは少しはにかみながらも素直に話す壱の可愛さに拍車がかかっていました。
他の登場人物は駈流の同僚の松田と壱の父親の松澤、壱のクラスメイトのJKで、邪魔をする人は一切出てこないのでそういったストレスやはらはらはありませんので安心して読めます。
特に、駈流のわたわたしたり煽られて困ったりしているシーンが多くとても楽しかったです。
あとがきによると攻めは「オカン攻め」との事で、個人的には非常に好みな攻め様でした。
というかこんな旦那欲しい…と思わせるというか(笑)
オカンな社会人攻めと、ツンとクールに見えるが実は一途で純情な高校生受けのお話でした。
親の転勤をキッカケに、子供の頃から憧れていた攻めと同居する事になりときめいていたら、相手は自分の事を忘れていた。
しかも初対面と思われてたのにキスまでされた…と、受けにとって驚き戸惑い悲しいでも嬉しいと、気分がごちゃごちゃになる再会からお話が始まります。
攻めは攻めで、好みの子をナンパしてキスしたら逃げられ、その人物が翌日同居人として現れるんだからビックリしたどころの話じゃないという(笑)
そんな二人が同居するんだけど、お互い好きあっているのに上手くボタンがはまらないようなもどかしさが相互視点で味わえます。
受けのツンとした不器用な感じはあまり好きではないんだけど、それがリアルな高校生っぽいんですよね。
洗濯物溜めたり食欲旺盛だったり(笑)
自分の作った料理を美味しそうにモリモリ食べる、見た目好みドンピシャな受けに攻めがついキスをしてしまった事を機に二人の関係が変わります。
両思いになりHをする時、普段受けをいつも「いっちゃん」と渾名で呼んでいた攻めが「はじめ」と呼ぶのに、受け同様キュンときました(*´Д`*)
Hの際の名前呼び、やっぱイイ…!
表題作と後日談の二つのお話が収録されてますが、後日談は小さな嫉妬と欲求不満な受けが可愛かったです(〃ω〃)
しっかし、攻めのオカン力素晴らしすぎる!!
嫌な人物は出てこないし、ストレス無く楽しく読めた一冊でした。
電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきあり。
『見た目と実際が違っちゃうので、すれ違いや誤解が生まれてしまう』というのはBLも含めた恋愛小説の一つの醍醐味だとも思うのですが、そのお手本の様なお話でした。ドラマチックな大きい出来事が起きる訳ではないけれど、最後までうふうふしながら楽しく読めます。
父の急な転勤が決まり、高校三年生の壱(はじめ)は父の親友の息子である駈流の家に下宿することになります。小学生の頃、父の友人達と一緒のアウトドアレジャーで、引っ込み思案だった壱を気にかけて優しくしてくれた駈流は、壱の初恋の人でした。駈流の家に転居する前日、待ちきれなくなった壱は会社帰りの駈流の後を付け、入ったカフェで駈流に声をかけられます。自分のことを覚えていてくれた喜びで一杯になりますが、緊張して何も言えない壱。結果、駈流は席を立って帰ろうとします。引き留めようとした壱はとっさに彼のシャツを掴んで引き留めます。帰るのをやめた駈流に促され、手をつながれて店から出ると……いきなりキスをされてしまいます。動揺する壱に駈流が言った言葉は「きみ、名前はなんていうの?」壱は駈流を押し返し、全速力で逃げます。そして明日からどうしようと思います。次の日、駈流は声をかけたことにまんざらでもなかった様に見えた自分のタイプの子に、不可解な逃げられ方をしたことを家を訪れた友人にぼやいていました。あのカフェは『ゲイの出会いのに使われることが多い』場所だったのです。駈流は容姿こそハイスペックですが、料理と掃除とDIYにこだわる『オカン』。今日も、父の頼みで預かることになった高校三年生を迎えるために、腕に寄りをかけた夕食を準備しています。玄関のチャイムが鳴りますが……
壱は駈流のことを「大人で何でも出来て落ち着いていて……」と思っています。
駈流は壱のことを「高校生だから大人と話なんかそれほどしたくないだろうな」と思っています。
いやいや、駈流も内心はかなり好みのタイプの壱に振り回されて動揺しているし、壱が話をしないのは初恋の人駈流に対してどう接すればよいのか解らないからなんですね。
で、二人とも気まずいものだから「あのことはなかったことにしようとしているんだろうな」と勝手に解釈しちゃうから、もう、すれ違う、すれ違う。
私は『話をしないで互いを勝手に解釈してこじれる二人』というお話を読んでいると、頭に来ることがままありますが、このお話は『話せない理由』がはっきりしているし、その理由も「そりゃあ、こんなの話せんわ」というものなので、とっても面白かったし可愛かったです。
一緒に暮らしていくうちに徐々に互いについて解っていく、そして近づいていく二人を、あたたかーい気持ちで眺められる、腐女子的喜びに満ちあふれたお話です。