条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
en wa i na mono amai mono
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作曲家の野々山時雨(受け)は東京から亡き祖母の住んでいた田舎に引っ越してきます。
近所には有名な神社があって、時雨は神職になった幼馴染の藤原亘(攻め)と再会するのです。亘には唯というかわいい娘がいて、唯に懐かれた時雨は亘に誘われるまま食事を一緒にとるようになります。
東京に疲れた時雨は3人で過ごす毎日を楽しみ、仕事も順調にいくようになります。
時雨は売り出し中の作曲家です。名指しの依頼も多く順調だったのですが、先輩作曲家に盗作されたことがきっかけで周りの時雨を妬む空気に耐えられず東京から逃げてしまうのです。
亘と再会し、唯に懐かれ、地元の人と交流するなかで少しずつ癒されていきます。特に、3人との疑似家族のような関係にとても幸せに感じるのです。
亘は縁結びで有名な神社の次男で権禰宜をしています。
懐が深く、遠縁の唯が母親にネグレクトされていることを聞きつけ、養子にして慈しんできました。時雨が帰ってきたことを喜び何かと声をかけ時雨に構います。
仲良く楽しく暮らしていた3人に唯の母親がやってくることで話が動きます。
母親の話が話題に乗るだけで吐いてしまう唯が本当に気の毒でした。
亘に引き取られてからも亘に懐いていはいてもどこか遠慮があって、ほかの子が遊んでいても手伝いを率先したり早く大人になりたいと言ったり、自分がこの家にいていい理由を探しているように感じました。
そして、唯の母親は子供のまま大人になったような母になる資格のない人でした。ネグレクトされていた唯の話は本当に気分の悪い話でした。
ただ、母親とその夫が欲を出して唯を利用しようとしたので、亘がちゃんと自分の気持ちを唯に伝えることができ、唯は自分が必要とされていると理解し、本当の家族になれたのはよかったです。
話の流れで疑問に思ったのは2点。
一つは助けてもらった亘しか懐かなかった唯が初対面の時雨にあんなに懐いたのはなぜだったのだろう。ピアノがとても上手だったからといってそんなにすぐに懐くだろうか。
もう一つは母親が迎えに来て唯が母親のもとに行くといったとき、亘があっさり引き渡
したことです。亘は人のことをよく見ていると思っていたのに、唯に関してだけはちゃんと見れていなかったようです。
母親の話を聞くだけで吐くような子だったのに何故おかしいと思わないのか。
親権持ってない母親に連れていく権利はないし、なんで血がつながっているほうがいいんじゃないかなんて思ってしまったんだろう。
そう思う根拠のようなものがあればよかったのに、何もないのでちょっと不自然に感じました。
それにしても、幼児にネグレクトした挙句、自分勝手に自分たちのために利用しようとした人でなしの馬鹿親にはちゃんと罰があってほしかった。
私はそのことがちょっと心残りでした。
この話は「3人が家族になるまで」が主題だったようと思います。そのため、二人の恋愛に関してはさらっとしており、亘の告白に時雨も「そうだ、亘に会いに帰ってきたんだ。亘が好きだ」って感じであっさりくっつきます。だからかはわかりませんが、絡みの描写もけっこうあっさりです。この方の作品はどちだかというと濃い絡みという印象だったのでそういう意味ではちょっと拍子抜けでした。
ただ、ちょっとした事件はあっても、何気ない日常の中に子供の成長を喜び、3人でいることがなにより楽しく幸せだと気づくほんわかした話で読後感はよかったです。
兼守先生の挿絵が見たくて購入。あらすじに神社とあったので、つい、ファンタジー?と思ったのですが、ファンタジー無しのリアル現代日本でした。ナツ之先生初めてのお子様ものとのことで、本編220Pほど+あとがきで、優しいのんびり田舎での再会ものです。児童虐待としか思えないクズ親が出てくるので、それがツライ方はご注意ください。
登場人物は
時雨:CMの曲などを作る才能ある作曲家。活動拠点を都会から田舎の祖母宅に変えたばかり。
亘:権禰宜で時雨の幼馴染。遠縁の唯と養子縁組した。時雨の2学年下。
唯:人形のように愛らしい5歳の女の子。実の母親は育児放棄。
その他、時雨の仕事仲間1名、駅までバスで30分かかる田舎町の住民多数 が出てきます。
挿絵はカラー口絵1、モノクロは全部で8枚。攻めさんが6枚作務衣姿、1枚肌色、1枚狩衣姿。受けさんは1枚ジャージ姿があり、なんだか地に足がついた生活という雰囲気です。そうお話も、田舎でゆっくり行こうといった印象。変態でもなくそんなにコミカルな訳でもなく、穏やかーな絵でした。
********以下は個人的感想
うーん。。。。再会したとたん、好意を前面に出してくる亘なんですが、そんなに好きだったんなら待ってないで会いに行けよ とつい思ってしまって、今一つ萌えきれませんでした。まあ、唯ちゃんがいたので難しかったのかなあ。
時雨は都会でちょっと傷ついた後で、ほっこり田舎で美味しいタケノコ料理などをいただいて、絆されたのか というのは分からなくもないのですが、優しすぎる気がしてやっぱり萌えきれず。
唯ちゃんは可愛くて、「頼られるといい人になった気がする」という二人の気持ちはとっても良く分かり、二人と唯ちゃんで頑張っていこうという終わり方は、もちろん納得なんですけど。
クズ母親も腹がたちますが、ああなるにはその母親もそういうふうに育てられたなどのなんかがあったはず と感じるし、ちょっとあまりに悪党すぎて残念でした。
今まで読んだナツ之先生のお話と、少し違ってふんわり優しーく感じられたのは、やっぱりお子様ものだったからかな?ちょっと自分のピントを合わせきれず萌えきれなかったです、先生ごめんなさーい。