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Gandhara niwa mada tooku
「明日はきみと笑うシャラララ」が心の琴線に引っかかったので手にした本作。
読後、いの一番に思ったのは「私はこの作者のファンとなり、次作も必ず読むであろう」ということ。「うっわー、このお話!おっもしろいじゃーん」ではなくて、まさに先に書いた様な字面で頭に浮かびました。
めんどくさいんですよ、主人公の赤目が。
決して表面には出さないけどウジウジしてるし。下手に頭が良いばっかりに、元彼とうまくいかなくなってしまった理由もきちんと分析しているし。やりがいと責任がある仕事を優先するあまり、心の中身を表に出さないし。
赤目って『決して人前で泣き喚かない人』なんだろうな、と思います。
こういう人を幸せにするためには、桁外れの愛が必要なわけで……
「電波少年」や「水曜どうでしょう」を下敷きにした様な、無茶ぶりドキュメンタリーエンタメTV深夜番組で中国~インドまでの徒歩旅行に抜擢されたのは、問題を起こして干されていたイケメン若手俳優の三蔵(みつくら)くん。この名前、前半の山場の複線になっていますので、お楽しみに。
この前半の山場のおかげで、ディレクターの赤目は三蔵くんに熱烈な愛の告白を受け続けることになるのですが、赤目はそれを素直に受け入れられないんです。三蔵くんが別れた元彼と似すぎているから。
今ある現実に向き合って、毎日を少しずつ良くするために頑張っていこうとする人と、自分の中に何らかの『あるべき姿』みたいなものがあって、それに近づけていくことを最優先する人との間には、お互いに理解出来ないものがある、と赤目は思っています。
確かにね、赤目の様な経験をしたら「次はもっと楽な恋愛がしたいな―」と思っちゃうだろうなぁ。素直に恋心を表す三蔵くんをまぶしく思いつつ「これじゃねぇな……」とも同時に強く思うだろうなぁ。
この恋、どう決着をつけるのよ?と思っていたのですが。
奇跡が起きるんです。
それも、三蔵くんの「情けは人のためならず」的考え方が引き起こした奇跡が。
リアル社会の『お仕事頑張っている女子』は、読めば幸せになれます。
それと同時に、行く先々で起こる地元の人や旅行者とのふれあいや事件、番組作りについての意見の食い違いでの論争(説教の場合もある)、番組SNSの広がりなど、お話は臨場感に溢れていて、イッテQとか紀行ものの番組がお好きな方にはたまらないのではないかしら?お話の中では、すごい視聴率をたたき出すことになっているんですけれど、いや、こんなのやってたら、あたしも観るわ。間違いなく。
初読みの作家さんです。
番組撮影のために徒歩で旅するというあらすじと、くもは先生のインタビューを読んで、これは!と思い購入しました。
面白かったです!
攻めの三蔵くんが前向きで、ハードなはずの旅が楽しそうに見える!ふしぎ!
そして現地ごはんが出てくる!中華食べたい!
三蔵くん赤目さんと旅している感覚で、わくわくヒヤヒヤしながら読めました✧*。٩(ˊωˋ*)و
表紙の旅感と入国スタンプも素敵。
トラブルに遭いつつもさくさく旅が進むので、足痛くないのかな…いい人多いな…と若干リアリティの薄さ?を感じたのですが、三蔵くんが元気いい子なので、三蔵くんだからかーと一人で納得。
神評価にしなかったのは、風景の描写がもっとほしかったから+三蔵くんがあっさり赤目さんを好きになった(ように見えた)から。
それでも読後感は良かったです。
明るい気分になりたいときに、ぱらぱらーっと再読したい。
というか二人の話をもっと読みたい…SS付きの店舗で買えばよかった……。゚(゚´Д`)゚。
表紙の三蔵の笑顔が印象的な本作は、中国から徒歩でインド入りする深夜バラエティ番組の話。
電波少年とか、水曜どうでしょうが好きな方にはお勧めしたい。
くもはばき先生の本は、BLにしては地に足就いた作風で、リアルなのが気に入っています。
深夜番組で視聴率二桁取るのは難しいのでは…などと思いつつも、そういえば電波とか水曜とかはそういうバラエティ番組だったよなあと思いラストの展開も頷けたり、
今そういう旅バラエティがないだけで少し前は何個かあったのだから、二桁はないことはないよなあと思ったり。
三蔵は乗り換えるのが早い印象で、大人気タレントになってしまって可愛い女の子もかっこいい男の子も沢山取り巻くようになってしまうのでしょう。
赤目はそれを見て、自分の気持ちに迷いが生じたりしないか心配で、もう少し話の続きを読んでみたいと思っています。