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endress dream
前に読んだ同じ作者さんの耽美ホラーがとてもよかったので手に取りましたが、読んだことを後悔するくらい一番苦手なタイプのお話でした。
う~ん、内容があまり書かれていなかったので、単純にちょっと昔のサスペンスかと思い、そういうのが大好きなので期待したのですが、思っていたようなお話でなく…。
簡潔に書くと悲劇的でドロドロで誰も救いようのないお話です。
こういうのは出来ればBLでは味わいたくないですね^^;
シリーズものと書かれていますが、特に続いているわけでなく、この作者さんが「ジョー」と「ケン」という主役を何度も使っていて、同人誌なども書かれているようです。
同じ「ジョー」と「ケン」ではなく、2人の関係も年齢も違う作品をいくつも書かれているのであって、このお話はこのお話で単品としてよめます。
猟奇殺人の描写がふんだんにありますので、それだけでもう苦手な方も多そうです。
昔の耽美で薄暗い…はっきり書いてしまうと90年代のJUNEだなぁという作品でした。
ロサンゼルスで暮らす刑事のジョーと大学生のケンは従兄弟で駆け落ちのカップル。
駆け落ちした時から、ジョーはケンに何不自由ない生活をさせたいと仕事にうちこんで、一生ケンを養う気でいます。かなり過保護で、ちょっとしたバイトもさせてくれなくて、ケンはそれが不満。でもケンにとってもジョーが一番で、やはりジョーが自分の全て。だからジョーのいうことには基本的には逆らいません。この過保護さがのちに悲劇を生みます。
オチまで全部書いていますので、ネタバレが嫌な方はご注意ください。
2人は一緒に暮らしてるのに顔をみせるたびにイチャイチャしてるし、えろシーンも多いです。仲が良すぎて妬ける…ていうくらいの幸せそうなカップルなのですが、ジョーが追っているシリアル・キラーにケンが誘拐され、それからはもう悲劇への一直線です。
もうちょっと、事件を追うサスペンス風の作品かと期待していたのですが、本当に延々とケンが犯人に嬲られているだけで、もう読んでいてキツかったです。内容もかなりエロくて痛くてエグいです…。
ジョーは犯人に近づくのですが、そこから踏み込めず、そうしている間にケンは戻らぬ人に…という後悔だけがジョーに残るという…。
納得いかないのは終わり方がブツ切りな感じがしたこと。
ケンがもう戻らないのは仕方ないとしても、その後のジョーの様子があまりにもで、「結局悲劇的なカップルを出しただけで何が書きたかったのかな?」て感じでした。
悲劇は悲劇なりに何か得るものがあればよかったのですが…。
もとは同人誌だったらしいのですが、だからというわけではないですが、作者さんの独りよがりの作品のようにも感じられました。
(商業誌だったらちょっと通りにくいような内容なので、少しはそうなのかもしれないですが)
お話がただ悪いというわけではなくて、えろいシーンは酷いけど萌えるところもあったし、このカップルは好きです。
でも根本的に「読者に与えてあげられるもの」を作者さんはどう考えてお話を作られたのかな?という疑問が残りました。