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mou anata wo nakasetakunai
「もうあなたを泣かせたくない」の下巻です。
上巻がいいところで終わっているので続けて読まないと気になるため、セットで読むのがよいかと思います。しかしこれ、評価がつけづらくて、趣味じゃないか萌えにしようかと悩みました。
涼のところに別れた彼氏の匡がやってきて寄りを戻して欲しいと言われ、揺れる涼なのですが、こんな目にあわされてまだ彼に傾く涼がイマイチわからず…。それも、匡がすごく優しくなって反省してるならともかく、約束しても毎日ドタキャンされ、聡悟との付き合いにも口を出してきて・・・。
匡が「聡悟との約束は断れ」と言うのが、別に彼氏でもなく、自分には妻がいる上に涼を下半身不随にした人の台詞かと思うとかなり驚きでした。
聡悟は健気に涼のもとへ通いますが、一巻より出番が少ないです。
う~ん、聡悟と涼のお話のはずなのになぁ。
何というか…以下は完全にネタバレですが、
三角関係のもつれで刺されて歩けなくなった涼なのに、原因になった二人は結婚していて、でも結婚生活はうまくいってなくて、匡は涼とやり直すから別れようと妻に言い、妻は怒って涼を殺しに来ます。
いい加減にしろ!てやっと涼が怒るわけですが…ここまでこないとこの台詞が出て来ないのか…。
こんなに涼を傷つけてもなお、やっぱり俺には涼が必要なんだ、とあくまで自分の事しか考えていない匡に、怒りを通り越して白けました…。
呆れる、というより、白けた、という言葉の方がしっくり来ます。
今まで読んだどんな脇キャラの中でもこの人より最低な人はいないと思いました。
それがまさにフィクションだとはわかっていながら、すごく嫌な気分になりました。結局、ドロドロの男女の三角関係を読んだ気分でした・・・。
でもこれ、主人公は聡悟なんですよね。
存在がないわけではなく聡悟というキャラは好きでしたが、あまりに三人で進んでいくストーリーに主軸がぶれている感じでした。
「聡悟と出会うためにこんな思いをしたんだ」という涼の前向きさは良かったと思いますが、元カレとその妻との三角関係話が本編の8割くらいを占めていたため、うーん、やはり聡悟と涼の恋愛ものとしては物足りない印象でした。
本編が終わったあとは聡悟と涼のその後のお話が入っていて、そちらではかなり甘くて幸せそうな2人が見られてよかったです。
中でもお風呂のシーンやイラストはとても良かった。
中学生に泡泡で洗われる23歳というのが可愛いくてとても萌えました。
この組み合わせってやはり自分が知る中では珍しく楽しめたので萌えにしたいところですが、読んでいる間は辛く何とも言えないもやもやが多かったためにトータルでは中立寄りの作品でした。