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表題作の長編と、後日談ショートの2作品が収録されています。
どちらも倫弘(受け)の視点でストーリーは進みます。
倫弘(愛称「リン」)は恋人の宮村が病死してしまいますが、不倫で付き合っていたため、入院先や葬儀に行くことができず、実感がわきません。そんな薄情な自分に罪悪感を感じて、夢に出る恋人に魘されてしまいます。そんな中、二人の関係を知っている唯一の大学の先輩・佐橋が、宮村にそっくりな国近(攻め)を連れてきて…という話でした。
国近は宮村の親族だとか、実は宮村と入れ替わって倫弘と会ったことがあるのではと色々勘ぐりましたが、序盤に説明したとおり「他人の空似」でした。その辺はビックリ設定なかったです。
妻子がいるのに倫弘と不倫していた宮村に好印象でなかったのですが、国近が語る宮村は、倫弘が思い出していた家族のクリスマスプレゼントに悩むような無神経な男だけでなく、彼なりに倫弘を愛していたと分かるものでちょっと好感がアップしました。
宮村は語られはしますが、宮村が死んでからのストーリーだなと感じる内容で、元恋人の存在が主役二人の恋愛で邪魔にならないという印象で読みやすかったです。
続編に「暗闇とKiss」があるようです。
とはいえ、同時収録の「眠れぬ夜の過ごし方」で佐橋の恋人も判明して、この1冊でしっかり完結しています。妙な仄めかししたまま続編へということはありませんでした。
傷心な大学生の受けを強引に癒していく社会人攻めがお好きな方にお勧めだと思います。