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アラブ物は割に読みます、誤解されちゃう言い方になるけどこうトンチキ系が読みたい気分の時にアラブ本を選ぶ事が多いです。
就職浪人ではあるけれどいたって平凡な青年悠真[受]は突然バイト先に現れた謎のアラブ王子サファイ[攻]に彼の国へと連れて行かれてしまう。
その理由は悠真の祖母がムクタディル王国の女性で、その血を引く悠真は予知者と言われていて千日の契る儀式を行わなければいけないのですね。
サファイは他の王候補を退けても自分が王になりたいので、その為には予言者が必要でそれで悠真を連れてきた、とこういう訳。
この話はアラブには珍しく陰謀をはかる輩や悪人が(居るには居るらしいけど)登場しません。
他王子のザイードは最初、軽く見せているけど策略家なのか?と思ってたら普通にいい人だし。
当然話はメイン2人の関係に絞られるんですが、これが何というか攻も受もどっちもどっちで微妙な感じで性格に魅力が乏しい。
まあ結局、悠真は訳分からん納得の仕方をして自らの意志でサファイの元に留まるというラブエンドなんですが何だかなーでした。
メインキャラに魅力が乏しく、ストーリー性も無し、恋愛展開もイマイチ。
メイン2人よりむしろ脇のザイードと小姓のイヴンの方が魅力的でした。
あと挿絵の成田さんなんですが正直やっぱり上手いと思えなくて、そこもマイナスポイント。
喫茶店で占い師として働く鷺沼悠真は、サファイと名乗るアラブ風の衣裳をまとった美貌の男に声をかけられる。サファイは、中東の専制君主の国――ムクタディル王国の王位継承者で、未来を視通す力を持つラスールの末裔である悠真を探しに来たのだと言う。
覚えのない悠真は必死に抵抗するが、離れて暮らす父親の身の安全と引き換えに、半ば強引に連れ去られてしまう。
そして、神の幸いをその身に宿すラスールは、聖娼として千日、抱かれるのが役目だと言われ、サファイのとろけるような愛撫に悠真は翻弄されてしまい……。
という話でした。
実はサファイは王位継承者の一人なだけで、他にも王位継承権を持つ人間が3人いて、その人たちに負けないように、本物のラスールとして最後の人間だった者の血を引く悠真を見つけ出したんですが。
個人的には、サファイが王位継承者として決まる……ってところまで話になってるんだと思ったので、なかなか決まらなくて、ペース的にどうなんだろう……? と思ったんですが。
悠真とサファイの気持ちが通じ合うところで終わり……でした。
そういう訳なので、気持ちの通じるまでの期間が長くて、正直、自分としてはしんどかったです。
サファイは完全にラスールとして悠真を見ているのが第一で、悠真個人として見るのは二の次。
そして、自分が王位継承権を得ることが一番だったから、とってもしんどかった。
だってそれってBLとしての甘さが全くない状態だったので。
悠真も悠真で、ただ勝手にされるだけで、口とかだけでは反抗するけど、結局のところサファイの国まで付いて行っちゃうし、体も繋げちゃうし……で、君の意思は一体何処にあるのか!? とむずむず。
確かにその状態でヤられちゃう話、他にもいっぱいあるんですけど、それでももうちょっと相手に惹かれているような描写があったり快感に負けてぐずぐずになっているような描写にもうちょっと甘い要素があるように思うんですが、なんだかそれが素直に読み取れなくて……かなり読んでてしんどかったんですが。
最後のオチを見たら「あぁ」って納得しました。
このオチだったらあの悠真の反応も仕方がなかったのかなー……って。
ただ、読んだタイミングが悪かったのか、なんだったのかわかりませんが、個人的には大分しんどかったので、もう一回読んだりはしないだろうなー……と思いました。