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今回の話は、どうしてイアソンがリキを逃がしたのか。
それが明かされる話。
いきなりイアソンがスラムの雑種を飼い始めたことは、中央都市中に激震を走らせ、大スキャンダルとなる。
これまで、そんなことをした者はおらず、また、そんなことをしようと考える者もいなかった。
スラムの雑種はみんなの蔑みの的であり、決して特権階級であるブロンディと交わることなどなかったのだ。
ところが、リキは異質だった。
スラムの雑種がペットになったところまではいい。
しかし、ペットになったはずのリキが一向に、ペアリングパーティーに出てくることもなく、それなのに、リキの体からは情交の痕が消えない。
それの意味することはただ一つ。
「リキはイアソンに抱かれている」
今まで、ペットが主人に抱かれるなんてことはありえなかった。
けれど、リキはそんな風習をあっさりとひっくり返してみせた。
そのことは、街の秩序を揺るがすような異常事態であった。
ところが、イアソンはリキを逃がし、そして再びリキを我が物にするために、動き始める。
そんな状況でした。
なんというか、どの人もこの人も回りくどい(苦笑)
でも、思ったよりもあっさりとイアソンはリキへの気持ちを認めたことに驚きました。
ただ、その気持ちを認めながらも、やってることがまったく素直じゃない辺りがとっても不思議です。
なんにせよ、まったく地球とは別の秩序で動く惑星の、裏の裏まで作りこまれた世界観には圧倒されます。
もちろん、リキとイアソンとの関係もそうなんですが。
それ以外の人間関係であるとか。
悪意しか感じられない、惑星の身分制度であるとか。
その裏に隠された真実であるとか。
それらすべてが、おもしろいです。
SF好きな人にはオススメできるような気がします。