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amekamoshirenai
非常に個性的な面々が出てくるミステリーです。
これからまだまだキャラクターが増えてく事が予想されますが、主役の二人がまず個性的で面白い組み合わせです。
受けの篤史は自殺癖という被虐的な趣味を持っていますが、だからといって暗くならずにこのコメディなノリをラストまで保って書かれているのは素晴らしい。
柏枝さんのミステリーを何冊か読んだ中で、コメディーチックなのは初めてです。シリアスとコメディーのバランスがとれていて面白い。
しかし篤史の、自殺を図ってもすぐケロッとしている部分は不可解なので、そのへんをもっと上手く描いてくてたらよかったかも。
篤史は厄介な癖を持っていながら、それでもさらに面倒な性格の恋人、遼一郎に振り回されています。二人が振り回されているのはお互い様。
相手がどんな変で面倒な人間でも、恋愛は本気になったほうが負け、というような雰囲気ですね。
こういう、「変人」という分類のキャラクターは個人的には苦手なんですが…でもたまに遼一郎が見せる、篤史に本気になっている姿がすごくツボでした。
ミステリーとしても重すぎず、でもよく練られててとても楽しい。
特に2話目の、その場にいない人物が後から話を聞いて解決するタイプのミステリーは大好きです。
ただ一つ…私は兄弟で恋愛とか、兄弟で誰かを取り合うとかは大丈夫なのに、父子がらみで子供のほうが本当に幼い子、とかはなんか苦手なんですよね。
だから篤史が父親とその子供両方にキスというのはなんか複雑でした^^;
小説『JUNE』に掲載された作品。
なんとも設定がJUNEらしいと言いますか。
そしてエロのエの字もない(笑
あ、個人的にはですよ。
そういうシーンはあります、遠慮がちにですが。
そんな遠慮しないで良いのに…
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篤史は子供の頃から自覚のあったゲイで自殺を繰り返す(現在19回目)、29歳の受け。
流れ流れて、現在は遼一郎専属イラストレーター兼同居人(恋人?)。
攻めの遼一郎は吸血鬼を思わせる端麗な容姿の持ち主で、著作はほぼ死体描写で占められるというコアなファンしかいないミステリー作家。
篤史に言わせればサドの40男。
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一年前に篤史が自殺目的で崩れ落ちそうな洋館へ侵入し、遼一郎(と友人で医師の伊藤←味がある)に助けられたことがきっかけで、今では遼一郎の住むくだんの洋館で二人暮らし。
もともとゲイのふたり。
しかも遼一郎の方は、フェミニスト団体に抗議されそうな女嫌いです。
体の関係はあるものの、ハッキリとした関係が語られていないようなフワフワした間柄となっています。
そんなふたりが事件に関わって、まるで探偵のように(主に遼一郎が)動き回るといった感じの作品です。
できたら今風にして、エロもプラスして(笑)読みたかったなあと思いますが、このシリーズ途中から単行本になるようなんですよね。
単行本じゃかさばるので買うのはなあと二の足踏んでいます。
でも、設定はすんごく好きなのです。
面白かったですし、キャラも立ってます。
遼一郎自体もひじょうに好きなタイプの攻めさんですし。
このエロ無しな感じは当時の風潮なのか柏枝さん作風なのかはわからないのですが、今はあまり朝チュン寄りの濡れ場なんて小説では見かけないので(漫画はページの都合上まだまだありますよね)ひじょうに珍しい反面、わたしには消化不良!
橘盾さまもおっしゃっていますが、これってもったいないんですよ!
『美青年が自殺→お仕置きエッチ→美青年が自殺』のループなわけです。
このハッキリとしたきっかけ(遼一郎は察しているようですが)のわからない自殺を、サラッとした顔をしているくせにひじょーーに心配している遼一郎の気遣い(超萌えポイントでした)がたまらないのに、お仕置きの様子がない。
ネチネチとした(や、してるらしいけどほとんど書かれてないのでね)中年のエロ責めっぷりは、実際にシーンとしてあって欲しかった!
ていうか、こんなことに力説しているわたしもどうかとは思うのですが、でも、絶対もったいないのですよー。
あとがきには『サド、マゾ、変態』という言葉が日常的でないとありまして、変わったなあと思ったわけです。
今は普通に会話に登場しますもんね。
『骨折り損のくたびれもうけ』とか『平気の平左』とか今はあまり使わないセリフも時代を感じさせます。
表紙もとても40歳と29歳の組み合わせには見えません。
20代と10代って感じです(笑
特に挿絵は10代でしょ!というくらい。
こういうテイストのイラスト、なんだか懐かしいですねえ。
『ス○ップひ○りくん』を思い出しました。
このレビュー、ほとんどエロの話ししか書いてない気がするのですが、その辺りが直接描写で充実していたら神にしていたかもしれません(苦笑
初・柏枝真郷作品です。
受けが主人公。29才の美大出のキレイなゲイ青年。
自殺未遂を繰り返している。
自殺する理由はいろいろだが、その芯は自分が許せないから。
攻めは、古い洋館に住む美紳士・40才。
死体描写を延々と綴るのが好きなミステリー作家で、サド、ゲイ。
その2人の周りで起こる妙な事件を、推理やひょんなことから解決していく作り。
これは好きなタイプだ―と思いました!
第1話【雨かもしれない】
遠野の友人・伊藤医師が、自殺未遂の篤史の為に輸血パックを持ち出したことから、看護師失踪事件の重要参考人になってしまう。
病院内の噂を頼りに、遠野が事件解決に(めんどくさそうに)動き出す!
第2話【ホームドラマの日々】
遠野の息子・美雪が登場。
ゲイなのに息子がいるなんてとモヤモヤする篤史だったが、美雪が持ち込んだ後輩の手紙の解読から、篤史と美雪は親しくなっていく。
第3話【番外編 異聞・四谷怪談】
隣りが霊園のボロ洋館で自殺を謀った篤史が、変人作家・遠野の専属イラストレーターになるまで。
遠野の担当編集・薄井さんの悲喜話。
時系列は、第3→1→2話です。
遠野に囲われてから、篤史が自殺未遂する度に遠野からの責苦があります。
だけど、残念ながら、作者は、篤史の手首の包帯に滲む血の方に説明が行って、エロシーンは淡々なのです。
エロく書けばどんだけもエロくなる設定なのに、そうしてはいない。
読んでいけば、篤史を責め続けることも然り、遠野が篤史に自殺衝動を起こさせない・早期発見の方法をあれこれ苦心しているのが分かってきます。
だからこの作品の作者と遠野のサド心は、優しさ100%?で出来ている^^
ほっこりさせて貰いました♪
でも、橘にはちょっと残念なことが;
ミステリーということと文章が本作と似ているなと浮かんだのが【スタンレーホークの事件簿シリーズ/山藍紫姫子】でした。
和洋の違いや耽美感など差異はありますが、人物周辺の温度湿度が近い。
何より、継足し多めの文章が似ていて、薄い本なのに何度か読み返し時間が掛かったのも同じでした。
結果、とても好み設定なのに、自分にはサクサク読めない文章枠と判断;
ど、どうしよう~!先は8巻まで用意したのに…!
第1巻を時間を掛けて読み終えた今の自分は、アルコールがダメなのに“ラミーチョコ”が気になって仕方ない子供みたいです(;一_一)
主人公・宮城篤史は、家族に自分の性癖に関して痛烈に批判され、その言葉通り、日々死を夢見る自殺常習者になっていた。そんなある日、東京の外れで見つけた幽霊屋敷でいつものように自殺を試みたが・・目が覚めると、その屋敷の主、遠野遼一郎がいた。
出会いはこんなカンジなのですが、篤史はことあるごとにリストカットを繰り返します。その衝動描写が巧い。自殺志願者にありがちな、わけのわからない理由で急に死にたくなる気分が、ひしひしと伝わってきます。
道具を使うとかそういう本格的なものはありませんが、典型的なサドマゾの関係を感じられるのではないでしょうか。
2話目では遼一郎の息子が絡んできて、ちょっとコミカルになってきます。