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士条一威は、大手スーパー『J'S』の御曹司で、経営にも参加する17歳。
『J'S』では、徹底した価格調査と地域調査で、その土地のニーズを誤らない経営を方針としている――が、『J'S』の経営方針には「共存」という文字はない。邪魔者は叩き潰すのが常だった。
おかげで、『J'S』は地元にあった商店街は憎まれていた。
今日も桜山町商店街で人気のお好み焼き店「ニコニコ亭」を取り込み、商店街を潰すために、一威は商店街へと来ていた。
しかし、一威は商店街の中で、自転車に乗った木相葛にぶつかられて一目惚れしてしまう。
ところがその木相葛は、一威が買収しようと思っていた店「ニコニコ亭」の息子で、咄嗟に嘘をついた一威の話を聞いた葛の提案で、一威は木相家に下宿することになった。
一緒に暮らし始めてからも、ますます葛の魅力にメロメロになった一威は、葛をあの手この手で懐柔して、身体も一緒に手に入れてしまおうとする。
一方、葛も一威のことが好きで、二人は付き合い始めるが、そんな中、一威が時折見せるさびしげな横顔や、大人を信用していないという態度に胸を痛める。
一威は今まで、一威を経営者にしたてようと考えている家族に囲まれていて、あまり子供扱いをしてもらっていないから、時折、どうしてそんな考え方を葛がするのかが、わからないんだよね……
ところどころ出てくる嫉妬深い様も、身近に過ごしている人間とはある程度スキンシップがよくあるということが一威がわかってないせいも、もちろんあると思うのだけど。
ただ、BLをなめちゃいけないのが。
「受けはモテる」というのが割とセオリーであること。
はたして、一威が考えてることは、本当なのか、それともただ単に、一威が嫉妬深すぎるだけなのか、この本だけではわかりませんでした。
周りに子供扱いしてもらえなかった一威が、頑固者の葛の父親にだけ子供扱いしてもらえて、一威の部下を追い出したままのところとか、次につなげそうな伏線はたくさん落ちている気がするので、続きの話はいくらでも想像できます。
二人の恋は動き出したばかりのところで終わりますが。
葛なら多分、一威の家族と全面対決!! とかになっても負けない気がする。
そういう一威だからきっと、そんな葛が必要で。
本当は今がすごい一威じゃなくて、きっと自然体ですごい葛の方が、これからどんどんすごくなっていくんだろうな! と思いました。
二人は、最後までラブラブでした。