お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
rouman shousetsu no youni
伯爵家当主の二階堂裕貴は、結婚もせずに悠々自適な一人暮らしを楽しんでいた。
その裕貴の世話をしていてくれたばあやが高齢になったことで辞めることになり、代わりの人間を求めるために『家政婦求ム』という小さな新聞広告を出した。
そんな裕貴の下に訪れたのは、見るからに育ちが良さそうな青年・和音だった。
和音は深窓の令息・と言った様子の彼の見た目に反し、家事全般をそつなくこなすばかりか、きめ細やかな彼の心遣いによって裕貴の生活を豊かにしていく。
裕貴はそんな彼の働きを、買っていていずれは自分の仕事を手伝わせる秘書にできれば……と思っていた。
けれど和音は、時折憂いを含んだ表情を見せ、なかなか自分の過去を話そうとしない。
そんな時、和音の実家から急な連絡が来て、それっきり和音は戻ってこなくなり……
という話でした。
なんとなくうっすら話の展開は読めていたのですが、二人の関係がまったりゆっくりでよかったと思います。
ふとしたところで触れ合った時の書き方とか、本当にいいなあと思いながら読んでました。
元々は和音が裕貴に恋心を描いていて、せめてひと時でも一緒にいたいという願いから、家政婦へと立候補してきた、という流れなんですが、和音が切なくてとてもよかったです。