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THE DARK BLUE(ロスが舞台)とTHE DARK SHADOW(ロンドンが舞台)の2編が入っています。
通して読んで、その収束の付け方に唸りました。
THE DARK SHADOWの方には、陵辱強姦とは異なった『非常に暴力的な』と言いますかグロいシーンがあります(さらっと書かれているのですが)ので、苦手な方は避けた方が良いかもしれません。
日の光や十字架など、吸血鬼の弱点と呼ばれるもの全てを恐れないロキシー・アルカードはオリヴィエ・シェルダンの血に固執しています。快楽や恐怖を感じた時に血の味は格別になるため、ロキシーは自分の獲物としてオリヴィエを束縛しています。
オリヴィエはロキシーとの関係を憎んでおり、どうにかしてロキシーから逃げようとしています。住む場所を知らせずつましい生活をする中で、宝石店での仕事を通じて漢方医師として成功しているヘーゼルと知り合い互いに想い合う関係になるのですが、ロキシーとの因縁を彼に話せないままでいます。
ヘーゼルの愛を確信したオリヴィエは何とかしてロキシーから逃げようとするのですが……というのがTHE DARK BLUE。
ロスからロンドンに移ったロキシーとオリヴィエでしたが、まだ教会への信仰心が厚いロンドンでならロキシーを倒せるのではないかとオリヴィエは思い『神の降りる教会』と感じた教会に通い告解を繰り返しています。教会の牧師であるブライアンの姉がロキシーに血を吸われたことでロキシーの正体がばれ、オリヴィエが撃たれそうになるのですが……というのがTHE DARK SHADOW。
執着攻めという点では、ロキシーはBL紙上でも上位を争うと思います。
ただ「それは愛なのか?」と言えば一概にそうも言えないような気がします。
ロキシーにはとても激しい執着がありますが、オリヴィエの方から見ればそれは厄災でしかないからなんです。
その構図が物語の最終盤でガラリと反転する様は「お見事!」としか言いようがありませんでした。
なんとすごいことに、その後もう一回反転するんですよ。
これをどう感じるかはそれぞれの好みなんだろうと思うのですが、個人的にはこの反転がなくて『風と共に去りぬ』的な終わり方の方が好きかも。「ロキシー、オリヴィエのことを愛してたんじゃん(涙)」となったと思うんですよね。
でも、このラストの方が「山藍さんらしい」とも思うのですよねぇ。
全体に流れる隠微で暗い雰囲気。でも読後感は悪くありません。
あらすじは書いてしまうとネタバレになるくらいストーリーが出来ているので省略します。
登場人物は、美しい青年オリヴィエ。舞台は外国です。そして、オリヴィエを犯す吸血鬼、ロキシー。強く、絶倫なスーパー攻め様です。異形のものだからか精力は衰え知らず、繊細なイメージながら淫らでもあるオリヴィエを陵辱の日々。しかしオリヴィエには優しい恋人がいます。
二人の関係はどうなっていくのか、オリヴィエはどう変わっていくのか。。
雰囲気やストーリーの作り込みを無視した構図としては陵辱されながらも体は反応し、やがて。。という王道もの。しかし物語として読ませます。
恋人とロキシーとの関係に苦悩しながらも、最後には自分をみつめるオリヴィエ。真実の愛はどこにあったのか。それが明かされる形でお話しは終わり、わりとすっきりしました。
う~~~ん、萌×2にするか萌にするかで少々悩ましい作品。
吸血鬼のロキシーと彼に執着されている美しい青年、オリヴィエのおはなし。
ロキシーは吸血鬼のステロタイプとは程遠い。
光り輝くロサンジェルスの高級ホテルに住み、豪奢な生活をしている金髪の美男
彼は日光浴もすればニンニクも十字架もきかない。
吸血鬼というより、あたかもロックスターか人気俳優のようです。
オリヴィエは反対に漆黒の髪と青い双眸を持つ美青年ですが、
ロスで漢方医をしているヘーゼルと恋仲にあります。
このヘーゼルとの仲が山藍先生には珍しめの「まともな恋人」同士です。
ですが、ロキシーがことごとくその仲を邪魔しにかかり、
オリヴィエも結局は肉体で服従させられています。
表題作はそんなオリヴィエの悲しい絆の物語。
問題は後半の THE DARK SHADOWで、舞台はロンドンへとかわる。
ここからが予想外の展開。あえてネタバレはしません。
前半の切なさと後半作品で描かれるロンドンの空気感がいいです。
通して読むと、オリヴィエがロキシーとの関係性に気付くには
ちょっと伏線の張り方が甘いかなぁとは思うけど、
エロティックでありながら純愛めいている。ア、でも90年代はこういうのって
お約束だったかなーって気もしなくはありません。
ついでに言うと、珍しく異物混入やら変態プレイはございません(笑)
3Pもございませんよ!割に切ない系の純愛・執着愛で進行します。
これもそろそろリライトかかるんじゃないかと予想。
舞方ミラさんのイラストレーションがいかにも90年風なので、
新装版になって加筆入ればまた違った楽しみ方ができそうです。