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mou anata wo nakasetakunai
中学生×大人という、歳の差攻めでも中学生が攻めというのが自分が今まで読んだ中では珍しく、主人公の聡悟の性格も面白かったです。
9歳差って大人になればそんなに珍しくないかもしれないけど、子供の時の歳の差って大きいですよね。
中学生なのに、自分よりすっと年上である誰かを守ろうとする姿が健気でした。
従兄弟の友達、涼に一目惚れし、無理矢理紹介して貰った聡悟ですが、涼は足が不自由で車椅子生活をしているという境遇です。
そのため従兄弟はお前には手に追えないとたしなめますが、聡悟は自分は本気だと引きません。
聡悟は涼に家庭教師をしてもらう事になり、距離を縮めますが、涼はもう恋なんてしないと決めています。
聡悟は確かに子供なんだけど、用意周到でプライドが高く、見ていてほんとに楽しかったです。涼の好きな紅茶を調べ、でも調べたそぶりは見せず、一度した失敗は二度としないように勤め、弱みは誰にも見せない。中学生なのにほんとにしっかりしていて、なんだか子供だけどこのこなら涼の傷を癒して守ってくれるのではと感じさせました。
しかし、告白するところまでで終わっていて、前半は二人の恋はまださわりという感じでした。そのため、この二人は好きだなと思いつつ、この上巻だけでは物足りなく感じました。
というより、後半がほとんど涼の元カレのお話で、その彼氏がものすごく酷い人物で読んでいてそれが苦痛でした。
涼と聡悟のお話だけなら好みだったので星4をつけたかったのですが、後半が見ていて余りに不愉快しか感じず、なんとも評価しがたい本になりました。
(以下は最後までネタバレを含んでいます)
涼の足が不自由なのは元カレ、匡に刺されて脊髄が傷ついたからなのですね。
この彼氏は涼の幼稚園からの幼なじみで、中学生からの恋人ですが、大学生の時に浮気して、三角関係のもつれの挙げ句涼を刺します。
その時の三角関係の相手の女性と結婚し、「これ、新婚旅行のお土産だ」と涼に持ってくるという…。この人物のあまりの無節操さに驚いたというか、最早反応に困りました。
聡悟が怒るのも涼が苦しむのも仕方ないというか、挙げ句にやり直さないかと涼に持ちかけます。私はこの人が不可解というか、もはや理解出来ないレベルで薄気味悪わるくて怖かったです。
涼は歩けなくても生活できるよう改造された家に住んでいるようで、今だに心の傷も癒えずパニックを起こしたりしてるのですが、人に一生の障害を負わせた場合、責任って、一体どうなってるの??と問いたくなります。
何故この人はしれっと「新婚旅行のお土産」などを持ってくるの??やり直そうといってくるの??罪にも問われてない感じだし…。
この2人のお話しが後半ほぼ半分以上を占めているのですが、この2人がメインカップルではない作品なので作者さんの意図もよくわからなかったです。
ただ、涼の幸せは見届けたいと思う作品でした。