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hare no ame
描きたい物語があるんだなーって、こだわりがあるんだなーって、切実に伝わってくる作家さまなんですよね。個人的には書きたい思いが溢れすぎて収集がつかないくらい、ビッシャビシャにウェットでもいい。作家さま独自のこだわりが強い程いい。その匙加減で好き嫌いが別れるのだろうと思うんです。
朝丘先生は教師×生徒ものばかり当たっているんですけど、このお話も高校美術部の顧問、宮城と二年生の部員、如月光久の道ならぬ恋を描いた物語。如月は宮城に恋をしている。宮城はホテルで会う時、部室に二人きりの時だけは如月が一番好きだと言ってくれるけれど、心中はフクザツ。
美術部には幽霊部員で如月の一年先輩、榊原がいて、素行不良の噂がつきまとう彼が部室に現れるたび、妙に萎縮してしまう如月。だが、大好きな宮城先生が先輩だけを下の名前で呼ぶのに気付き、二人の間に特別な親密さを嗅ぎ取ってしまう。嫉妬を覚えつつも、きちんと向き合って話してみると、榊原には意外に優しいところも感じるし、一緒にいるとなんとなく居心地が良くなってきて…。少しずつ、如月の気持ちに変化が生まれていきます。
宮城は大人としてはいただけない、卑怯で甘ったれた男。ちょっと現実離れしてないか?とも思うけれど、結果、彼の存在がその「時」を生きる若い人の純粋さ、必死さを際立たせてくれているのかもしれません。
これは如月が主人公のようでいて、実は榊原の物語。生きている間に、出来る限りのことを目一杯経験したい。一生に一度でも真剣に恋ができたら、なんと幸せなことだろう。その恋がどんな結末であっても、恋したことそのものに重きを置く作家さまのテーマが如実に描かれた、悲しくもうっすらと希望を感じる物語です。
爽やかな絵柄と爽やかなタイトル、そして爽やかなコバルトからですが、意外とドロドロなネタ。
なのに読み口は爽やかな不思議テイストな作品。
でもね、あらすじでネタバレ大盤振る舞いしすぎです。
序盤からすでにラストが予想出来てしまうような話なんですが、予想出来てしまうが故に、救いやどんでん返しを期待して読んでしまう。
けれども救いもどんでん返しもなく、どうしようもない時の流れが、まだまだ若く幼い男の子ふたりを引き離してしまうのには、切ないを通り越して痛い。
終盤なんてもう、ティッシュ箱抱え込んで読むはめになりました。
不倫、病気、二股、○ネタ、という悪魔のカルテット。
爽やか~なイラストがオブラートに包んでくれてる感がありますが、要約すればそんなストーリーなんで、好き嫌いははっきり別れると思います。
私は大好きでした。
みんながちょっと物足りないとレビューされてたが、そんなの気にならないほどストーリーにのめり込んだ朝丘先生、あんまり泣かせないで欲しいよ(;_;)イラッと来るときもあったが、それが先輩と光の出会いの為、惹かれ合う為だと想うと、必要悪に思えた。最終章は要らなかったが、最後の一節と光に残した遺書を何回も繰り返し読んで、涙が止まらなかった(ρ_;)ただキス一つだけの愛
ファーストレビューを書かれている方が仰っている通り、
あらすじ通りのお話でした。読んでいて早々にオチも予測でき、
実際にその通りのラストを迎えました。
序盤は自分勝手で子供っぽい教師にうんざりし、
そんなダメな男に惚れる主人公も恋愛体質っぽくて。
どちらにも共感できず、鬱陶しい!と思っていたのですが。
木生と知り合い色々な経験をして、
光久がだんだんと大人になって行きます。
教師だけが生活の全てだったという狭い世界から、
もっと広い世界へ歩き出そうとする光久の姿が清々しかったです。
多少、物足りない感もあるし、表現が青臭くて恥ずかしい~と
思う部分もあるのですが。時々ハッとするような胸キュンな台詞や
モノローグがあったりして。予想外に面白かったです。
個人的には木生が主人公の同時収録作品「あの日、初めての晴れの雨」が好きです。
ネタバレもなにも、あらすじでストーリー全部語ってます。
どうなの?!コバルトさん。
まあ、最初から先の読めるお話なんだけどね。
ポイントはストーリー展開そのものじゃなくて
人を想う気持ちのひたむきさ、美しさ
気持ちを伝えたい、という想い。
純粋でキラキラ輝いている瞬間の数々
逆に心が死んでいく時の感覚
相手のちょっとした言葉や態度でふさぐ心
主人公が他人の言葉に対して衝撃をうけたりするのが
自然で読んでてすとーんと胸に落ちてきます。
美しい感情も醜い感情も、両方が詰まっています。
コバルトなので、エグくはありません。瑞々しい表現です。
なので物足りないひとは居ると思います。