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kago no tori ha itsumo jiyuu
『年の差もの』で、『先生と生徒もの』という、私にとっては黄金の組み合わせです。
とにかくキャラクターがよかったんですよね。美耀(受)も直人(攻)も大好きです。
美耀は、少なくとも見える部分は『健気』というタイプではありませんが、(健気な受が大好きな私ですが)それでもよかったんです。美耀の強気なところ、反面すごく弱いところ、そして直人に惹かれて行く気持ち(そういう自分への困惑・動揺も含めて)が、本当にうまく表現されていました。
それに直人の、ストーリー上は表に出ない・出せないけれど、ほんの少し零れるように覗く優しさが、じんわりと沁みるようでもうたまらなかったんです。続編では、意外に子どもっぽい(自分に正直なのか?)ところもあって、それもまたよかったですね。直人は、私の好きな攻のかなり上位に入るんですよ。
実はこれ、金さんのイラスト買いの中の1冊だったんですが、あらすじの最初の『名前は呼ばない、唇にはキスしない。 それがこの部屋でのルール』っていうので、もう『痛い』、『酷い攻』系の作品かと思って、後回しにしてたんです。でも、勇気を出して読んでみたら・・・全然違いました。それどころか、爽やかでさえあります。ホントによかった、最高です!
余談ながら、これをきっかけに松前さんを作家買いするようになって、今では著作30冊以上の作家さんでは唯一フルコンプリートしています。
松前さんは、地味な作家さんという位置づけでしょうが、文章はすごく上手いですね。どの作品もドラマティックな盛り上がり・下がりはまずないのに、日常の淡々とした情景の中、突出した設定でもないキャラクターで、これだけ読ませること自体が力量を示してるのではないかと思います。まあ、私の『好き作家さん』フィルターのせいもあるかもしれませんが。
いやー、もう、素直に面白かったです。
恋人と事故で生き別れになった高校生が主人公です。
絶望的な気分で毎日を送る主人公の前に現れたのが、その恋人とそっくりな顔をした男。演劇の講師として、主人公のいる学校にやってきたのだ。
彼が気に触って仕方ない主人公は、彼につっかかり、身体の関係を迫る――。
主人公は、その講師と交流することによって、少しずつ立ち直っていくんだけど、それが自然でした。
必然のようにその講師に恋してしまったことによる戸惑いも痛みも伝わってきました。
必要以上にはグルグル悩まないのも良かった。くどくないのだ。若さ特有の割りきりと悩みのバランスが、絶妙でした。
先生のオトナの部分と子供の部分のバランスも良かったなァ。
超良作でした。