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こちらも、BLの中では古典と言ってもいいでしょう「1995年」のBL小説。
作者はS.稔也先生。
個人的に、この先生が書く本は、結構イロモノが多い気がしたんですが、やはり今回もイロモノ。
人間になれる狼? 年齢が行くと狼になる人間? の話です。
もちろん、狼の世界なのだから、独特のルールもあります。
黒い狼と、赤い狼は対になって村を守らないといけない……などなど。
ところが、今まで外で育てられてきた桃太はそんな決まりなんて知らない。突然、尻尾が生えるようになってしまった自分をいぶかしく思いながらも、日々、普通の人間として育てられてきた。
それをいきなりぶち壊してきたのは、村の長である黒い狼であり、桃太の腹違いの兄であるという将和の出現。
彼はいきなり桃太を拉致すると、心臓を抉り取られてしまう。
桃太はまったく預かり知らぬことだが、それは狼族でいう、永遠の愛を強要する儀式であった。
けれど、将和自身も何故、自分がそんなことを桃太にしたのか、まったく自覚しておらず――
というとってもややこしい展開。
けれど、桃太は決して将和にいやな感情は抱かず、幼くして一人ぼっちになってしまった彼の瞳の奥にある寂しさに気づき、優しく接する……。
次第に将和も桃太が、自分の前で笑ったり喜んだり謝ったりするのがかわいくなってーーという話でした。
が、普通、心臓を抉り取った人間を好きになるってよっぽどだと思うぞ……? というBL独特のご都合主義的な面がどうしても顔を出しますね。まあ、それが「この物語はフィクションです」の醍醐味なんだと思いますが。
まあ、客観的に見て素直で他人思いの桃太はかわいいと思いますし、見た目まで初恋の人に似てる、となれば将和が無意識にでも惚れてしまうのはわかりますが、その後の行動がいただけないですね……。
その行為を普通したら、ドン引きされてさようなら、だと思うんですが、どうやらBL界ではそうではないらしい……という。
最後は、随分、将和がヘタレになってしまってなんとなくバランスが取れたような感じになってますが、あれは絶対に桃太だから許してくれたのであって、他の人間には無理だと思うんだけど……とちょっと小言を言いたくなるような作品でした。
イロモノ・ご都合主義的な展開! が大好きな方にはオススメします。
ご都合主義って結局、ちょっと力技な王道だと思っているので、別にけなしてないですよ?
ドラマCDは聞いたんですがそれだけだと内容がちと分かりにくくてずっと原作探してたんですがやっとこさ読めました。
95年発行ですが藤たまきさんの挿絵のせいか、さして古さは感じさせません。
しかし稔也さんの文章は独特の癖があって個人的にはやっぱちょっと読みにくいなあ。
主役桃太[受]は小説でもやっぱかわういです、獣化してもかわういですねー。
しかし黒木[攻]はやっぱひでえ。勝手にさらって行ったあげくに期待外れみたいな事を言うんですよ、ムキー!
ちょっとエグいシーンが出てくるので要注意。
桃太がめげないで頑張る男の子なのでそこは楽しく読めました。
無茶苦茶勝手な男だけど黒木もかっちょいい事はかっちょいいし。
でもやはり分かりにくいのと読みにくいって印象は変わらずです。
獣化シーンはなかなかいいんですけど。