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「答えて姐さん」でオススメ頂いて読みました。面白かったです。古い作品ですし、こういう機会がなかったら手に取ることもなかったと思うので、教えていただいたことに感謝!梶原にきさんのイラストがとても雰囲気に合っています。
淡々とした文体に加え、重要なキーワードとなるイヌワシや厳しい自然環境に関する描写が多いことも、二人だけの世界で展開するハッピーでいちゃラブなBL小説とは一線を画していて(それも好きですが)、読み終えた時、小説を読んだ!という達成感がありました。
紹介文に「不器用な大人のほんわかラブストーリー」とありますが、雫の過去はかなり壮絶で私はちょっとホラーだと思ったので、ほんわかだけじゃないぞと反論したいです笑 それなのに、全体的には確かに「ほんわかラブストーリー」な気がする不思議…。辛い過去がありながらも、時間をかけて色んな感情を乗り越えた雫と、彼を大切にしたいという想いをちゃんと言葉にできる祥一の、バランスの良さでしょうか。
お兄さんとか、観察ノートとか、会社のこととか、語り尽くされていない伏線が色々ある気がするので、続編があってもいいなぁと思いました。
さすがに新品は見当たらないので、古書で取り寄せました。
海外翻訳物のような、クールな文体が新鮮でした。
情感的なものも好きですが、淡々としている心理描写は結構良いかも。
攻め・祥一の飄々としたキャラと特有の話し方は、受け・雫の重い口と心を自然と開かせるのです。
フィールドノートがその後どうなったのかだけが気になりますが、まあこんなことを言うのは無粋というものです。
一味違う厳しい環境を生きる、しかしほっこりとしたBLは珍しく思いますので、本作もリニューアルして刊行しても良いかもしれません。
クールな文体も読みやすいです。