優しくて冷たい果実 前編

優しくて冷たい果実 前編
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
18
評価数
5
平均
3.8 / 5
神率
40%
著者
たけうちりうと 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
今市子 
媒体
小説
出版社
小学館
レーベル
パレット文庫
発売日
価格
¥486(税抜)  
ISBN
9784094214147

あらすじ

老舗料亭をめぐる恋と陰謀。格調高いB・L  老舗料亭「十和田」の、創業百年記念会席の最中、大型保冷車がつっこみ、店はめちゃくちゃ。「十和田」の御曹子・通草と、恋仲の若きシェフ・創は「十和田」の再建に乗り出すが、利権をめぐって陰謀の匂いが…!!

表題作優しくて冷たい果実 前編

修行帰りのシェフ
老舗料亭「十和田」の若き跡継ぎ

レビュー投稿数2

日本人に産まれて良かったー!

たけうちさん作品でもこれは万人向、おもろいです。
いやもうホントにおもろいからー!!

百年の歴史を持つ老舗料亭が何者かの策略で放火され色んな妨害を受けるも、孫である跡継ぎの通草[受]が、幼馴染みでシェフの創[攻]や板前達と頑張って新たに店を創っていくというのが大まかなストーリー。
通草が料亭の跡継ぎとして育てられた事もあって可愛い顔をしてはいるんだけど和服の似合う凛とした上品さがあって凄く魅力的。
可愛いだけじゃなくて有名料理評論家の前できっぱりと創を自分が育てると断言する所とか凄く漢らしい!!
若き板前の蛍や通草の祖父、創の祖父も料理人や料亭主人としてビシッと芯が入ってる男達で読んでて背筋がすっと伸びる気がします。
繊細な料理や料亭事情の描写の美しさは確かな文章力を持つたけうちさんならでは。
老舗料亭の陰謀に、皆で立ち向かって行くのと同時に創と通草の恋愛が絡んで来ます。
2年前に想いに任せて通草を押し倒してしまった過去を持つ創(押し倒しただけでやってはいません)、でも実は通草も創を好き。
微妙にすれ違っていた2人が結ばれるシーンがまさに「結ばれる」って感じで良い~凄く良い!
初めて料理人として挫折した創を連れて通草が安ホテルに入る。
安っぽいシーツの上での行為なんだけどそこがもうもうどうしよう~っていう位に良いです。
激しいエロシーンじゃないのに凄くエロいのは何故ー!!
日本人に産まれてこの小説が読めて良かったあああって気分になりました。
大袈裟だけどその位良かった。

料亭舞台なので色んな美味しそうな料理が沢山出てくるんですが中でも一番美味しそうなのが通草のリクエストで創が作る鳥雑炊。
これが滅茶苦茶美味しそうでたまらんです。
前編のラストは、大きなショックを受けた通草が普段は気丈なのにこの時だけは泣いて創に今すぐ鳥雑炊を作ってくれっていう所で終ります。
続きが気になるわ、鳥雑炊は食べたいわでもうふんとにですよ!

2

上品な世界観

面白くないわけではないんですが、お話の設定や状況が本の上を流れていってるというか、キャラクターが動いて読ませる「楽しさ」のようなものがあんまりない作品だなぁと感じました。

パレット文庫はラノベですが、たけうちさんはどちらかというとヤングノベルより現代小説向けのかっちりした、慣れた文章を書かれる方です。
舞台が老舗料亭というだけあり、文章が合いすぎている、悪く言えばちょっと小難しいというか、綺麗なだけの印象を受けました。

主人公の通草は老舗料亭の跡取りで、店に出るときは優雅な振る舞いと堅苦しい言葉使いですが、普段は意地っ張りで強気な大学生です。
料亭が火事になり、たった一人の身内である祖父が入院し、残った少ない料理人たちとこれからの店先を憂うところから話は展開していき、間借りで日本料理の店を開店させることになります。
通草の相手は幼馴染の創で、彼は通草が好きで、昔強姦しそうになった後ろめたさからフランスに留学、料亭の事件があった後、板前として働かせて欲しいと名乗り出ます。
この2人、最初から両思いなのですが、意地っ張りの通草とヘタレ気味の創の仲はなかなか進展せず、お話も恋愛部分よりは料亭のお話に割かれる割合が多かったのでがっつり恋愛を楽しむよりは恋愛もある別ストーリーモノと捉えたほうが良いかもしれません。

今市子さんのイラストともとても合っていたのですが、どうもお店のお話と恋愛のお話が同時進行として頭に入ってこず、大きな動きがあるわけでもなく、少し退屈を感じてしまいました。

1

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