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sonote ni nareru made
小川いら「ラブ・バチェラー」を読んだ時に不思議な感覚にとらわれたんですがね
2000年前半のBLとはこういう前向きさがあるのだろうか。
さて、現実の2000年直後という時代を眺めてみると、ドコモのiモードが革新的な通信方式とされ、スターバックスが日本に上陸し、そして日経平均が7000円代を記録した。
EUではユーロが流通し、「自分的には」「私的には」という言葉が出始めた。
いうなれば、価値観が変わっていくスタート地点だったんじゃないだろうか。
負け組・勝ち組という呼称が使われ出したのもこの頃だったんじゃないかと思う。
なんとなく暗い時代だからこそ、「努力すれば報われる」という図式がBLにもあったのだろうか。
この作品、家賃が払いきれなくなった無芸な学生が、厳しくも温かい男に拾われて努力し、成長していく物語である。
廻りの人びともみんないい人ばかり。苦しい境遇にありながら、底意地の悪いキャラクターもなければ、社会の理不尽さもない。これこそが2000年代初頭の理想だったんだろう。
ストーリーとしては、デキすぎていて面白くないのかもしれんが、
BLというファンタジーとしては非常にアリだと思う。
それというのも最近のBLがどうも白日夢的すぎたり、暗い因縁だらけで気が滅入ったりするもんで。
お決まりな王道展開もので、内容や設定の強引さは感じるものの、結城先生の文章が読みやすいのもあってスラスラっと読めてしまう作品でした。
年の差&お金持ちな大人のいい男攻 × 健気な頑張り屋の可愛い受ものがお好きな方には、突っ込みどころはあるものの、そこそこ楽しめるのでは⁉︎…と思います。
私は絵師さんも好きな方なので、受けのギャルソン姿が可愛いな〜と思いながら楽しく読ませて頂きました。
同居人に家賃20万を持ち逃げされ、借金持ちになってしまった悠介(受)。
切羽詰まった悠介はたまたまナンパされ、喉から欲しい金額を提示された事で、ナンパ男にフラフラっとついていきそうになっていた所を、ヤリ手レストランオーナー・真柴(攻)に助けられます。
ナンパ男がヤクザだと教えられ、お金に困っているならと、一晩30万の条件で真柴と一夜を過ごすことに!
そこから、悠介は真柴の経営する店で働き始め…。
ギャルソン調教⁉︎ラブコメもの。
真柴は素敵な大人の攻様で、悠介は少し天然系の健気な受様と甘めカプのお話でした。
残念だったのが、家賃を持ち逃げした同居人は、結局名前だけで登場してこなかったことです。
もう少しお話の展開的に波があってもよかったなあとは感じました。
そういった点では物足らなかったかしれません。
ギャルソンなので、コスプレではないですけど、ソムリエエプロンやカマーベストでのお仕事姿が可愛らしくて楽しませて頂きました。