お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
bara no chouritsu
教授の代理として参加したワインスクールで出会った郁と榛葉。
郁は榛葉に好感を持ち連絡を取るようになる。
そんな中、郁の父親の会社が倒産に追い込まれ病気が発覚し。
金銭面で困っていた郁に榛葉はある提案をするのだが…。
少し盛り上がりに欠けるお話だったような印象を受けました。
榛葉の夜の顔は『薔薇の飼育』というお気に入りの「薔薇=人」を見つけては「飼育=躾」、そして売りさばくというような面を持っていて。
いわゆる「調教」になるのですが。
それ自体のシーンが少なかったせいかもしれません。
そこまで調教されなかったというか…。
郁はお金のために仕方なく榛葉の薔薇になることにするのですが。
それは夜だけで、昼間は以前のように友人として付き合うことを望み、それを榛葉も受け入れる。
少しずつ郁には感情が芽生えていくんだけども、自分は薔薇としてしか見てもらえてないと榛葉の態度からは見えて。
それでも、逃がしてもらえる機会はあったのに、そんなカタチでも触れて欲しいと思ってしまう自分がいて。
榛葉の感情の動きもちょっとわかりにくかったかなぁ。
榛葉が薔薇を飼育するようになった背景にはそれなりにトラウマ的なことはあったようだけれど。
榛葉は榛葉なりの感情を常に郁や薔薇たちに注いできてたわけだけど。
それは相手には伝わりにくいものだし、はっきりと伝えたものではないし。
郁との場合も最初が「そういう契約」だから、郁も契約に縛られているだけだと思ってるところがあって。
どちらも自分からはっきりとしたことを言わないというか。
なかなかそこまで辿りつけなくて。
郁は郁でそれを言ったらきっと捨てられる(もしくは売られる)と思っていて。
榛葉は実はそれらしい言葉を口にしてるんだけども、伝わりづらくて。
あそこで郁が言わなかったら、榛葉との新しい関係は築けずにずっと薔薇のままだったかもしれないなぁ…。
そして、ほかに出てきた人たちが「あれ、あの人たちなんだったんだろ?」という疑問はエピローグで簡単に片付けられてしまいました。
なんだ、そうだったんだ…みたいな。
そういう点でも何か物足りなさを感じました。
家が多少お金持ちである以外ごく普通の大学院生だった工藤郁。
彼は教授の代理で参加したワインスクールでミステリアスな雰囲気の弁護士、榛葉と出会った。
初対面ではあるが気さくな年上の男と友人のようになる郁だったが、その関係は郁の父親の会社が不渡りを出したことで一変する。
榛葉は金銭的に援助する代わり、郁に自分の”薔薇”になれと持ちかけてきた。
それは彼に調教され、人に売り渡されるペットになることを意味していて……
ちょっと趣味で人間を調教していますっていう、弁護士。
ミステリアスとかなんとかを超越して、無茶度高めな設定ではあるよね。
いかにこの世界観に疑問を感じないでいられるかどうかがこの作品を楽しめるかの分かれ道だと思う。
しかし別にゲイでもないけれど、出会ったばかりのブルジョワジーな男にフォーリンラブ状態の主人公です。
調教モノというにはちょっとぬるく、割と最初から両思いな二人。
商品である薔薇に特に感情移入しなかった榛葉にとって、郁のどこが特別だったのか?
最初からですって言われちゃうとちょっとがっかりするんだけど。
もうちょっと理由付けとか葛藤とかが見たかったかもしれません。