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きみペとも調教物とも、違います。
居候させる代わりに、Hをさせるとか言うご無体なものとも違います。
無理矢理も鬼畜もこの話には、ありません。
『ペットになって、お世話をされる』
ただ、それだけなのです。それだけのことなのに、非常に萌えました。
天涯孤独になったばかりの箱入りのお坊ちゃまな柚生は、叔母夫婦から厄介払いの為に海外留学させられそうになって、家出を決意する。
家出だと言うのに、家の車を運転手に出させて出発。
テレビドラマを見ての勉強で、自立するには自分で働くことと学習する。
もちろん、子供の柚生がどこに行っても雇ってもらえる訳もなく、荷物も盗まれて一文無しになって、たどり着いた公園にあった捨て猫が入っていたダンボールを囲って寝ていたら、冬青に拾われてしまって……。
人気アーティスト・御厨冬青(マイペース攻め)×箱入り坊ちゃまな柚生(プチ女王様受け)
柚生は気位が高いニャンコなプチ女王様受けで、すれていないお坊ちゃま振りがとても可愛かったです。
私は、他人と一緒の部屋では眠れないと言いだして、居候主の冬青を部屋から追い出します。
主人の冬青の方が追い出されて、ソファーで眠ることに。
居候なので遠慮して自分はソファーで眠るとか、逆に冬青の方がおまえはソファーで寝ろと怒って追い出すとか、普通の展開じゃないのです。
冬青には、柚生のワガママが嬉しくて仕方ないんです。
万事が万事、その調子で、お坊ちゃま育ちの柚生のお世話をイキイキと楽しんでしています。
柚生の一人称が「私」なのも、萌なポイントでした。
二人の間に起こるささやかで心温まるエピソードの積み重ねが、穏やかでよかったです。
孤独であること、寂しいということ。
自分がそうであることすら、柚生は知らなかった。
冬青と会って、孤独を知って、寂しいを知って、一緒にいたいという事を知った。
孤独な二人が求めあい、お互いがあることによって癒されるのが凄くよかったです。
エロ:★2 少なめ。ラブラブ後のHはありますが、この二人の場合は、エロ少なめなのが逆によかったです。
総合:★5 そんなに激しい事件もなにもないのに、ほろりと泣けます。ほっと心が安まる話で、大好きです。
これは、なぜか私が最初に持っていた印象(タイトルと、あらすじの深読みか?)とはまったく違いました。BLで『猫(ペット)』って言えば普通・・・ねえ?
いやもう、実際にはあらすじ通りのイメージなんですが。
とにかく、『家出した受が攻の家に匿われる』という設定から想像するストーリーをすべて超越してるんですよ。『世話になる代わりにH』でも、『不遇な健気ちゃんを救う金持ち男』でもないんです(いや、これらは陳腐過ぎですが)。
そもそも、柚生(受)のキャラクターが、ワガママな女王様ですよ。冬青(攻)も、傲慢とは程遠いし。
とにかくキャラクターがよかったです。スレた読み手には意外に感じるくらいでしたよ。柚生が世間知らずな分、余計にワガママなんですが、育ちから来るものだからか嫌味がないんですね。そして、冬青は天然でマイペースな世話焼き体質ですから、ホントにお似合いの2人でしたね。
特にストーリーとしては山も谷もないのに(柚生の設定上、遺産に関わるエピソードはありますが)、それでも結構面白かったです。
月上さんのほのぼのBL、なんかいいですね。好きです。