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taegataku amai kisetsu
医学生なのに血が嫌いな子の話。
手術の見学の度に倒れちゃう位血がダメなのに消化器外科医を目指すのは?
医師を目指す医学部の学生の話にしては、なんだか全体に、こんな甘いことでいいのかって話なんだけど、主人公達の年齢設定が、現役で合格した2年生で二十歳になっていたりなっていなかったりという微妙な年齢。
実家が病院だから医学部で、私大の難関校に現役で受かる位だから、かなり経済的にも学力的にも恵まれた子達。
そんな子達が集まって、医学部とは言え解剖実習もまだ始まらない、夏のはじめから夏休み、夏休み明けのお話なので、この位フワフワと、自分の進むべき路を迷ったりするのも、まあ、年相応かなともいえる。
ところでこの本、金ひかるさんのイラスト買い。
金さんの描く真は、みんなに姫扱いされるような、大事にされて育った末っ子のおぼっちゃまの愛らしさ満載。
戸川も、真や他の学生達と一線を画す生い立ちが目の強さに表れているし、
五島先生の眼鏡顔もイメージピッタリ。
なので、挿絵に萌+1。
医大の同級生、李家真、リノと戸川のお話です。リノは実家が医者にもかかわらず、血を見るのが苦手で、何度か倒れているのです。
戸川は、真のことを「まこっちゃん」と呼ぶのですが、講義にはさほど出ていないのに、頭が良いし、いつも飄々としているちょっと不思議な男です。
同級生の山下が医者という進路に迷いを感じていること、リノ自身がただ漠然と医者を目指していたこと、そしてリノと戸川の「友達以上の関係」をテーマにしてお話が進んでいきます。
山下の起こした事件が、静かな日常に終止符を打ってしまうのですが、私は読んでいてリノも戸川も、山下もみんないい人で、だから余計に切ないという感想を持ちました。
いろいろなことを決めて選んで、諦めての繰り返しでも、その先にみんなの落ち着ける場所があるならばと思うと、とても後味のいい気持ちになりました。リノと戸川はきっといい医者になるだろうなと思える青春のお話でした。
SHYノベルス作品ですが、切ない青春ものといった物語で雰囲気がとても好きです。
医大生の青春群像劇。
主人公の李家は血を見ると卒倒するくせに外科を志望しています。それには若干邪な下心があったりして…
医者一家の次男でボンボン育ちの李家には、入学式以来親しくしている戸川という友人がいます。バイト三昧なのに成績優秀な奨学生の戸川とは背負うものが正反対ゆえに、李家は自分にないものを持っている彼に憧れていました。
李家は五島という外科講師に憧れ以上の好意を寄せていて、血が苦手なのに外科を目指すのは五島に近づきたかったから。個人的に五島から呼び出されて浮かれていた李家でしたが、戸川も五島に呼び出されていてガックリ。実は戸川が五島のことを狙っていると聞かされます…。
二十歳になるかならないくらいの医学生たちが学業や合コンに勤しむ中、主人公が進路や恋愛に悩みながら成長していくストーリーですが、苦学生の戸川がバイタリティに溢れる頼れる男で、珍しく?(自分には)魅力的でした。ちょっと意地悪だけれど、作者様の歴代の攻め像からすると随分と素直かもしれない笑
戸川も自分にないものを李家に見出しているとわかるシーンに、あ、作者様はやっぱり裏切らないなと嬉しくなります。
金ひかる先生のイラスト効果もあるのかもしれないけれど、ラストの余韻が爽やかで清々しい。こういった大学生ものならいくらでも読みたいなぁと思ってしまいます。
雀影
セルフつっこみ
勁い=つよい、赦す=ゆるす、毀す=こわす、訊く=きく
他にもいろいろ。
ふりがな無しでは読めないような単語がいっぱい。
特に「勁い=つよい」が目に付くなぁ。
それだけ。