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ooinaru isan
かねてから思っていたんですが古のBLには『ジイサンもの』というジャンルがある様な気がするのですよね。
『オヤジ』ではないのです。あくまでも『ジイサン』。
そう言えば、今の時代って素敵なお爺様がいなくなりましたねぇ……70過ぎてもお若い方が多い。『枯れた魅力』という言葉が死語になりつつあります。ジジイ萌えがある私としては受難の時代なのですよ。
で、このお話はそんな私のツボを付いた、実に見事な『ジイサンもの』!
思い起こしてみれば、剛さんの書く枯れた男性は実に魅力的でした。
『座布団』や『花扇』で要の目を通して書かれるのは初助師匠だった様に、このお話でも本当の主役は安寿の祖父である様な気がします。
で、これが実にカッコいいんだな。痺れましたよ。
お話自体はとても軽いコメディです。
上記『あらすじ』に付け加えれば、
・主人公の安寿は『枕が変わると寝付けない』『日が変わったのに着替えないなんてとんでもない』『乗り物酔いする』『食べなれないものを食べるとお腹を壊す』『爬虫類や虫が苦手』という箱入りの御曹司。気位が高くなかなか素直になれない所もありますが、本質的には良い子です。
・安寿の恋人、一成はそれと真逆。冒険家と言っても良いほどのバックパッカー気質で「ロマンチックって何?それ、食べられるの?」と本気で言いそうな大学助教授。亡くなった安寿の祖父とは馬が合い、可愛がられていました。
・安寿と一成は大学で知り合いお互いのことがとても好きですが、生活や性格が全く違うため小競り合いを繰り返しています。
・2人が付き合っていることは内緒です。周りは友人関係だと思っています。
そんな2人が安寿の王位継承のためヴェリホリに旅立ちますが、行程途中のサンザ王国までたどり着くとそこは男性同士の恋愛が推奨される場所で、それぞれが王族から猛烈なアプローチを受けてしまって……さあどうする?
へらへら読んでいたら、最後の最後で泣かされました。
ジイサン好きには堪らない一冊です。
2003年刊。
亡き祖父の遺言で託されたアジアの島国は、あちこちでうら若く美しい男性同士で恋愛を謳歌して云々…
といったあらすじに興味をそそられた。
いざ読んでみると17年前の小説ながらも古い新しいにとらわれる事なく楽しめた。
正確には男性同士がイチャコラしている国ってのは主人公・アンジュ(安寿/やすひさ)が引き継ぐヴェルホリ王国ではなく、その国に向かう途中のトラブルで数日間立ち寄る形になった隣国・サンザ王国だった訳だが。
さっそくアンジュはサンザ王国の国王に、同伴者の恋人・イッセー(一成/かずなり)はヒッチハイクで知り合ったシェリと第一皇太子に熱心に口説かれている。
だがイッセーもアンジュも揺るぎない貞操観念の持ち主で誘惑に負けて他の相手によろめくって事にはならない。
いや、本音を言うとサンザ側の彼らが今後もどれだけ粘り続けるだろうかと想像すると楽しくて仕方がないのだが。
特にサンザ国王は、アンジュがヴェルホリ国王の座を継承した後も足繁く訪問する様子だし(笑)
話の大筋である男男恋愛パラダイスなサンザ王国のお国柄には「ウホッ!!(*‘∀‘)」っと楽しませてもらったが、それ以上の手応えがあったのは収穫だった。
アンジュは本気でヴェルホリ王国を継承して守っていくべきものを肌で感じとっているようだし、数日間のサンザ滞在を通して王制について考えたりしている。
何よりもデリケートで潔癖症だったのが少しは逞しくなったなったかな?
イッセーとのベッドシーンも即物的な快楽にがっつくのではなく、身も心も同化して愛し合う為だって趣旨が強調されていたのにグッときた。
それからこの話の鍵となる祖父の遺産の真意を知ると、つくづくアンジュは彼に一番愛されて慈しみを受けていたのだね。
イッセーとの関係も公認のうえで、実に奥深い遺産を遺したじいちゃんの偉大さが伺える。
様々な事業を興しては成功を治めていた祖父が亡くなり、孫である安寿に残された遺産というのが、アジアの小国・ヴェリホリの王位継承権。
訝しみながらも、恋人でアジア民俗学の研究をしている一成と共にヴェリホリへ向かう途中、中継地点でのスーツケース積み忘れにあい、隣国のサンザ王国で数日の滞在を余儀なくされることに。
ホテルで、次期ヴェリホリ国王であることを告げたことにより、サンザ王国の迎賓館へ逗留することになったのだが、どうも同性からの視線が熱いのはナゼ?
アジアンリゾートを舞台にしたお話です。
男性8人に対して、女性が1人しかいないという人口比率のせいで、同性愛が国策として推奨されているサンザ王国。
年上の素敵なカレシを作るのがステータスだというのだから、BL読みには堪らない設定です!
男は、老いも若きも南国特有の甘~い美男子ばかり≧o≦
安寿は国王に、一成は皇太子と舞踊団候補生のシェリに口説かれてしまいます。
さて、そもそも何故、こんなある意味アブナイ場所に、祖父が安寿にこのような遺産を残したのか?
そこには、祖父の安寿と一成 2人の行く末に対する配慮があったからなのですが、そこの件には思わず涙が…(p_-)
全体的に軽いタッチで、明るく楽しく読めました。
脳内プチヴァカンスには、ピッタリです^^v
いろいろトンデモ設定なんですが、おもしろく読んでしまいました。剛さんならでは、という感じもします。こういう突き抜けた展開を、ちゃんと読ませてしまうのも剛さんならでは。
イラストも、お話に合ってました。
世話焼き攻め×現代人お坊ちゃま受けです。
遺産相続に向かう途中に、隣国が男同士の恋愛を推奨中の国で、思いっきりそれに巻き込まれる二人です。
アジア関係の助教授・楠一成 マイペース世話焼き攻め×ヴェリホリの王様で常務・岩清水安寿(26)お坊ちゃま受け
可愛がってくれていた祖父が亡くなって、安寿に残された遺産は読めない書類だけ。
仕方なく恋人の一成に会いに行って解読を頼むと、安寿が王として後継者に任命されたと言う。
戴冠式に間に合うように行かないと相続を放棄する事になると言われて、一成を連れて旅立つ事に。
兄弟国ザンザ王国に着くと、安寿が国王からアプローチされたり、一成は一成で王の息子等にまとわりつかれて。
大学生の頃からの仲で、互いに浮気はしないと誓いあって、その通りにいままで来たものの、どうしても安寿は世間体が気になってしまう。
飛行機酔いはするし、シルクのパジャマでないとダメとか、軟弱なお坊ちゃまだなとは思いながらも、お坊ちゃまならではの素直さや純粋さが好ましくて、さりげなくお世話してしまう。
一成のデリカシーの無さを嘆きながらも、安寿も一成じゃないとダメで、この二人の関係性に萌えました。
大人で優しい国王に口説かれて少しだけ流されそうになっても、一成じゃないので揺るがない。
その事を、女性が少ないので男同士の恋愛が推奨されている国に来た事で、ようやく自覚します。
思いっきり、周囲の恋愛人間模様に振りまわされる二人が可笑しかったです。
祖父の遺産が粋で、安寿への愛情に感心しました。
エロ:★3 攻めも召し使いの快感マッサージでイかされるのが珍しかったです。普通
総合:★3 肝心のヴェリホリでの様子やその後を、もう少し見たかったです。