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haruyama no koi
発売当時も切ない話だなと思いましたが、最近たまたま手に取り読み返すと何とも切ない、紫乃が切なくそのいじらしさに涙が出ました。
少し気を許すと傷つけられ、信じれば裏切られ、飼い犬にも先立たれたり、本当に涙を誘うのがうまい話でした。
紫乃の絶望や悲壮が丁寧に書かれ、これでもかこれでもかと少し浮上すれば落とされ、また少し浮上すると落としにかかる。なんともいい意味で弄ばれた一冊になりました。
最後は幸せになって、今後も幸せであろうと思わせる終わりでよかったです。
モフモフシリーズにすっかり魅せられた六青先生のデビュー作。
可哀想な受け……切なさ……を始め、六青先生らしい個性は
この頃からはっきりしていたのだと実感。
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時代物のファンタジー。日本の中世?
祖父を亡くして以来、人里離れた山奥でたった1人で生きる少年・紫乃。
彼はある日、陥れられて領地を追われた瀕死の若き領主・貴哉を助ける。
献身的な看病の甲斐あって一命を取り留めた貴哉だが、
全身に痣のある紫乃を酷い言葉でののしり……
生まれながらの若様として高慢に生きてきた貴哉が
紫乃と暮す中で少しずつ変化をしていくように、
紫乃もまた、未だかつてしらなかった人との触れ合いの中で
変わって行く。
想いを通じあった二人だが、貴哉には迎えが訪れる。
残された紫乃は信じて待つやがて、
純粋に生きて来た彼は、恋しいが故の醜い気持ちを頂くようになり
彼の身体には更なる変化が……
他の六青作品でもあったのだが、前半のキュンキュンする心地から
一転後半ドロドロ、でも最後はハッピーエンドで、結構濃厚H。
個人的には前半の山の自然の中での瑞々しい感じが好き。
自給自足で暮す様は、モフモフ4冊目の前半に通じる楽しさだった。
彼の痣が何故できたのか、そして最後はどうなるのか?
このあたりは、まぁ、ファンタジーです。
人里離れた山の中で、老犬と暮らす孤独な少年・紫乃。
崖から落ちて重症を負った青年・貴哉を助けた事で、孤独を癒します。
紫乃の顔や体には不気味な痣があり、それが原因で人里から離れて暮らしていますが、本当の理由はもっと奥深いところにあります。
貴哉から「化け物」と罵られて傷ついても、紫乃は決して看病を止めず献身的に尽くします。
若き領主だった貴哉は、身内の裏切りにより虚偽の罪に追われる立場となった事で、なかなか人を信じることができず、紫乃にきつく当たるのですが…。
ひどい罵声もただひたすら耐える紫乃、ひどい仕打ちをするたびに罪悪感から心を開く貴哉、閉ざされた山中で二人はやがて気持ちと体を繋げ、一生ともに過ごすと誓うのですが…、突然貴哉に迎えが現れ、「1年後に迎えに来る」という約束をして、紫乃を残し貴哉は山を降ります。
しかし約束の年に貴哉は来ず、だんだんと心荒ませていく紫乃。
そして心の荒みは痣をどんどん侵食させて、紫乃の命を縮めます。
ラストは見事なハッピーエンドですので、今までのやるせなさはスカッと一掃されます。
商業誌デビュー作だけに、すこし硬い文章に読みづらいところは拭えません。
しかも時代物…、文章だけでなく、使われる台詞や道具の名称など、妥協ナシの本格的な用語が使われていますので、慣れていない方にはツライかも…。
受がなかなか幸せになれない境遇が可愛そうで、それだけに読み終わった後の爽快感はたまりません。
時代物がお好きな方にオススメしたい1冊です。
その生い立ちのために人里離れた山奥で祖父と暮らさなければならなかった少年時代。
そしてその祖父が死んだあとは老犬のシロと二人きり。
どれだけ淋しくて辛いだろう……と思っても、紫乃はその暮らししか知らないから淋しいとも思わない。
けれどそこに突然現れた異界の人間にも等しい存在貴哉。
最初は化け物扱いで酷い扱いだったのに、それでも紫乃はひたすら貴哉に尽くす。
それが人恋しさだと思えばとても切ない。
やがて心が通じて幸せな暮らしになっても、紫乃はちゃんと貴哉が居なくなることを予感していた。
それなのに貴哉の方から「ずっと一緒にいる」と言いだして安心した途端に貴哉の家来が迎えに来る。
まぁ世の中そんなものだとは思いますが、考えてみれば貴哉って酷い男なんだよね。
ラストはハッピーエンドにはなるけれど、いいところの苦労知らずのお坊ちゃんでしかない。
そりゃ家臣の裏切りに傷ついていたかも知れないけど、お坊ちゃん特有の悪気のない悪気はとことん紫乃を傷つけてもうちょっとで死ぬとこだった!!(怒)
でも作者さんの上手なところはとことん落としてハッピーエンドに持って行くところなんだろうなぁと思いつつ。
幸せな紫乃のその後も読んでみたいのでした。
時代は室町時代の後半、戦国大名が現れる少し前くらいでしょうか。
醜い痣があるシノは山奥で老犬シロと共に暮らしていました。
そんなある日、傷ついた武者を見つけます。
シノは、彼を助け看病をするのですが、痣を目にした武者にバケモノと言われてしまいます。
それでも献身的な看病を続ける紫乃に、武者・貴哉も自身の言動を反省し改め、紫乃から純粋な好意を向けられて次第に惹かれていきます。
日々を重ねるうち互いに愛し合い、貴哉も過去を忘れて紫乃と共に山で暮らしていくと決めるのですが・・・・・・という話です。
細かい所まで作品世界がしっかり作られています。
なので、紫乃が貴哉を好きになるキッカケが一目惚れというのが、少し安直な気がして残念でした。一目惚れに理由もあるのですが・・・それもで少し引っかかりました。
逆に感心したのが、紫乃が貴哉と共に里に下りて一緒に暮らすところまで書かれていることです。
「幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」で纏められそうな部分ですが、そう簡単に互いの生きてきた世界の違いは超えられない、人にはその人に相応しい生き場所がある、という現実が突きつけられて二人がすれ違う部分は良かったです。
ハッピーエンドの先のハッピーエンドまで読ませていただいて、そこは大満足です。
最近になって六青さんを知り、作品をいろいろ読んでいます。
こちらがデビュー作ということで・・・なるほど、と思いました。
切なさも、すれ違いも、体格差も、六青さんらしいのですが、そこまで強くないというか、癖が無いというか。BL作品として、読みやすい範囲で収まっているという印象を受けました。
他の六青さんの作品を読んでしまっていると、何だか物足りないような気がします。
が、この本から六青作品を知る分には、読みやすくていいのではないかと思いました。
かなり江戸時代の日本に近い印象の時代劇ファンタジーです。
前半は貴哉がまさに傲岸不遜という感じで少々腹立たしく思いながら読んでいましたが、彼の態度とともに紫乃との関係も変化していき、紫乃が報われたようでホッとしました。しかし、その後、二転三転…。紫乃の哀しい運命と相まって切なかったです。
貴哉の立場を考えれば約束を守れない事情があるんだろうな、と普通なら思うところを、紫乃はそう思わない(思えない)んですよね。それがまた切ない。孤独に生きてきた紫乃がどれほど貴哉に心を委ねてしまったのかが分かって胸が詰まりました。
後半がかなり駆け足でもうちょっと余韻を楽しみたかった気がするので評価は「萌」です。
初読み作家さんです。
身体に醜い痣を持つ少年・紫乃は犬と人目を忍んで山で暮らしていた。
ある日山で傷だらけで倒れている青年・貴哉を発見し、家に連れて帰って献身的な看病をする。
祖父が亡くなって以来、犬と暮らしてきたから人と話せるのが嬉しい紫乃だけど、紫乃の痣を見た貴哉に化け物と言われて傷ついてもなお貴哉の世話をする。
酷い言葉を浴びせられても自分を気遣う紫乃が気になる貴哉。
貴哉を自分の寝床を使わせ、自分は離れて犬と床で寝る。
とにかく紫乃が健気です。こんな健気な受け久々に見たかも。
それだけに序盤の貴哉にはあまり好感が持てなかったけど、
結ばれてからは障害もあったけど大事にしていたしハッピーエンドで終わって良かったです。
基本的には、今まで読んだ、みつみ作品ってまぁこういう要素
多いよなぁ。。と、思える作品だったのですが、
いかんせん受が女の子っぽく、、、一目ぼれにせよなんにせよ
設定がご都合的に見えてしまいました。
こればかりは好みの問題かなぁな雑感。
申し訳ないが、ん~・・・な感想でした。
先天性の痣を身体にもつ受。この痣のせいで、昔からいいめにあったことはない。
ずっと一緒にいてくれた爺さんを亡くし、犬と二人暮らし。
しかし、誰もいない山は孤独であり、同じ人間とのふれあいに飢えていたところに
攻がやってくるというお話。
人恋しく、気持ちがたかぶるのはわかるが、股間も高ぶるってどーなのよとか。
後半の攻の言葉のチョイスとか。
ほかの作品でもありましたが、切り替えが早すぎて
「わかってくれ」といわれても、読み手としても「いやいやいやいや」と思ってしまう場面も多々でした。ツッコミどころが多すぎてどーしようかと。。
紆余曲折あってのハッピーエンド。
つながりという部分で、気持ちの変化や、状況含めあればよかったのかなと
思ってしまいました。デビュー作ならしかたない。と思うべきか否か