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ouchou romance
作家さんの新作発表
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シリーズ4冊目は完結巻となっているけれど、なにやら続きがありそうな終わり方になっている。そして、文庫の厚みはボリュームタップリの物凄い頁数になっている割に、前巻より面白さが劣っているような気が……。
さて、今回は千寿を狙う隠謀と業平様を狙う隠謀の合計2つの隠謀が企てられます。
一つ目は、千寿が老親王の企てによって破戒僧・拓尊の呪詛で命の危機に瀕する話。
呪詛から千寿を救うため南都へ駆けた諸兄と業平は、拓尊を捕り逃がしてしまうが、呪詛祓いをする慈円阿闍梨様の元に現れて殺されます。千寿を救うことができて安堵した諸兄は涙、涙。
二つ目は、業平に懸想し続けている春日の命婦の企てによって業平が伊勢の斎宮で窮地に陥る話。
業平を無二の友と思っている諸兄が大奮闘。開き直ってやけくそになっている業平の頬を打ち叱責したのにはビックリ。諸兄の業平に対する情の深さが垣間見えた。
諸兄は人前で3度も涙を流し(千寿のために1度、業平のために2度:うち1度は帝の御前で!)純情純粋で情の深い人柄であったことを再認識した。
一番印象的で好きなのは、諸兄が業平の千寿に対する想いを初めて知るシーン。業平の想いがとても切ないし、諸兄は諸兄で、千寿を譲る気はないけれど自分がもしもの時には千寿を宜しく頼むと業平に告げる遣り取りにはジンときた。真摯で篤い男同士の友情って凄く良い。
それから、諸兄が父母に家督を継がないと堂々宣言したのには驚いたけれど、以前から心は決まっていたんだもんね。
そして、業平の方は千寿への想いより諸兄との友情を選んでいるから、千寿と似た面立ちの美男・国経とムムムな感じになっている…!(自分は、諸兄×千寿よりも、この2人の恋路の方が気になる。)
また、怪しげな噂のある小野篁参議の人物像への謎は深まるばかりで、彼が面倒見ている霊眼もちの鬼子・瑠璃王と延珠は可愛い。