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koi no tatujin
作家さんの新作発表
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松浦(受け)と古城(攻め)で、交互に目線が入れ替わって、話は進みます。目線が変わっても、時間は進んでいくので、二重に読まされはしません。
表紙の松浦が穏やかで上品な風貌なので、本文の口調にちょっと違和感を覚えてしまいましたが、30代男性ならそんなものですよね、うん。
松浦は宝華歌劇団の大ファン。恋をして、相手の女性を射止めるまでは、男装の麗人の真似でできるものの、セックスは苦手。自分の恋より周囲の幸せの方が楽しい。それで職場で恋愛相談を受けているうちに「恋の達人」と噂されてしまう。
そんな彼の前に、転職してきた新人・古城が現われる。古城はゲイで、松浦に一目ぼれ。松浦を射止めたいとあがくうちに、遂に抑えきれずに強引に抱いてしまう。
松浦は戸惑っているうちに、古城に同居を許してしまい、身体の関係も続けることに。これではいかん!と一念発起して、母親の薦める見合いにかこつけて、古城と離別をしようとするのですが。
見合いの席までしぶとく追いかけてきた古城に、松浦は今まで隠していた、宝華歌劇団ファンであることと恋人はいないことを告げます。
そして古城がとった策により、松浦は降参。両思いになります。
見事でした。
二人の悩みも自己中心的なものでなく、理解できるもので、独りよがりな独白でなくイラつきませんでした。
企画部という仕事を、両思いになるスパイスにも繋げていますし、取引先にライバルっぽい相手も登場して、無駄がありません。
サブキャラに兼田という女性の部下が登場するのですが、最初は恋の悩み相談をするというので、古城と比較するための、大人しくて女っぽいキャラだと思っていたのですが、実は、押しと行動力がありバリバリ仕事する女性で、松浦や古城より男らしいんじゃないかと思うくらいで、好感がもてました。
題名も秀逸でした。どういう意味でつけたのか?と疑問に思う表題が多い中、最後のオチまで見事でした。
仕事もちゃんとしますし、リーマン好きにはオススメです。
もっと評価されても良いと思うのですが、2003年発行なので、今の若い子には松浦と古城の口調とか、古臭く思えちゃうのかな(笑)
イラストを描かれたみささぎ楓季さんのあとがきも面白かったです。