お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
うえださんの作品をさいきん集中的に読んでいるのですが、良い作品が多いなーと思います。
この「フラワーチルドレン」もアイスノベルス(いつか新装版でたらいいのに)
今回の主役は自意識過剰の傲慢男×純情年下青年。
傲慢男の智久が、しっかりと自覚を持ちながら晶を手玉にとって遊ぼうとしているので、かなりムカついたのですが、少しずつ本当に引かれているのが丁寧に描かれていてよかった。
それに多くの作品では、傲慢男が受に本気になって、イイ人になる・・っていうパターンだと思うのですが、なかなかこの智久は改心しません!
嫉妬心からだけと、晶を傷つけたり、自尊心を守るために別れようとしたり。
最後には、晶に対してだけは誠実に、そして晶のためだけにもっと出世してやろうという野心を持つのが良かった。
たぶん会社では嫌な奴のままなんだろうなーでもそこがかわいいというか。
古い作品ですがとても面白かったです。オススメ!
私、ひたすらピュアで優しい可愛い子ちゃん受けってあんまり好きじゃないんですが、この小説に登場した受けは妙に好きでした。へんな嫉妬がなく、ひたすら包容力のある優しい受けに、癒されました。
主人公はエリートサラリーマン(攻め)。イケメンで、仕事ができて、自分に自信があって、常に複数の男女と身体の関係を結んでいる、ちょっとイヤミな男です。
そんな彼は、通勤電車のなかで、花屋をしてる受けと出会います。
攻めは受けに近づき、計算づくで仲良くなり、一過性の関係のつもりで付き合いはじめます。
公私ともに順風満帆な生活をしていた矢先、主人公をどん底に突き落とす事件が起きる――。
失意の攻めを癒したのは、受けの優しさです。
受けに癒された攻めは、そんな自分の心の弱さに余計にショックを受ける。別れようとまで思うんだけど、手放せない。今まで「自分の手の中の小鳥」に過ぎないと思ってた受けが、実はお釈迦様の手を持ってることに気づいてしまう。
それまでカッコいい部分しか見せてなかった攻めは、受けにカッコ悪い自分を見せたくなくて。プライドのせいでさらけ出せなくて。でも受けを手放したくなくて。
このあたりの葛藤は、ニヤニヤしながら萌えました。自信過剰男がへこむ姿って、なんでこんなに萌えるのかしらw
面白かったです。
驕り高ぶった男の初めての挫折に、打ちのめされる主人公・智久。
今まで順風満帆な人生を送ってきただけに、
打たれ弱い彼は精神的にボロボロに。
落ち目の人間に関わる人は少なく、皆が去っていく中で、
ただひとり智久の傍らに寄り添い、変わらぬ愛情を注いだのが晶でした。
当初は田舎育ちの純朴な晶が物珍しく、遊びで手を出した智久も、
晶の真摯な愛情に触れて次第に彼に本気になって行きますが。
しかし晶の前ではカッコをつけていたいというプライドから、
弱い自分を見せられず、素直になれない智久は、心ない言葉や態度で晶を傷つけます。
この辺りの諍いは、どちらの気持ちも何となく共感できるので、切なくて辛いです。
ふっと思ったのですが、攻めの智久はツンデレ気質があるような気がします(笑)
晶も性格が良すぎると思うこともありましたが。
泣かされても傷つけられても、智久を思う姿は健気のひとことです。
この晶の愛情に応えない男はバカだと思います。
そして智久はそこまでバカではありませんでした。
自分の為だけに生きてきた智久が、初めて他人(晶)を意識し、
人間的に成長します。仕事の失敗は仕事で返すという考え方も、
男らしくて素敵ですし、それを実行できる力がある智久は、
やっぱりイイ男だと思います。
人を人とも思わない傲慢男が愛を知って成長する展開は王道ですが、
男のプライドへの滑稽なほどのこだわりがリアルに描かれていたので、
大変面白く読めました。
商社に勤めるエリートサラリーマン智久は、毎朝、通勤電車で見かける年齢も職業も不明な青年に興味を持っていたが、ある日、会社近くの花屋で働く彼(晶)と偶然にも知り合いになる。
純粋な晶に惹かれ、二人は自然に付き合うようになるが、自信と野心にあふれた智久は、職場で窮地に陥ってしまい―。
攻め様(智久)視点で、お話が進みますが、なんだかいけすかないタイプだな~という印象を受けました(笑)
仕事が出来て、見た目もイイ男で、人生挫折知らずなため、とにかく考え方が傲慢なのです。
恋愛相手は、女性は遊びなれているタイプ、男性ならば初心なタイプを好み、上手に遊んで、飽きたら捨てればいいという考え方に、「性格わるっ。こんな男、私だったら絶対ごめんだわー(笑)」と思ってしまった…。
そんな智久が、人生初の挫折を味わい、人を見下してきた自分を振り返り、そして、自分には無いものを持っている晶に惹かれている自分を自覚します。
ちょっぴり頼りない印象だった晶が見せた芯の強さと優しさは、素敵だと思いました。
同時収録作品の『秋咲きのクロッカス』は、転勤を余儀なくされた智久と晶が遠距離恋愛になってしまうお話。
弱っている時に会いたいのは晶だけれど、弱っている自分は見せたくない、いつもリードする立場にいたいという智久のプライドの高さとかジレンマが、うまく描かれていたと思います。
晶に堂々と会えるように、そして優しくしてあげられるようにと、仕事に打ち込み、転勤先の職場でしっかりと成果をあげた智久は、人としても成長したと思いますし、イイ男になったなぁ…と思いました。
蓮川先生の挿絵は、綺麗でうっとりしてしまいます。