ただでさえ臆病な彼ら

tadadesae okubyou na karera

ただでさえ臆病な彼ら
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
桜桃書房
レーベル
Eclips romance
発売日
価格
¥854(税抜)  
ISBN
9784756709073

あらすじ

東慶大学付属川崎高校の夏目真人は部員の誰からも慕われる陸上部のアイドル的存在。
とりわけ真人を慕う村野武彦にとっては先輩後輩といった垣根を越えた恋の対象だった。
やがて真人を巡るトラブルから、少しずつ二人の恋が始まってゆく。
菅野彰がおくる青春ピュアストーリー。

表題作ただでさえ臆病な彼ら

東慶大学付属川崎高校、陸上部
慶大学付属川崎高校、陸上部のアイドル

レビュー投稿数1

初期作品

高校陸上部の青春もの。

一応、BLしてます。スルスル読める今どきのBL作品に比べると、ちょっと独特な文体です。

村野(攻め)視点で進む前半は、ほぼ青春群像劇。

メインカプは陸上特待生1年の村野と、部長で2年の夏目。夏目は下級生からも「まこちゃん」と呼ばれるほど親しまれている人気者でした。しかし、夏目が1年の合宿時に巻き込まれた暴力沙汰が良からぬ噂を生み始めた頃、夏目を慕う後輩・柏木がなにかと問題を起こします。

夏目が当事者となった暴力事件には、初代特待生で留年中の八代先輩や、夏目が当時付き合っていた彼女が関係していたために、波風をたてないようにと事件の顛末を伏せ続けていたのが仇となったようで…、

柏木は、村野が特別に夏目から可愛がられていると嫉妬して、ケンカ。

さらに、夏目のことを悪く言うテニス部連中をぶちのめすためにと、ケンカ。

先輩思いの熱い柏木に振り回されて、夏目も噂の真相を告白せざるをえなくなります。

肝心のラブはというと、序盤から村野が夏目に淡い憧れを抱いているのは明らかなのだけれど、ガッツリ異性愛者の夏目と真性のゲイらしい村野に恋が成立するのか、全く見通しが立たないんですよね。

みんなに優しい夏目が村野とよくつるんでいたのは、彼が村野の姉・文子に片思いしていたから、という理由もありまして。で、なんと文子は夏目よりも10歳年上の元女子プロレスラー。このくだりを読んだ時の???は今でも同じで、ここは笑うところなのか未だに感情の処理ができてません笑

しかも、夏目が付き合っていた元カノが村野の従姉妹だったあかつきには、こりゃ望み薄では…と諦めモードだったところへ、夏目が村野にまさかの「慰めて」宣言。まぁ、その一件には夏目と元カノとの再会が前段にあって、お酒が入っていたりなど諸々の事情があった末の展開で、途中夏目は冗談だと本気で抵抗するんですけど…

夏目が初めて村野だけに見せた弱味。いつも明るくて頼りがいのある夏目は、周囲からの過大評価に重圧を感じていました。本当は劣等感のかたまりで、情けない自分の受け皿を密かに求めていて…(だから文子のような強い女性に惹かれたのだと、、)

10代らしい虚勢や挫折、正義感などにしょっぱい思いをさせられながらも、仲間や友人や先輩後輩との間で精一杯、各々の思いをぶつけたり隠したりする彼らの姿が痛いような、懐かしいような。

メインカプの他に気になる二人組(八代と越智)がいて、この二人も何かあるな〜と思っていたところ、あとがきにこの二人のことも本編に組み込みたかったが入らなかったので、別口でいつか書きたいとあって納得しました。が、実現したのかはわかりません。(情報求む!)

金ひかる先生のDKイラストがたくさん入っていて、令和の今からすると大変ノスタルジックな気分が味わえます。

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