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kioku ni nai koi
SFのBLは得意な方ではないと思うのですがタイトルから記憶喪失ものかな?と勝手に思い、記憶喪失BLが読みたかったので購入しました。
未来から来ている人間が過去の人間に恋するのはやっぱり禁忌ですよね……。便利なタイムマシンや未来の世界の設定が面白かったです。
好きになるきっかけが私には分かりにくかったような、攻めの性格に一貫性がないような気がしなくもなかったんですけど少し切なくて良いお話でした。
ネタバレを避けようとすると何も言えないのですが、特に受けのラストのセリフがぐっときました。とても好きな終わり方です。
電子書籍で読了。挿絵有り。
えっと……ネタバレを読んでから本編を読むと、驚きや感動が若干目減りするお話の様に思えます。なので、出来るだけ本筋に触れずに感想のみ書きます。
攻めの土方の過去を初めとして、はられた伏線はたいへんお上手。「流石、ベテラン作家の鳩村さん」と思います。また、嫌な奴が出てこないので、読んでいて気持ちが良い。
なのに、設定が好き合っている二人を別れざるを得ない状況に追い込んでしまうのですね。タイムトラベルものの名作『時かけ』と同じ切なさがあり、うるうる来ます。
あ、でもあちらと違って、バッドエンドが苦手な方でも手にとって大丈夫です。
バッドエンドを避ける方法を「よし」とするか「いやー、バタフライ効果の話からそれはちょっとまずいんでないの?」と感じるかは、人によって別れるんじゃないかな?昔々、ちょっとだけSF読みだった私は、残念ながら後者だったのね。鳩村さんの筆は冴えていると思うのですが、評価がちょっとだけ低いのはその所為です。
でも、お話自体は大変面白く、中だるみもせずに一気読みいたしました。(途中で出てくる『未来の疑似SEX』アイテムも「なーるほど」と、面白かったし)
「きゅん」としたい時だとか、パートナーとの関係について深く考え込んじゃった時(やたら具体的でごめんなさい。その手のエピソードが満載なんですもの)に、とてもとても良く効くお話だと思います。
鳩村衣杏先生の異色SF作品だと言えるのではないでしょうか。
あらすじから、ドジっ子の未来人が出てくるほのぼの系かと思い込んでいましたが、かなりシリアスで切ない物語でした。
以下、ネタバレです。
「ターミネーター」のような展開で、未来に起こる事件を阻止するために過去を変えに来る未来人が出てくる設定。
そして、そうなると未来人と現代人の許されざる恋、となるのは必然。
その枠の中でどんなドラマチックな?と思いきや、正直未来の改変の糸口が一介の浮気事案、しかも既に2回失敗してるってのはちょっとスケールがこじんまりかなぁ?
と思っていたら。
実は冒頭部分をサラリと読み流してしまっていたのですが、終盤収平とクニオの辿る別れへの運命を読んでいてハタと冒頭プロローグを思い出し…
一気に切なさが襲いかかってきた…!
500年先の世界から来たクニオの、必然かつ永遠の別れか自分という人格の消滅かという究極の選択。自らの意志で選んだのは再会の可能性。
そしてそのクニオの選択は成就した!決して身代わりではなく、決して追憶ではなく収平と久仁緒のこれからの未来へ…
切ないタイムトラベルものですが、タイトルの意味は読み終えると分かります。
内容ですが、興信所勤務の土方が、依頼されて見つけた行方不明者・久仁緒。二人が顔を会わせる所からお話は始まります。
最初は謎だらけで、久仁緒の捜索を依頼したある人物とは誰なのか-。また、久仁緒に瓜二つの「クニオ」とはー?そして何故、初対面の久仁緒に対して土方が愛おしげな感情を向けるのか-。
その後、本編は2年前に遡り、二人の物語が語られるといった所です。
お話自体は進むに連れ少しずつタネ明かしがされ、並行してそこにクニオの独白が合間合間に入ります。最初は意味が良く分からない推理サスペンスの要素が大きいのですが、進むに連れこれが切なくなってきます。あらすじにもある通り、クニオは未来からやって来た工作員の設定ですが、エリートでは無く孤児の為、使い捨ての人間。そして独白の内容を追って行くと、最後の任務である収平の「記憶の消去」までしないと、クニオはヤバイ事になるんじゃないの・・・?と嫌な予感しかしない。
そんな明らかに切ない展開を予感させつつストーリーは進み、予想通りの展開がやって来ます。分かっちゃいるのに、泣けてしまう(´;ω;`)
時系列的には、ここから冒頭のシーンにとび、エピローグで再び現在の二人。予想はつくのに、ここでまた感動してしまう。゚(゚´ω`゚)゚。
辛い秘密を抱えながらも健気に振る舞うクニオ、「クニオ」を探し続けた一途な収平。なんとも切ない気持ちにさせられたものの、希望に満ちたラストです。
未来から来た工作員に過去改変と突飛に思える設定ですが、根底にあるのは切ない純愛でした。