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あの日、俺は間違えた――。
sayonara period
大人の恋愛でした。
心情の描写が多くて、物語が進まなく、読み進めるのは苦痛でしたが、
久しぶりに受も攻も悩んで悩んで結論を出す、いい小説を読んだ。
これが、BL小説の醍醐味だと思う。
電子書籍で読了。挿絵有り。
初読み作家さんです。あまりにも雰囲気の良い表紙イラストだったので『ジャケ買い』をしました。モノクロイラストも美しいしお話を盛り上げるのに強力な援護射撃をしていると思います。
35歳のクリスマス直前に翔太は彼女に振られてしまうのですが、独り身になった寂しさは感じても、彼女自体に固執していない自分に気づきます。ただ一人に夢中になれずお手軽な恋ばかりして来たことに虚しさを感じながら、思い出すのは学生時代からの友人であった多田のこと。酔っぱらって体をつなげてしまった翌朝、言い訳の様に「男同士なんてあり得ない」と言ったら「こんなのオナニーとかわらん」と言い返され、その後何度かそういう関係を続けた後、多田は結婚し転勤をしてしまいます。友人代表として祝辞を述べ、祝福したけれど、本当にそれで良かったのか、翔太は心にひっかかりを抱えています。本当の恋をするためには、このもやもやした気持ちにピリオドを打たなければならないのではないかと考え、衝動的に多田の住む名古屋まで尋ねて行くのですが……
こういうモダモダするお話、好きです。
よくある話と言ってしまえば、それはそうなんですけれど、相手を思いやるふりをしながら、その実、自分の本心を隠し続けようとするのは臆病さから来ていることに気づき、そこから一歩踏み出そうとするのだけれど、相手の反応によって、せっかくの勇気が萎えてしまい、またモダモダする。でも、このままじゃダメだとまた気持ちを奮い起こす。そんな翔太の気持ちの曲折が伝わって来てグッと来ました。思わず「頑張れ」って言っちゃう様な感じでした。
ちょっとだけ残念だったのは、お話の冒頭で翔太の『軽さ』が書かれているのですが、その部分が少し長くて、ジレジレしてしまったこと。
また、途中から多田視点に切り替わった所為で、ネタバレしちゃって緊張感が減ったというか、翔太にはあくまでも予想であって『結果が分からないことに行動をしかけるのは怖い』はずなのだけれど、その怖さを超えて必死になる感じが薄れちゃった様に思えたこと。個人的な好みですが、翔太だけの視点だった方がラストのカタルシスは大きくなったんじゃないかと。
あ、誤解されるといけません。面白かったです。
作者の次回作も読んでみようと思っています。
クリスマス直前に彼女と別れ、昔バイト先が一緒だった多田のことを思い出して、どうしても会いたくなってしまう。
そして、多田夫妻が住む部屋で一夜を明かし、朝になったら、多田が離婚していることが発覚する。
お互いバイトをしていた頃にすでにヤってはいたものの、「オナニーと変わらん」など、そっけない態度をとっていた多田だが、結局はお互いがお互いを求めていたにも関わらず、その気持ちが、片思いだと思い込んでしまい、一緒にいたいけど、嫌われたくない、といった描写がとっても綺麗に描かれていて、とても胸が「きゅーー」っとなりましたw
また、名古屋と東京という微妙な距離もネックになっていて、とても、苦しいけれど、心の気づかないどっかでお互いがお互いを愛していたということがとても美しかった(でもきっとこういうのって、blの定番なのかな、僕が読んだ冊数が少ないだけで、w
友達と肌を重ねてしまった過去があり、今はもう連絡を取れていないというあらすじは
充分興味のあるものでしたし
読み進めて受けの多田が無愛想でツリ目の三白眼っていいわ!と思ったのですが
攻めの桜の言動がどうにも軽くてお話に入り込めませんでした…。
多田視点で中盤語られた桜の長所も
うん、まぁさりげない優しさを持てる人なんだろうけど
多田がそんなに好きになる程魅力的かな…??という疑問から抜け出せませんでした。
すみません。私の問題かもしれません。
失ってから気づく大事な気持ちというのもあるでしょうけども
何せ酒の勢いでヤッてしまった次の日の朝の言い方が好ましくなかったのと
一度の過ちではなく何度も関係したくせに
多田の甘やかしが心地よいだけだったんじゃないのかとつい思ってしまったのです。
他のどんな女の子にも本気になれないで
多田といた日々を懐かしんで…。
そこから行動に移せるのは凄いことかもしれませんが
自分の事しか考えてないような桜を好きになれませんでした。
しかも多田の本心を確かめる為に嘘までついて、
もう多田を傷付けないであげて欲しかったです。
お互いの気持ちを確かめあった後はもう何も間違えず幸せに暮らせるのでしょうけども
本当であれば切ない展開だろうシーンにも残念ながらグッときませんでした…。
イラストが素敵だったことと
多田が自分をゲイと認めたくなかった学生時代、
自分を騙しだまし生きて来たしんどさは伝わってきたのでおまけの中立で。