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piano man wa koiyoi no fukigen
タイトルから「いつも不機嫌を撒き散らしてるちょっと変わった芸術肌の男」みたいなマイナスイメージを抱いてたけど、読んだら違いました。
攻めの泰介は、ピアノで語る人っていうのかな。
言葉で飾らないから無口なんだけど、内に秘めている豊かな感情を、ピアノを奏でることで解き放つことができる魔法の指を持っている。
そして医者を目指して頑張る苦学生でもあるんですね。
ほんと苦労人なんだけど、挫けない。
でも、芯が強くなくちゃ生きてこれなかった……みたいなところも感じさせるので、母性本能をくすぐられるの!
そして、あまり恵まれた生い立ちではない彼が、ピアノ相手には自由に語ることができた……ピアノを弾く時は「ありのまま」を許されてるみたいなところもたまらんです。
そんな泰介のピアノに心奪われて、せっせとジャズバー通いを始めた史也。
男の隠れ家のようなジャズバーの雰囲気も読んでて楽しい。
受けの史也も、仕事と恋をきちんとしてきた男ってところが良かった。
広告代理店の広告マンとしての誠実で有能な仕事ぶりが読んでて楽しい。
一方のプライベートでは悩める男。
というのも元カレから復縁を迫られている。
三年間きちんと付き合ってきて大好きだったけど、半年前に別れを告げた元カレ。
この元カレもけっして悪くはない男なの。
ハイスペックだし熱を出せば一晩看病してお粥作ってくれるような男だった。
安直な当て馬要員ではないんですよ。
だから復縁を考えちゃう気持ちとか、出した結論も理解できるし共感できる。
一方、泰介とは途中まで恋愛抜きなんだけど、振り返ってみれば「運命」としか言えない。
だって泰介のピアノを聴いて、人生において滅多にないほどの感動をしちゃう。
そして「(その感動を安易に言語化せず)胸の中に大事に持っていて、ゆっくりと育てたい。そうすれば、いずれ自分自身の中で新しい言葉となって生まれ変わってくるから」と思うんです。
史也はコピーライターでもあるので言葉を職業にしている人ならではと思ったんだけど、生まれ変わってきたのものは、New!史也ですよねぇ〜!と。にやにや。
あからさまな年下×年上ものではないんだけど、年下×年上の良さもきちんとあって、そこも楽しめました。
仕事で実績を出してる史也に対して、まだ何者でも無い自分…とか、年上だからこそ臆病になってしまう……とか萌えます。
そして初エッチの時の史也の年上っぷりが萌えた。
見せつけるような熟練のフェラを披露したり、自分が気持ちよくなっちゃう三箇所を自ら泰介に教えるんですよ。
無駄に恥ずかしがっていないところが年上って感じで良かったし、この人意外と快感に貪欲なんだなというギャップも良かった。
泰介の生まれ育った北海道の景色なども絡めて派手じゃないんだけど、しっとりとしてて好きです。
タイトルからさぞかし気難しいピアニストかと思いきや、小さい時から苦労して育ち、今も苦労しながらも夢に向かって努力している素朴で力強く生きる青年でした。
広告代理店勤めのコピーライター遠藤史也(受け)は接待の帰りに、誘われてジャズバーを訪れます。ジャズはよくわからない史也でしたが、ピアニストの大垣泰介(攻め)のピアノに心惹かれます。
それ以来、泰介のピアノを聞くために頻繁にジャズバーを訪れるようになります。
トラブルに巻き込まれそうになった史也をたまたま通りかかった泰介が助けてくれた縁もあり、史也が押し掛ける形で親しくなります。
遠藤史也は少し名の知られたコピーライターです。今も、史也をリーダーにした新しい商品広告のプレゼンのチームを率いており、名指しでの仕事も持っています。
泰介のピアノに魅せられた史也は、興味を持ったものへの並々ならぬ行動力で助けられた礼をしたいと泰介に対してぐいぐいいくのです。
泰介と知り合ってからはインスピレーションが刺激され仕事も順調で、またプライベートでも半年前に別れた元カレから再び告白され、二人で生きていく未来を夢見ます。
泰介は休学中の医学部生で学費をためるため犯罪以外の仕事なら何でもすると豪語する苦労人です。父子家庭で育ちその父も亡くなり、父の命を奪った心臓病の治療をするために医者になりたいと夢見ています。ピアノは幼いころから習っており、スカウトが来るくらい人に聴かせる音を奏でますが、あくまで糧を得る手段であり、医者になることが目標です。頼る人がいない中、夢に向かって懸命に生きている青年です。
史也にはお互い嫌いで別れたわけではない元カレがおり、半年ぶりに再会し復縁を提案され一旦保留にしているのですが、その元カレとの仲を丁寧に戻していきたいと楽しみにしているので、二人の恋愛面では中盤までは動きません。
また、泰介はノンケだと思っているのでそういう風にみないようにしていたというのもあります。
史也の仕事が丁寧に書かれてあって、泰介の影響で今までにない発想が生まれ仕事に活かしていく姿はとても興味深く読みました。
泰介の出身地である北海道での取材では、北海道ならではの風景がとてもリアルで本当にその場にいるかのように感じました。
史也は広告を作るにあたって常にアンテナを張り巡らせていて、観察力もすごいのに自分に関してはちょっと鈍感なのも面白いです。
さりげない泰介の告白を全く違った風に解釈して、スルーしてしまうところはちょっと笑ってしまいました。
絡みは2回で、そのうち1回はまだ二人は告白しあっていないし、元カレの再告白に返事をしていない状態なので、不快に思う方もおられるかもしれませんが、実際二人は両想いだし、元カレと付き合っている状態でもないので私はあまり気になりませんでした。
この方の話は事件やオカルトの話ばかり読んでいて(ドロドロなのは苦手なので)、恋愛よりもそちらに重点をおいた2時間ドラマのような話だったといつもレビューに書いているように思いますが、今回は仕事もちゃんとしながらも恋愛に重点を置いた話でした。
最初に史也が巻き込まれたトラブルが二人を窮地に陥らせることになるのではと心臓に悪い思いをしながら読んでいましたが、それほど深刻な展開になることはありませんでした。
お互いの性志向を明かしていなかったので、泰介が史也がゲイだと知ったとたん、いうことを聞かないわんこのようになっていましたが、それ以外はしっとりとした落ち着いた恋愛ものだったと思います。
いつものオカルトや事件ものも楽しく読めますが、こういった恋愛話はとても私の好みでした。
ジャズバーなのでいろいろな曲が流れます。先にレビューされている方も書いておられますが、出てきた曲を聴きながら読むと物語の中に入った気持ちになり、より一層入り込めるのでオスメです。
ピアノ好き。我慢していたけれど、どうしても気になって購入。
ピアノ話ばっかりではなく、受けさんのお仕事話もしっかりあり、
大人っぽいお話な印象です。本編のみ230Pほど。
バーの雰囲気や、ジャズ、広告代理店話がお好きな方には良いかなと思います。
地雷は、受けさんの元恋人さんが結構絡んでくるところでしょうか?
三角関係かと問われると、うーん?
登場人物は
攻めさん:心臓外科医を目指す医大生(休学中)。学費の為猛烈バイト中。
受けさん:広告代理店勤務。チャラくはないです。
佳彦:受けさんの元恋人で化粧品メーカー勤務。ばりばり働く人。
受けさんが接待の後立ち寄ったジャズバーが舞台の一つ。
そこを出た後、やばげな揉め事に絡まれそうになったところを
助けてくれたのが攻めさんで、彼のピアノが気に入った受けさんはバーに
通うようになり・・とお話は進みます。
ジャズピアノ話はなかなか素敵です。
パワフルな音のうねりが聴こえてきそうな書きっぷり♡
是非ジャズを聴きながら読んでいただきたいです。
お仕事話も素敵。気に入った風景、ものをこうやって広告のイメージに
取り込んでいくのねーと大変興味深く、
読んでてこっちまでお仕事達成感満点(笑)
挿絵の先生は初めましてでした。
受けさんのまつげばしばしな顔はちょっと苦手でしたが(すいません)
攻めさんのワイルドやんちゃ犬みたいな風貌はすごく好きです。
カラー口絵は両面で、1枚目はなぜかカサブランカ?を抱えて弾く攻め。
(先生、お花が好きなんですかね?中の挿絵もところどころにお花が。)
2枚目がカウンターに向かって少し離れて座る二人、これがすごく素敵!!!
作品の雰囲気がとてもよく出てるなあーと、しばしうっとり。
以下はよりネタばれ
受けさんはゲイだけど、性癖が一緒って分かってから恋愛対象として
見るようにしているとのことで、途中まで攻めさんとの恋話はないです。
お互い気に入ってる友達 ぐらいな雰囲気なんですが、
途中でゲイとばれたら、年下寡黙ピアノマンが言う事聞かないわんこに変身。
そのあたりは、めちゃ楽しかったです。おーいけいけーてな気分(笑)
最後に向かって、元恋人とすったもんだが少々あり、あと、
受けが泣くんです。そこがちょっとダメだった・・そこで泣くな、男だろ と
つい言いたくなってしまった。泣かないと話が続かなかったんですけどね。
お仕事話、ピアノ話を楽しめた一冊でした。