溺愛×疑似家族ストーリー!!

溺愛彼氏と小さな天使

dekiai teshi to chiisana tenshi

溺愛彼氏と小さな天使
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×27
  • 萌12
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
66
評価数
21
平均
3.2 / 5
神率
0%
著者
西門 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344840959

あらすじ

とある事情から仕事を辞めて実家に戻った稔里は隣家でカフェを営む瑛吾と、その甥っ子・聖と仲良くなる。瑛吾のカフェでアルバイトを始め、二人と一緒に過ごすうち次第に癒されていく稔里。しかし、仕事を辞める原因となった上司が再び稔里の前に現れ……!?

表題作溺愛彼氏と小さな天使

稔里の実家の隣のカフェ店主,32歳ぐらい
退職して実家に戻った青年,24歳ぐらい

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数7

子供に癒される

このお話で主人公が経験した職場トラブルは、現実にありえそうで怖い…。働く身からすると、もしかしたら自分にも起こりえる事態かもしれないとゾッとすること請け合い。

社会人二年目の稔里は、職場の上司から強烈なパワハラを受けていました。当初は社会人経験の浅さから素直に上司の指示に従っていましたが、とうとうメンタルを崩して退職します。

久しぶりに実家に戻った稔里は、祖父母が住んでいた隣家がいつのまにかカフェになっていて、今は父子家族が住んでいることを母親から聞かされます。すらっと背が高くスタイルの良い父親と、その息子らしい3歳の男の子。前職でボロボロになってしまった稔里は、彼ら二人に少しずつ癒されて…。

父子家族の父親・瑛吾は元モデル(+スパダリ)で実は苦労人でした。息子の聖ことひーちゃんがもー可愛くって、読者のわたしが一番癒されていました笑。人懐っこいひーちゃんに気に入られた稔里は、カフェのアルバイトをしながらこの二人にたくさん励ましと勇気を与えてもらうのです。

お約束の恋敵が出てきたり、稔里が危険な目に遭ったりと試練に見舞われつつも、最後は素敵なハッピーエンド。本作ではエチ甘めな作者様の長尺エロシーンが楽しめるかも…。攻めの気持ちが早い段階で明かされているので、個人的には両片思いをもっと堪能したいところですが、稔里がかなり精神的ダメージを受けるキャラなので甘辛バランスが計算されているのかなと思います。

子供が癒しとなる作品なんですけど、いわゆる子育てものとはちょっと違うのかな…?西門先生の子連れはワケアリなので、個人的にはそこが安心材料になっています笑

余談になりますが、腐歴の長い先輩が花嫁・結婚・子育てものがたいそうお好きで、当時BL若輩者(今もですが)のわたしはその魅力がわからなくて、彼女の萌えセンスを分けて欲しいと思っていました笑。今でも積極的に読みたいジャンルなわけではないけれど、抵抗がなくなったのは西門作品のおかげもあるかもしれません。とても読みやすいです!

0

聖くんが可愛い

上司からのパワハラが原因で仕事を辞めて実家に戻った稔里。
隣家でカフェを営む瑛吾と知り合い、瑛吾のカフェでアルバイトを始めることになった。
瑛吾の甥っ子の聖と、瑛吾と一緒に過ごしていくうちに心の傷が癒されていく稔里だけど
ある日仕事を辞める原因となった上司が稔里の前に現れて…。

人格否定のパワハラなので稔里は完全に自信を失っていて
そんな稔里を支えたのが瑛吾です。
そしてとても可愛い聖くん。
最初は弱弱しかった稔里だけど瑛吾と関わり心を通わせることによって
少しずつ元気になっていきます。
ほんわかしたままお話が進んでいくと思ったのですが
なかなかそんなこともなく当て馬的存在のミカが出てきたり
上司との再会でひっちゃかめっちゃかになってしまったり…。


二人の恋愛だけじゃなくて家族愛も含まれていて
稔里のお母さんの愛が私はたまらなく胸が打たれました。
『母の心、子知らず』ってやつだなぁと思いました。
お母さんの「稔里が稔里なら、母さんはそれでいいのよ」と言う台詞がもうね…。
あぁ温かいなぁと思いました。

温かさもあり切なさもありとても引き込まれる作品でした。

0

真っ当な攻めとラブリーお子様

表紙のゆるウェーブな男子に惹かれて購入。陵先生の挿絵に弱いです。
中の挿絵も、この男子が絵的にすんごく好みで、うっとりです。
この男子が、受けさん実家の隣家を改築したカフェの店主さん。
受けさん実家が大家さんという関係です。
こんなカッコいい店主さんなら、そりゃ通うよな という繁盛ぶりで、
ストレスで体調崩し実家に帰ってきた受けさんが店のバイトをするようになり・・・とお話は始まります。
本編のみ、書き下ろし240P超。

地雷というか、きついなあと感じるのが、
受けさんが会社を辞める原因になったくず上司。
過呼吸のシーンも少しあるので、メンタル的にきつい方もいるかな。
ですが、ラブリーお子様に癒されるところもあるので、挑戦してもいいかも。
そう、お子様が舌足らず系で可愛い~。
攻めさんが電話でしゃべってると「えーちゃ(=攻)、うるしゃい!」と
怒ったりします(爆)
ラブリーお子様、優しくカッコいい攻めさん、
受けの幼馴染女子(母となってカフェに通う)、偉大な受け母等により、
受けさんが立ち直るお話なので、読後感はほわほわ♡です。

***************以下は よりネタばれとより感想

子供は可愛い。
受けはやや弱いタイプだけど、ちゃんと最後は頑張って反撃する。
攻めさんはカッコいい。特に嫌いなところはないんだけど
個人的にはあんまり盛大に萌えきれなかったです。
ちょっと変態 と感じるぐらい溺愛する攻めを、今は欲してたからかも。
先生すいません。
こんなビジュアルカッコいいんだし、変人だと変ですもんね。
真っ当な普通な攻めがお好きな方には大丈夫、オススメです!

7

傷ついた心が周りの人の優しさに癒される話



会社でのパワハラにより体調を崩した稔里(受け)は逃げるように帰ってきた実家で元モデルという瑛吾(攻め)とその甥っ子(養子縁組しているので息子)の聖と出会います。聖に懐かれた稔里は隣家でカフェを開いている瑛吾に誘われてバイトをするようになり、優しい両親や瑛吾親子や再会した同級生と過ごすうちに傷ついた心が癒やされます。

稔里は高校の時に自分がゲイだと気づき、両親や周りに気付かれることを恐れ大学からは東京に出て一人暮らしを始めます。
大学では同じ性指向の親友もでき、それなりに楽しくしていたのですが、就職先でパワハラにあい、常に否定され続けた結果、自身に全く自信を持てなくなってしまいます。上司にゲイであるとバラすと脅され、押し付けられたキャパオーバーの仕事量にうつ病を発症しパニック発作を起こすようになります。
「逃げることは悪いことじゃない、その選択が正しかったと思う生き方をすればいい」というSNSでのつぶやきに力を得て、退職して実家に帰ることにするのです。
もともと内気で引っ込み思案で人付き合いは得意ではありません。
そして、上司のパワハラにより高圧的な態度をとる相手は特に苦手です。
なのに、とても我慢強いためボロボロになるまでがんばってしまうのです。


瑛吾は両親を早くに亡くし、姉弟二人で寄り添って生きていましたが聖を残して早逝してしまい、姉にかわり聖を育てるため稔里の隣にカフェを開いたのでした。
コニュニケーション能力が高く、包容力もあり、幼い聖を優しく時には厳しく育てています。
ただ、瑛吾に関してはこの情報くらいしかないので、稔里に惹かれた経緯はよくわかりませんでした。はじめは見守ろうと思っていたといっていましたが、性思考がとかはわかりませんでした。
ミカエルにキスされてもいたずらだからと言い訳していたし、男性経験あるみたいだったのでノンケではないようでしたが。

再びパニック発作を起こした際には、自分を責める稔里に瑛吾は稔里は悪くないと肯定し、稔里に今までの経緯を聞くと、SNSと同じ言葉で稔里を励ましてくれるのです。
瑛吾の元モデル仲間のミカエルのちょっとした嫌がらせやら、逆恨みをした元上司によりピンチになるなどありますが、瑛吾の稔里に対する態度は終始甘々で、常に稔里を肯定し包み込むような優しさで稔里の自己批判を正してくれ前向きな姿勢にしてくれます。

それに加えて、稔里の癒しになってくれる聖はとってもかわいくて、ちょっとわがままなところもあるけど素直に自分の要求が言えるほど愛されて育てられていることがわかる可愛らしい子でした。
ただ、幼稚園の年少さんだと思うと少し幼い気がしました。もう一学年下位だとちょうどいい感じかな。


両親は言うに及ばず、同級生だった三村もいい人でした。世話好きで小中学生の時はいじわるされる稔里の面倒をみてくれていたという二人の子供のお母さん。
彼女の存在も稔里にとって安心できた要因の1つだったのではないでしょうか。同じく同級生の旦那さんは出てきませんでしたがきっと家では仲睦まじいのでしょう。

ただ、元モデル仲間のミカエルが出てきた意味はよくわかりませんでした。
当て馬みたいに登場してきて感じ悪いことをいって嫌な感じだったけど、ただのコミュ障でした。でも、瑛吾にはちゃんと接することができるので、激しい人見知りの結果、敵意丸出しの態度しかとれないコミュ障だということだったのかな。
でも、傷ついて帰ってきている稔里を傷つけるのは高圧的な客と糞な元上司だけで良かったのに。
周りが優しい人ばかりだからコミュ障で付き合いにくい不器用な人がいるとアクセントになるということだったのかもしれませんが、私としては大学時代に初めてできたという親友に登場して欲しかった。
彼との友達としての会話を読みたかったな。
で、瑛吾にヤキモチを焼かせたかったな。

稔里の受けたパワハラは本当に酷いもので気分が悪くなるし、あのグズ元上司にはもっとひどい報復があってもよかったと思いますが、実家に帰ったことにより稔里が自分を肯定できるようになったので本当に良かったです。

4

実家に戻っての癒しと出逢い

職場で精神的に追い詰められて傷付いた末に退職し、実家に戻ってきた稔里。
まず最初に再会したのが、彼の味方的存在の同級生の女の子で良かった。
ゲイだという悩みを隠して引っ込み思案だったという彼にとっては、中学・高校時代もパッとしなかったという思い込みら実家に戻っても辛いんじゃないかと思っていたが、スローライフの癒しは侮れないなと感じた。

その時に出逢った隣家(以前は稔里の祖父母が暮らしていて、現在は両親が大家になっている)でカフェを開いている子連れのイケメン、瑛吾に心を開いていく過程で、ひた隠しにしてきた悩みを打ち明けるようになり、職場のパワハラで無理を重ねていた精神状態を振り返る事ができるまでになっていく。

攻め、受けどちらかが子連れといった設定は最近よく見かけるが、今回の話では攻め・瑛吾が甥っ子の聖を引き取るに至った経緯にじわりとくる。
もう一人、瑛吾が気になってわざわざ田舎のカフェまで足しげく通う元モデル仲間のミカエルってキャラクターも登場するのだが、当て馬としてはパンチ力が弱かったかな。
その分、パワハラ上司の存在だけでも充分に稔里を苦しめるし、今時の悪役としてピッタリだった。

家族愛、人情味が盛り込まれたいかにも王道って内容で安心して読める一冊だった。
子供キャラに関しては、たまーに小さい子を登場させてもあんまり意味ないんじゃ…って思う時もあるが、聖くんに関してはそれほど苛つかずに暖かい目線で読む事ができた。

2

傷を負った人同士の再生物語

会社でパワハラを受けて仕事を辞め、実家に帰ってきた受けと、実家の隣でカフェを営む元モデルの攻め&ちみっこ、というお話です。

基本的にほのぼのとした可愛らしい話で、難らしい難はなかったのですが、キャラ説明にページが割かれている割には受け攻めの存在感が薄い感じでした。特に攻め、元モデルで甥っ子を育てているイケメンのカフェ店員なんですが、そもそもゲイなのかどうか、これまでの恋愛が女性相手だったか男性相手だったか、いつ受けのことを好きになったか、そういうことがいまいちハッキリしないのでサラッとした印象。
受けは視点キャラだし、ゲイだということは最初から判明しているし、そういう点ではキャラクター設定はしっかりしているのですが、攻めに最初に惹かれた理由が外見からなので、萌え度はちょっと下がりました。

でもちみっこは割と可愛いし、かつての職場でひどいパワハラに遭いメンタルボロボロの受けが頑張って復活する流れはジーンとしました。
ちなみにちみっこは3歳でしたが、理性と本能の兼ね合いやカタコトのしゃべり方は2歳設定くらいでも良かったかも。

1

親の心、子知らずすぎる受け……

読んでて、親って無力だなぁ……って思ってしまいました。
BLの感想じゃないですよね……。

というのも受けの稔里は、内気で自分に自信がないんですね。
でも、おおらかなご両親は、内気な性格も「それは稔里の優しさだからね」と肯定してくれるような方々で、「親には自分の全てを受け入れて育ててくれた」と稔里自身思ってる。
非の打ち所のない理想的な親なんですよ。

そして、思春期に自分がゲイである事に稔里は気付きます。
自分の全てを受け入れてくれる親だと解っているけれど、稔里は両親に打ち明けるという発想どころか、ゲイである事は「親への裏切り」とすら思って、親への申し訳なさからもうこの場所にはいられないからと家を出る…。

どうしてそっちの発想になる?!
これ自分が親だったら、超〜ショックだな〜って思ってしまいました。

稔里の親御さんは、「どんな事があっても自分の子供には変わりない」と思って子育てしてきた。
だから、ゲイだと打ち明けたとしても受け止めてくれたはずなんですよね。
なのに、稔里にはそれが全く伝わっていない。

なんか稔里の親に同情しちゃったんですよね。
親として、一番伝えたいものがあって愛情込めて育てているのに、子供にはそれが伝わってないんだなーって。
それにもし、自分が稔里の親だったら、親は信頼できる相手ではなく、ゲイである事が「裏切り」だと子供に思わせてしまうものが自分達にあったのかと、打ちのめされるだろうなぁ……と。
ゲイなことが親不孝なんではなく、そういう思考回路に陥る方がよっぽど親不孝だよ!と。

そしてその後、人格を全否定するパワハラ上司のせいでメンタルボロボロにされてしまい、逃げるように実家に戻った稔里を救ったのは、攻めの瑛吾でした〜!という展開で、BLとしては正しいのだけど。

なんだろーな……。
ネガティブな受けって、BLでは時々登場するけど、大抵は毒親の元で育ったとか不憫な生い立ちゆえ……みたいなのばかりで、自尊心が低めでもそれは仕方ないな……と思えるものがあるんですよね。
そして攻めに出会って、生まれて初めて愛情というのものに触れて、少しずつ変わって……みたいな。

その一方で、この稔里はあんなにいい母親に愛情たーーーっぷり注がれても自己肯定感を培うことができなかった。
でもポッと登場した瑛吾のおかげで「自分という人間をそのまま受け入れてくれた、だから変わらなくちゃ」と決意するんだけど、いやいやいや、そりゃないよーって。
だって両親だって「自分という人間をそのまま受け入れてくれる人」だと知ってるよね?
なのに、まるで生まれて初めて自分を肯定してくれた人と出会えたみたいな言い草なんなの?

で、パワハラ元上司の魔の手から、瑛吾とちびっこを守りたい!と思って、瑛吾と距離を置くんだけど、なんでそーなるよ……。
瑛吾に相談するの一択でしょうがっ!

結局ピンチに陥ったところを瑛吾に助けられるんですね。
そして心配する瑛吾の姿に、「自分のことを本当に心配してくれる人がいる」と稔里は嬉しく思うんだけど、またしても「生まれて初めて本当に心配してくれる人と出会えた」みたいな言い草はなんなの??

これが薄幸不憫受けならわかります。
だけどお前はとーーーっくの昔から、両親に全肯定されて心配してもらって生きてきたんでしょうが。「自分のことを本当に心配してくれる人がいる」だなんて、それ母親が聞いたら泣くわ。

あまりにも親の気持ちが通じていない様子に、あああぁぁ……の連続で、萌えが阻害されてしまったのは、受けよりも受け親の年齢に近いからかもしれません……。



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