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父親と幼なじみの勝彦のキスシーンを見た誠は、怒り心頭で。
そこからどういう訳だか、父親から挑まれた勝負を受けることになってしまう。
「自分が本当に大切なものをくれた人のものになるよ」という勝彦に、戸惑う誠。
勝彦の本当に欲しいものは何だろう……?
悩む誠に、焦れる勝彦。
ひとつ屋根の下に住む二人のハートフルストーリーな感じでした。
なんていうか、すっごいじれったいですけど、いい話だったなー……と、思います。
ピュアな二人のピュアな話。
というよりも、最初に恋を自覚した時ってこんなかんじだったかなー? ってちょっとすっぱくなる感じでした。
相手に対する感情が、徐々に変化していくのを感じるのってなかなかないと思うんですが、その辺りをとても丁寧に書かれていて、すっごく感じのいい話でした。
なんていうか、みずみずしい話を読みたい人にはとってもオススメです。
幼馴染みの恋物語です。
桜井誠(17)×佐々木勝彦(17)
誠と勝彦は幼馴染み。
勝彦の家庭の事情もあって中学に上がった頃から、勝彦は誠の家で一緒に暮らしている。
誠の親は片親で父親のみ。
その父親はゲイで誠はそんな父親を毛嫌いしていて。
そんなある日、父親が勝彦にキスしているところを見てしまい…。
以前、同人誌、他社で発表されたものの大幅加筆・修正版です。
「マコちゃん」「カッちゃん」なんて呼び合う今時ありえないような高校生。
それも元々はコメディ用に作られたキャラだからだそうですが。
その呼び方が気にならないといえば嘘になりますが。
2人のやりとりはかわいらしかったです。
自覚している者と自覚していない者。
いや、目を背けている者といえるかもしれない。
自分の気持ちと相手の気持ちとに向き合うことから逃げて。
でも、それではいけないと突きつけられて。
周りに後押しされてようやく誠は動き出すのですが。
なかなかの大鈍で読んでで苛々する部分も大きかったです。
勝彦に同調して、「なんでそんなことがわからないのー!」って気分になってしまう。
「星に願いを」ではそれより少し発展して。
好きだから触れて欲しいと想う気持ちと、好きだから触れられない気持ちと。
お話的にはこちらの方が好きかな。
そこに女子との恋愛とかも絡んできてすれ違って。
誠が打ち上げの席で話してた内容が印象的というか。
そういうこと聞いちゃうかというか。
それでも誠が一生懸命に勝彦のことを想っているのは感じられる。
ちゃんと表さないから勝彦が不安になるのもわかるけど。
…にしても、誠は全体的にホント大鈍でした。
勝彦の気持ちに関してはヨシとしても、自分の母親についてそこまで知らないとか何!?
ちょっとびっくりしてしまいました。
逆に勝彦はよくがんばったなと思うところも。
だって、ずっと一緒にお風呂入ってるんだよ?
自覚のない誠はともかく、勝彦は意識しちゃったりとかなかったのかなぁ。
そして。
私が気になるのはやっぱり脇キャラ。
きっとそうなんだろうな、となんとなく表題作で感じていたものは「星に願いを」でしっかり本人の口から語られました。
うー、気になるよ、佐谷と遠藤が!
あとがきで書かれている先輩たちのお話ってこの2人のことかしら。
なら、探してみなくちゃ…。