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俺はおまえとしか結婚しない──
hatsukoi wedding
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
えー!やっぱりそういう展開になっちゃうの…!?
と、最後に進むにつれ読むのが辛くなる私的には悲しい展開でした。
読み手さんにとっては、落ち着く所に落ち着いためでたしめでたし展開でもあるかと思います。
でもやっぱり、受けさんと攻めさん、受けさんの義理の息子と3人の空気感が好きだったので
どうにか3人で纏まって欲しかったです(><)
受けさんの拓実は、他人と触れ合うことが出来ない接触障害を患っていながらも
子供のいる女性と結婚し、幸せに暮らしていました。
半年だけでしたが。
病気が原因で仕事も休職扱いとなり、ある日帰宅すると義理の息子・愁しかおらず
妻からの手紙と離婚届を愁経由で渡され、通帳や印鑑も持ち逃げされ、
住んでた家は改修工事で、移住先も決まらないまま出る羽目になり。
そんな拓実がやむにやまれず頼ったのが、7年間音信不通だったうえに
病気の原因となった攻めさんの偉月で…
と、散々な展開から始まります。
偉月の不器用さ加減がいじらしくなるくらい、2人の関係性に焦れったくなり。
それまではどんだけスパダリだろうがこんな攻めは嫌だな…と思っていたのですが、
本当に偉月の不器用な所をちょこちょこ垣間見ると「あー!もう!!」って
なっちゃうんですよね…笑。
壮大で盛大な7年間のすれ違いは、読んでて気の毒でした笑。
無事に奥さんを見つけ出すこともでき、
2人にとっては円満解決となるのですが(普通は有り得ない。絶対。)、
愁を可愛がっていた偉月のシーンが好きで
そんな2人を傍から見つめ微笑ましく思ってる拓実という描写が好きだったので
この3人が結局は一緒に暮らせない展開になるのが本当に辛かったです(´;ω;`)
あ!特典ペーパーが1番救われた…というか、
偉月視点のあのシーンの一幕が読めるので、
楽しめたし、笑えたし、本当に1番好きなシーンになりました(∗•ω•∗)笑
人肌が苦手な静木拓実(受け)は、新上司のスキンシップに耐えられず休職することになってしまったことを妻の久未子に話せてなくて困っていました。
今日こそは話そうと家に帰ると久未子から手紙が。
中には本当に好きな人と暮らすという言葉と離婚届。拓実の預金通帳を持ち、久未子の連れ子・愁を残して。
さらに追い打ちをかけるように、拓実は寝耳に水のアパートの立ち退き期限が迫っていました。
踏んだり蹴ったりで疲れ切っていた拓実は、テレビで高校の同級生・萩薗偉月(攻め)が会社社長としてインタビューを受けているのを見かけます。
それもこれも全部あいつのせいだ。そうだ慰謝料を請求しよう。
会社に突撃しにいくと、意外にも偉月は連絡しようと思っていたと。
今の窮状を促されるがまま話すと、丁度いいからと自分のマンションに住むように言われます。
拓実は父子家庭でその父親も早逝したので、お嫁さんを貰って自分だけの幸せな家庭を築くことを夢みていました。
が、偉月に絶対に無理だと言われ、自分の夢を否定するためだけにキスやいろいろされたことにショックを受け、それまではスキンシップが大好きだったのに、人肌が全く駄目になってしまいました。
満員電車も満足に乗れず日常生活も苦労する中、拓実は偉月を見返すためにも絶対に幸せな家族を作ると結婚相談所で出会った子連れの久未子と結婚するのです。
偉月は尊大な態度で人から誤解されやすいのですが、根は優しい人です。
が、自分の素直な気持ちを表すのが壊滅的だったため、ただでさえ鈍い拓実に全く気づかれることはなく、誤解されてしまいます。卒業式で10年以内に迎えに行くと約束する(したつもり)のです。が、拓実には全く伝わっておらず、やっと迎えに行く準備ができて連絡しようとした矢先、拓実が慰謝料を請求しに来るのです。
なんというか読了した直後はめでたしめでたしで良かったのですが、読んでる最中は色々複雑でした。
子供を置いて預金を持ち逃げした久未子にはありえないと腹を立て、そのことに一切腹を立てない拓実には優しすぎるとイライラし、ちゃんと気持ちを言わず拓実を傷つけた偉月にムカつきました。
でも、自分のマンションに連れてきてからはの偉月はわかりやすく拓実に甘甘です。最初こそちょっと強引に手を出そうとしますが、泣かれたら最後までは絶対にしないし、疲れてるだろうからと毎晩抱きしめて寝たり、「いってきます」と「ただいま」のキスという新婚夫婦のようなやりとりをしたり、電車が苦手な拓実の代わりに愁の参観に行ったり、二人を海に連れて行って甲斐甲斐しく世話したり。
そんなふうに甘やかされて、偉月と愁との3人の生活が本当の家族のように感じ、拓実はずっと3人で一緒にいたいと思うようになるのです。
が、甘やかされて偉月がいないと生きていけなくなったら困ると思う拓実が切ないです。
話の中で、婚約者がいるという誤解をといていない偉月とまだ離婚が成立していない二人が、リハビリだという名目で最後までしていないとは言え、それに近いことをするのはちょっと嫌でした。
こういうのはちゃんとしてからにしてほしいと思いました。
久未子にしても、すごく悩んだのもわかるし、拓実に問題がるのもわかるのですが、ちゃんと話し合わないでいきなりいなくなるなんて本当に無責任です。ただ、本当に悪い女性でなくて良かったです。
久未子の連れ子の愁がとても健気です。
恋多き女と母親を評し、頼りない母親のためにしっかりしないといけないと頑張り、自分は母親の邪魔になっているんだと我慢している姿が、可哀想で。
大人ぶってるけど、本当は素直で人懐っこい可愛らしい子でした。本当の自分を出せるようになって本当に良かったと思います。
拓実視点なので、どうしても拓実の肩をもちたくなりますが、偉月も可哀想なのです。
自分のことが好きなくせに嫁をもらうなんて夢見てる拓実の目を覚まさせてやろうという気持ちで、キスしたりしたのに、全く逆な意味に解釈され、10年以内に迎えに行くからという約束を守るため頑張って会社を立て直して社長になって、家やらなんやら揃えてやっと迎えに行こうとしたら、拓実が結婚し
てて子供までいてたなんて悲劇です。
あとからよく思い出してみれば、プロポーズらしきことを言ってるんですが、なんせわかりにくい。あれでちゃんと偉月の考えが分かったら逆に凄い。
7年たってやっと大分わかりやすくなった偉月ですが、盛大な結婚式をしようと目論むくらい周りのことを気にしないので、今度は自分のために次に何しでかすかとドキドキする毎日かもしれませんが、きっと拓実にとって幸せな生活が待っていると思います。
偉月の言動でトラウマになったとしても、拓実が偉月を好きなことに自覚がなかったせいで、遠回りをしてしまいましたが、拓実の幸せな姿が見れてとても幸せな読了感でした。ラストが表紙の絵と連動しているのもとても良かったです。