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mayonaka no binetsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表紙の雪舟薫先生のイラストに惹かれて購入しました。本の半分より少し多めに表題作。その残りが別カップルの話です。表題作の受けの史彰は、ツンデレというか、一生懸命過ぎて意地っ張りという感じです。受け、攻めの交互に両方の視点で話が進みます。
--以下思いっきりネタバレと感想になります--
<表題作>
史彰は見た目が綺麗で色白く、過去に何度か同姓から変な目で見られたりすることがあった。なので智則(攻め)がどういう目で自分を見ているか分かる。ボロボロアパートのお隣さんに住む彼は、いつも遅く帰る史彰を何かと気にかけて心配をしてくれる。
史彰は以前住んでいた家、幸せだった頃の家を取り戻そうと、自らの意思で必死に働いているだけで、他人からの心配も同情もそういった思いも必要ないと、自分の目的だけ考えるようにしている。なので仕事でも必要以上に誰かと関わらないようにしており、平日も普通に働き、仕事後は以前働いていたバーでバーテンダーとして働く。
そんな史彰を心配している無精ヒゲの謎な男、智則。彼としては、そういう目でみているのは事実だが、(←口には出しませんが)
「少しでも身体を大事にして欲しい・・・無理をしないで欲しい。」と心配で声をつい掛けてしまう。史彰に「あんたに関係ない」と、うっとおしがられても。少しでもこっちを見てくれないかな~。過去に恋愛に苦労したことがない為、途方にくれます(笑)
そんなある日、バーで出会った人(お金持ち)が史彰にどうしても1日会って欲しいと紳士的に何度もお願いされ、食事の誘いを受けてしまうのですが、二人が出掛ける場面を智則に目撃され気まずくなり、智則としては「何で俺じゃ駄目なんだよ・・・」と怒りと悲しみが。
そのあと、智則が姿を見せなくなり、その後も色々あり受けの史彰は、「嫌われてしまった」とショックを受ける。薄々気づいていた自分の気持ちにやっと向き合うのですが・・・といった感じのお話でした。
感想としては、話の展開が予想より速すぎて「え!?もうそんな展開に行っちゃうの?」と、
電車が急に発車して、駅に置き去りにされた人のような気持ちに一瞬なりました(笑)これは、本の半分じゃなくて丸まる1冊でじっくり読みたかった気がします。(あとがきを読んで、テンポを重視された理由が分かりました。)
<同時収録 続・真夜中の微熱~真岡の場合~>
智則の秘書として出て来る真岡さん・・・すごい好みでした。眼鏡+敬語+ドS!!(笑)
受けは、智則のお兄さん通彦さん、こちらの美人+きしゃでって表題作と同じタイプ・・・?と思いきや、通彦は地味でおとなしく、争いごとが嫌いな為、自分が我慢しとけば・・・周囲から何か言われても我慢してしまうタイプ。
でも本人には自覚が無いですが、とても人を観る目があって、会長や兄弟と真岡からは信頼されています。(彼が言われ放題のシーンが多いので、もっと活躍する場面が欲しかったです!)
攻めの真岡は飄々としてるというか常に表情が変わらず、冷静で的確に仕事をしますが、殺伐とした世界の中で癒しの通彦に手を出してしまいます。その後も2人の身体の関係は続きますが、ある日、通彦の専属秘書だったのを、会長から弟の智則の秘書になるよう命じられます。
自分の立場を考えなければと思い、通彦から離れるのですが、通彦の秘書が余りにも酷い態度に怒り(凍てつく氷の様な怒り方)、普段は何事にでもサラリサラリとかわせるのですが、通彦のことになるとどうにも駄目で。
通彦の弟、智則が良い役をしてくれます。表題作よりも格好良い!と思ってしまった。「俺の大切な兄貴なんだよ・・・」「兄貴苛めてるんなら許さないからな」とか、その兄弟に嫉妬してる(けど顔には出さない)の真岡←ツボでした!!!
ベットシーンは表題作よりも、しっかり長くじっくり書かれていて真岡のドエスっぷりと、敬語で攻めつつ時々、命令口調で「~しなさい」とかお兄ちゃん苛められてるよ!!と弟に報告してやりたかった(笑)泣いて悦ぶ姿を見るともっともっと苛めたくなるって・・・今後の通彦さんが心配です(笑)
一瞬、真岡が可愛いと思えるシーンもあるのですが、そんなシーンあったかな?と思えるほどの
勢いでした(笑)こちらは表題作が良い具合に絡み合って、そんなに物足りなさは感じなかったのですが、今後の二人が気になる~というところで終わるので、寂しかったです。
関連がある2つの作品を1冊で読めたというお得感は有るのですが、ページ的に物足りなさも少しありました。ですが、好みのキャラクターもいたので面白かったです。