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hada ni hisomu chou
「肌にひそむ蝶」
世間体を気にして、いつも自分を押し殺しているような地味っこが、自分の全てを塗り替えるようなワイルドな男性に運命的に出逢って、彼が違う世界にさらっていってくれる……
そういうハーレ○インロマンス的なストーリーです。
これを男x女のNLでやられるとケッとなるのに、男同士のBLになるとニマニマと萌えるのはなんでなんだろうね〜?
スクエアな銀行員・邦彦が出会ったのはNYを拠点とする画家・高樹。
高樹に潜在ゲイを指摘され、閉じこもった心をほぐされ、新しい扉を開け放ち、生まれ変わる。
高樹は彫師の一面もあり、邦彦の内腿に片翅の蝶を彫り込みます。タイトルにもなっているのですが、エロ的な意味よりも「羽化する心」の象徴的なものなのかな、という印象でした。
「愛にひそむ蝶」
銀行を辞めて高樹と共にNYに渡った邦彦。
すでに優雅な生活を確立している高樹の若奥様みたいに、家もお金も心も全て依存しています。
そんな時、SNSに自分を中傷する画像を見つけ…同時に高樹が誰かと不穏な会話をしているのを聞いてしまう。
ちょっと危機。頭を冷やそうと日本に一時帰国する邦彦。
でも展開は早く、比較的すぐに誤解は解けます。
所は奄美大島、邦彦の父親が経営する民宿にNYから高樹が邦彦を追って飛んでくる。
その後は、2人のノロケ合戦?で、NYからの高樹はともかく、邦彦がそんなに熱く言葉で愛情表現するかしら?と思うくらい2人とも情熱的です。
邦彦父も無事男同士のラブを認める大ハッピー展開。読みやすくて甘々でした。
中編2作品ですが、どちらも邦彦(受)の視点で進みます。
邦彦が主人公なのですが、表紙イラストには足しか登場していません。私はそういう構図を見たことがなかったので変わっていてお洒落だなと思いました。
真面目な銀行員だった邦彦が、8歳年上の獣のような高樹(攻)に強引に体の関係を持たされて…とエロチックでダークな予想で読み始めたのですが、高樹は意外と紳士的な男性で、浮気も怪しげな素振りも見せない一途な恋人でした。
続編で高樹の元彼氏のアルベルトが、邦彦に嫌がらせをするのですが、それも結構あっさりと許し許されで終わり、ちょっと拍子抜けでした。せめて高樹が裏でしっかり叱っていた描写は欲しかったかも。
ダークさを求める方には物足りないでしょうが、つまらない日常から旅立つストーリーを求める方には良いと思います。
表紙買いです。
この作家さんは好き設定なのに、読んでみたら好みじゃないというのが続いて、しばらく離れたんですが、たまに読むとやはり好みと思う話もあって、作家買いから外しても博打買い?はぞっこう。
これは昔雑誌で読んだ記憶があり、表紙もきれいなので購入。
ただ、残念ながら内容は好みではなかったです。
抑圧されている会社員が芸術家の攻めと知り合ってから、予想の斜め上に話が飛びまくる。書き下ろしは、さらに予想外でついていけなかった。BLを読み過ぎて、こうなったらこうなるだろう、と展開を読み過ぎて、まるで違うと受け入れられなくてもうしわけないきもちに。
電子書籍で読了。挿絵有り。
お話自体は読みやすいです。
怒濤の展開を見せますが、トンデモ系のぶっ飛び方ではないと思います。
ちょっと戸惑ってしまったのは、嵩梨さんのこの表紙イラストの雰囲気や蝶のタトゥーを彫るというあらすじ、そして何より作者が秀さんということで、もっとダークな世界を期待していたんですね。そうしたら『クローゼットゲイの自立もの』で、私基準では『爽やか系』だったので、肩すかしを食らった感じです。
これ、編集方針でしょうか?だったら損をしているんじゃないかなぁ?
また『愛にひそむ蝶』の方で「飯田、それを許しちゃイカンだろ」と突っ込みたい部分がありまして、何となく釈然としないまま読み終わったという感じです。